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委託連携加算とは?対象サービスや算定できる・できないパターンを徹底解説!

2024-07-17

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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「収益を獲得するために委託連携加算を取得したいが、どのような流れで取得すればよいのだろうか」このように悩む事業所は多いです。委託連携加算は取得できる場合とできない場合があり、複雑に感じられ収益は欲しくても加算に踏み切れないこともあるでしょう。
この記事では委託連携加算の内容について詳しく解説していきます。記事を参考に、ぜひ加算取得を目指していきましょう。

委託連携加算とは|地域包括支援センター(介護予防支援事業所)だけが算定可能

委託連携加算は、地域包括支援センターが介護予防支援を外部の居宅介護支援事業所に委託できることを目指しており、そのために適切な情報連携等を評価するべく創設されました。
加算導入の背景には、地域包括支援センターの負担が増大していることや、報酬単価の低さから委託先の確保に頭を悩ませていることがあげられます。

その他にも介護予防支援におけるケアマネジメント業務の負担も大きく、委託しやすい環境の整備として加算導入が検討されました。
令和6年4月から居宅介護支援事業所も自治体から介護予防支援の指定が受けられるようになり、介護予防支援の基本報酬が「地域包括支援センターの場合」と「居宅介護支援の場合」で分けられるようになりました。そのため委託連携加算は「地域包括支援センターだけが加算できる」ものとなりました。

委託連携加算の単位数は300単位/月

委託連携加算の単位数は300単位/月です。加算を算定するには2つの留意点があります。

  • 委託を開始した日の属する月に限り算定可能
  • 利用者1名に対し1回を限度として算定

これらの留意点に注意しながら、委託連携加算の算定をおこないましょう。

委託連携加算と初回加算の違い

委託連携加算は、令和3年度の介護報酬改定により新設されました。介護予防支援事業所が利用者に提供する介護予防支援を、指定居宅介護支援事業所に委託する際に利用ができます。

その際に当該利用者にかかる必要な情報を当該指定居宅介護支援事業所へ提供し、当該指定居宅介護支援事業所におけるケアプランの作成に協力した場合に加算がされます。

その時の条件として、当該委託を開始した日の属する月に限り、利用者1名につき1回を限度として加算されます。

委託連携加算と初回加算は同時算定可能

各加算の算定要件を満たすことによって、同時に算定することができます。同時に加算する場合、介護予防支援事業所にとっても初回の契約となります。そのため委託連携加算と初回加算は、同時に算定ができるのです。

委託連携加算の算定要件|厚生労働省が定める基準

指定介護予防支援事業所が利用者に提供する指定介護予防支援を、指定居宅介護支援事業所に委託する際に、当該利用者にかかる必要な情報を、当該指定居宅介護支援事業所における介護予防サービス計画の作成等に協力した場合に算定できると定められています。

委託連携加算は2回目を算定できる?

委託連携加算の算定は原則的に、被保険者1名に対し1回となっています。そのためサイドの加算は基本的にできません。しかし、例外的に算定できる場合もあります。その際の算定は1月に限り1回です。

委託連携加算が再算定できる・できない例

先にも述べましたが、委託連携加算の算定は原則として1回の算定となっています。委託先の指定居宅介護支援事業所を変更した場合などは、再算定が可能となりますが、あくまでも算定要件を満たしていることが前提条件としてあげられます。
また、各自治体によって算定基準が異なるため、自身の自治体の算定条件を確認した方がよいでしょう。

委託連携加算が再算定できる例

委託連携加算の再算定は、ケアマネージャーの移籍により事業所が変更になる場合などで可能です。
しかし、契約の変更をおこなっただけや、担当ケアマネージャーが変わっただけでは算定要件を満たさないため、再算定できません。あくまでもケアマネージャーの移籍により事業所が変更なるなどの場合に再算定はできます。

委託連携加算算定時に契約した委託先(居宅介護支援事業所)が、変更になった場合(ケアマネージャーの移籍)

ケアマネージャーが別の事業所に移籍したとしても、利用者の支援を続ける場合は、居宅介護支援事業所が変更されるため、再算定はできます。その代わり条件として、契約から改めケアプラン等を一連の流れに沿って作成もしくは変更していることがあげられます。

ケアマネージャーは変わらないが、事業所番号(居宅介護支援事業所の運営会社)が変更になった場合

ケアマネージャーの変更はないものの居宅介護支援事業所の事業所番号が変更になった場合、委託連携加算の再算定は可能となります。
理由としては新たな事業所となるため、新たに委託契約が必要となるからです。この場合は契約はもちろんのこと、ケアプラン等を一連の流れに沿って作成もしくは変更していることが条件となります。

利用者の転居により管轄する地域包括支援センターが変更となった場合

利用者の転居により、管轄する地域包括支援センターが変更となる場合も委託連携加算の再算定は可能です。
その理由として変更先の地域包括支援センターと新たに契約を結ぶことがあげられます。この場合においても契約から改め、ケアプラン等を一連の流れに沿って作成もしくは変更することが条件としてあげられます。

委託連携加算が再算定できない例

委託連携加算の再算定は算定できる例もあれば算定できない例もあります。
たとえば同じ居宅介護支援事業所内でケアマネージャーが変更になった場合など、再算定が認められないケースもあります。ここでは再算定が認められないケースをいくつか紹介していきます。

同じ居宅事業所内でケアマネージャーが変更になった場合

同じ居宅事業所内でケアマネージャーが変更になったとしても、居宅介護支援事業所とは契約済みであり、事業所自体の変更ではないため、委託連携加算の再算定はできません。
何故かというと、ケアマネージャーの変更はあるもののケアプラン等の作成の一連の流れが不要のためです。そのため委託連携加算の再算定は出来ません。

要支援から要介護になり、再度要介護から要支援に変更となった場合

要支援から要介護となり、再度要介護から要支援に変更の場合、再算定ができないことがあります。
この場合は要介護認定を受けているときの居宅介護支援事業所のケアマネージャーが、要支援となった時もそのまま引き継いて支援をおこなっている場合、算定要件にある「利用者にかかる必要な情報を居宅介護支援事業所に提供する」という項目が不要であるため、算定が認められません。
また要介護から要支援となる場合、担当ケアマネージャーが継続して支援をおこなうケースが多いため、再算定ができません。

要支援から自立になり、再度要支援認定となった場合

要支援から自立となり、再度要支援となった場合も委託連携加算の再算定はできません。利用者1名につき指定介護予防支援を指定居宅介護支援事業所に委託する初回限りの加算であるため、要支援から自立し再び要支援に認定された場合は初回認定とならないため、再算定はできません。

事業所番号は変わらず、事業所が移転したり事業所の名称が変更になった場合

事業所番号に変更はなく、事業所自体を移転もしくは事業所の名称を変更しただけでは、委託連携加算の再算定は出来ません。
何故なら移転や名称変更だけで事業所番号に変更はないため、事業所自体とは契約済みという扱いになるからです。このため軽微な変更として取り扱い、ケアプラン等の作成や変更など一連の流れでの取り扱いはないため、再算定はできないのです。

委託連携加算の算定イメージ

委託連携加算は算定条件や再算定できる場合もあるなど、複雑な加算となっています。ここでは委託連携加算の算定のイメージ例を、3パターン見ていきましょう。
※緑の色付き部分が加算できる月です。以下の表も同様に緑の色付き部分で算定できます。

①5月から介護予防支援を開始する人について、5月に包括から居宅へ委託する場合

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

 

4月から包括で介護予防支援をおこなっていた人が、10月から居宅へ委託する場合

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

 

③5月から居宅Aに委託していた人が、10月から新たに居宅Bに委託する場合

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

このように基本的には委託連携加算は1回のみの加算となりますが、居宅介護支援事業所の変更などがある場合はそれぞれで算定が可能となります。

委託連携加算を正しく理解してもれなく算定しましょう

委託連携加算は地域包括支援センターのみが算定可能な加算となっており、地域包括支援センターが外部の居宅介護支援事業所に委託しやすくすることを目的としています。算定条件があり1回限りとはいえ、300単位と少なくない加算を得ることができます。
また再算定が可能な例もあるなど、算定可能であればぜひ算定をおこないたいものとなっています。この記事を参考に委託連携加算を多くの地域包括支援センターが算定できることを祈っています。

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