高齢化社会で健康寿命が重要視されている今、何歳になっても自宅で自立した生活を送りたいものです。
そこで、高齢者の在宅生活の強いサポートになるのが訪問介護です。
訪問介護の需要は高く、これからも訪問介護の事業所が増えていくことが予想されます。
今回の記事では、これから訪問介護事務所を開業しようと考えている方にむけて、訪問介護の経営者の年収がどのくらいなのかをご紹介します。
またそれに付随して、訪問介護事業所の開業に必要な資格や条件、設備や人件費などについて詳しく解説します。
「訪問介護で独立したい」
「訪問介護の経営者の年収はいくらぐらいか知りたい」
など、お考えの方はぜひ、最後までお読みいただき参考にしてください。
目次
社会的ニーズの高い訪問介護の仕事を取りまとめる経営者は、大きなやりがいが感じられる仕事です。
介護施設では、施設のトップを施設長や管理者と呼びます。
施設長や管理者を目指した際に仕事の内容に見合った年収がもらえるのかどうか、気になる方は多いでしょう。
次に、訪問介護の経営者の平均年収についてご説明します。
厚生労働省の調査では、管理者を兼務できる常勤のサービス提供責任者(サ責)の平均年収は、約月給32万円、年収で計算すると×12ヶ月で約384万円になります。
賞与額も加算されるため、平均すると400万以上の収入が推定されます。
なお、一般介護職員の場合は正社員でも平均月給は約23万円になり、賞与額を合わせて年収に換算しても、管理者とは150万円以上の差があります。
参考:厚生労働省
訪問介護の仕事の給料について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
訪問介護の給料相場はどのくらい?正社員か非常勤で給与はどう違う?
実際にこれから訪問介護の事業所を開業する際、何を準備したら良いのかが重要になります。
訪問介護の事業所開業に必要な事柄をまとめました。
・訪問介護の事業所を開業に必要な資格
・法人格を取得する
・物件と設備を手配する
・人員を確保する
・物件と設備を手配する
・指定申請を行う
上記のポイントを抑えて、訪問介護開業に向けて、計画を進めていきましょう。
訪問介護事業所を開業して管理者になるには特別な資格は必要ありません。
ですが、介護系の資格を持っておいて損はないでしょう。
特に「介護福祉士・介護福祉士実務者研修」や「ケアマネージャー」の資格はおすすめです。
サ責の資格要件には、介護福祉士や介護福祉士実務者研修などがあり管理者とサ責の業務を兼務できるため、両方の資格を持っていると好都合です。
また、訪問介護事業所ではケアマネージャーと管理者の兼務が認められているため、(居宅介護支援事業所でケアマネージャーを行う場合を除く)資格を持っていると便利です。
もちろん、事業所開業後にスキルアップを目指すことも十分可能です。
介護保険事業の開業には法人であることが必須条件です。
個人で開業できる法人の種類については、次のような方法があります。
・株式会社
・合同会社
・NPO法人
・一般社団法人
また、訪問介護事業所を法人として登記する準備として、定款認証手数料と定款に貼付する収入印紙代がかかります。
さらに、設立登記の際にも登録免許税が必要になります。
株式会社では約30万円、合同会社と一般社団法人では約10万円と登録免許税は法人の形式で異なります。
なお、NPO法人では設立費用はほとんどかかりませんが、手続きに労力を要します。
訪問介護事務所の開業を検討している方は、エリアの利用者獲得や人員配置の難易度など、事前にマーケティングを行いましょう。
また、訪問介護事業所には「事務室」と「相談室」が、必須設備として定められています。
事務室では、訪問介護計画や介護保険の入力業務などに必要な、事務机やパソコン、電話やFAXなどを揃える必要があります。
また、相談業務ができるプライバシーに配慮した相談室を確保しましょう。
さらに、忘れてはいけないのが衛生設備です。訪問介護事務所では衛生用品が大切です。
トイレとは別に、洗濯室または汚物処理室ができる衛生スペースを設けると良いでしょう。
その他、訪問のために自動車を使うことがある場合は、車と駐車場が必要になります。
なお、訪問介護事業所を自宅で開業を考えている方は、各都道府県や市町村によって基準が違うため、確認が必要です。
訪問介護事業所は、一人では開業することはできません。定められた人員を確保することが必要です。
訪問介護を開業するためには「管理者」「サービス提供責任者(サ責)」「訪問介護員」の3つの役割を担う人が求められます。
もしあなたが管理者兼サ責を担う場合は、その他に2人以上の訪問介護員を揃えることが、必要です。
訪問介護を開業する管理者に資格は必須ではありませんが、常勤専従である必要があります。また、サ責や訪問介護員を担当する者は資格が必要です。
なお、常勤のホームヘルパーの人件費は月18〜25万円が相場と言われています。
開業から数ヵ月間の人件費は、あらかじめ用意しておく必要があります。
訪問介護事業所の開設には、都道府県や市区に指定申請書類を提出し、審査を受けなければなりません。
指定を受けていない限り、訪問介護事業を行うことができません。
訪問介護事業者として指定されるためには、法人であることが必須ですが、その他、次の介護保険法で定められた3つの項目を満たす必要があります。
・設備基準
・運営基準
・人員基準
なお、設備・運営・人員の基準については、都道府県や市町村によって、独自の基準を定めている場合もあります。
指定申請書類の様式や要件と合わせて、各基準については開業予定の市町村のホームページで確認しましょう。
こちらの記事で、訪問介護の事業所を開業するためのステップや、開業資金の調達方法について詳しく解説しているので、是非参考にしてください。
【2022年最新】訪問介護で開業する方法を徹底解説!必要資金や流れをご紹介
今回は「訪問介護の経営者に必要な準備とは?気になる年収について!」について説明しました。
訪問介護員の事業所は、法人する必要や介護保険法で定めた設備など準備するものは多くあります。
しかし逆に、事務所一つと必要最低人数の人員配置ができれば、開業できる敷居の低さもあります。
高齢化社会が続いていくなか、仕事のやりがいや年収を考えると、これからも訪問介護の経営者になりたいと考える人は増えてくるでしょう。
現在、訪問介護員の方や今から開業を考えている方は、ぜひ早い内から新しいビジネスチャンスをつかんでください。