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訪問介護における初回加算とは?単位数や算定要件について徹底解説!

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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介護保険サービスのひとつである訪問介護には、初回加算というものがあります。

これは新しく訪問介護計画を作成する利用者に対して、算定することができる加算です。
とはいっても算定するためには、一定の要件を満たしておかないといけません。

この記事では、訪問介護の加算とはなにか、初回加算を算定するための要件や単位数、おさえておくべき留意点を紹介します。
「初回加算の対象者が分からない」「算定したいけど要件を満たしているのか不安」という方は是非参考にしてください。

訪問介護の加算

訪問介護には「緊急時加算」や「特定事業所加算」など複数の加算があり、それぞれの要件を満たせば基本料金に上乗せして加算を取得できる仕組みになっています。

国は3年に一度介護報酬の改定をおこない、その都度加算が増減したり要件が変わったりなど経営に大きな影響があります。
ですから事業者は常に最新の情報を収集し、変更内容の確認をしておくことが重要です。

加算一覧【訪問介護】令和4年(けあタスケル)では、訪問介護の各種加算の算定要件などについて詳しく紹介しているので、是非参考にしてください。

訪問介護における初回加算とは

サービス提供責任者は、利用者にサービスを提供するために、訪問介護計画を作成しなければなりません。

訪問介護員はその訪問介護計画にもとづいた内容で必要な身体介護、家事援助をおこないます。

サービス提供責任者が訪問介護計画を作成するためには、実際に高齢者の自宅に出向いて面接をおこなったり、サービス内容について説明、契約を行ったりする必要があります。

通常の訪問介護のサービスとは異なり、書類作成や訪問面接など時間を要するため、初回加算はその手間に対しての報酬といえます。

訪問介護の初回加算の単位数

訪問介護の初回加算はひと月単位で設定されています。

訪問介護事業者は、利用者がはじめて訪問介護を利用した月に一度だけ200単位を算定することができます。

事業所が得られる介護報酬を1単位10円で計算した場合、初回加算は2000円となります。

訪問介護の初回加算の算定率

2019年時点の算定率は次のとおりとなっています。

初回加算(事業所ベース)=51.96%
初回加算(回数ベース)=0.21%
初回加算(単位数ベース)=0.14%

参考:厚生労働省

訪問介護の初回加算の対象者

初回加算の算定対象となる利用者は、新しくサービスを提供する利用者だけではありません。

一定期間訪問介護によるサービス提供が休止していた人や、身体状況が変わって要介護度の区分変更があった場合は初回加算の対象となります。

はじめての利用ではないという理由で、要件を満たしているにもかかわらず初回加算を算定しないのはもったいないです。

せっかくの手間を評価する機会を取りこぼさないようにあらためて対象者を確認しましょう。
・新規に訪問介護計画を作成して訪問介護サービスを利用した人
・要介護から要支援に変更もしくは、要支援から要介護に変更になった既存利用者
・過去2ヶ月のあいだ当該訪問介護事業所からサービスを受けていない既存利用者

訪問介護の初回加算の算定要件

初回加算を算定するには、次の二つの要件を満たす必要があります。

・新規又は2ヶ月以上サービス提供がなかったため訪問介護計画を作成した場合
・初回または初回と同月内にサービス提供責任者が自らサービスを提供、もしくは訪問介護員にサービス提供責任者が同行した場合

訪問介護の初回加算の留意点

初回加算を算定する上で、留意すべきポイントが二つあります。

・利用者が複数の訪問介護事業所と契約している場合であっても、初回加算は取得できる
・サービス提供責任者が訪問介護員に同行したことを要件に初回加算を取得する場合は、必ずしも提供時間帯の始めから終わりまで同行している必要はない

訪問介護の初回加算に関するQ&A

訪問介護の初回加算に関するQ&Aをまとめましたので、参考にしてください。

初回加算に利用者の同意は必要?

初回加算を算定する上で利用者の同意は必要不可欠です。

重要事項説明書を作成して初回加算の算定要件や自己負担額などを記載して、分かり易く説明する必要があります。
説明書の最後には利用者が同意した日付と署名、場合によっては代理人や家族の氏名などを記載してもらい、説明から同意までを記録に残しておきましょう。

令和元年に厚生労働省から都道府県の介護保険指導監査担当課長あてに発出された「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」において、訪問介護の実地指導における具体的な指導内容が示されました。
それによると、訪問介護への運営指導は「重要事項説明書」「運営規定」「訪問介護計画」の書面により、サービスの内容や利用料、その他の費用の額について、利用者へ説明、同意、交付が適切におこなわれているかを確認することが明文化されています。

実地指導に向けても必ず上記のことを徹底しましょう。

参考:厚生労働省

初回加算の算定要件にある「新規」の定義は?

初回加算の算定要件には、新規に訪問介護計画を作成した人とあります。

この場合、はじめて当該事業所と契約をしてサービスを利用する人は新規となります。

加えて、今まで利用していた人が、2ヶ月以上サービスを休止したあと、もう一度今まで利用していた当該事業所を利用する場合においても初回加算の算定対象となります。

なぜなら2ヶ月以上訪問介護サービスが提供されていない利用者に対して、心身や環境に変化がないか再調査し、訪問介護計画を再作成する手間は初回利用者と同じ労力が必要となるからです。

また、要支援状態から要介護に悪化した利用者も訪問介護計画の再作成の手間が発生すると考えられ、新規と同じく初回加算を算定することができます。
つまり初回加算における新規の定義とは、「はじめて」という意味と「あらためて」という二つの意味合いがあるといえます。

担当のケアマネジャーが変わる時に初回加算を算定できる?

担当のケアマネジャーが変わったとしても利用者の状態や環境が変わらなければ訪問介護サービスの内容は同じです。

ですから、訪問介護事業所はあらためて訪問介護計画を作成する必要がないので、初回加算の算定はできません。

参考:厚生労働省

まとめ

今や介護サービスの加算は多岐にわたり、それに伴って利用者の事業所の選択肢はより多くなりました。

事業所運営の視点で考えると、様々な加算が算定できるだけの体制を整えることにより、サービスの質が向上し、利用者の獲得が期待できます。

まだ初回加算を算定していない訪問介護事業所は、本記事を参考にして、加算が取得できる体制を整え、サービスの質向上につなげてください。

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

訪問介護の事業者向けに、各種加算と減算の要件や、優先的に取得するべき加算などについて、わかりやすくまとめました。
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