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訪問介護計画書の目標はどう立てればいい?短期目標と長期目標の例文を紹介!

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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訪問介護計画書とは、利用者に提供するサービスの内容、サービスの提供手順、提供方法を記載する書類です。

この計画書には目標も明記します。

今回は訪問介護計画書の短期目標・長期目標の内容、それぞれの目標の例文を紹介します。

訪問介護計画書の目標とは

訪問介護計画書はケアプランに基づき、訪問介護事業所のサービス提供責任者が作成する書類です。

本計画書は利用者ごとに作成され、利用者本人・家族に計画内容を説明、同意を得たうえでサービスの提供を開始します。

本計画書では目標も設定し、解決すべき課題に対し、援助する内容を具体的に記載していきます。

設定する目標は「短期目標」「長期目標」に区分して記載しましょう。

                                  参考:岡山県

短期目標

1ヵ月〜3ヵ月程度で達成する目標を記載します。

長期目標を達成するため、どんな行動ができるようになれば良いかを具体的に明記します。

例えば利用者の長期目標を「おしゃれをして百貨店へ買い物に行く」と設定したなら、その目標の達成のため「定期的に外出し、足腰の運動機能を向上させる」と短期目標をたてます。

長期目標

6ヵ月〜1年程度で達成する目標を記載します。

長期目標は利用者の健康状態や判断能力の有無、要介護度を踏まえ、無理な目標は設定しないように心がけましょう。

長期目標の設定後、どんな短期目標をたてるのかについて検討していきます。

訪問介護計画書の目標の例文

短期目標・長期目標ともにケアプラン(介護サービス計画書)と整合した期間、内容を設定し、期間後に目標達成したかどうかも明記します。

事後評価に役立てるため抽象的な目標ではなく、具体的に観察可能な行動・生活状態を記載しましょう。 

参考:厚生労働省

ここでは、介護の様々な場面における短期目標と長期目標の例をご紹介します。  

訪問介護計画書の短期目標の例文

長期目標をたてた後にその目標の達成のため、利用者本人がどんな行動をスムーズにできればよいのかについて記載します。

短期目標では次のような目標設定を行いましょう。

(1)外出・交流

  1. 「介助を受けながら外出することができる」
  2. 「寝たきりを防止し、適度に刺激のある生活を送る」

(2)入浴

  1. 「手の届くところだけは自分で洗うことができる」
  2. 「週〇回以上は入浴し、清潔を保てる」

(3)排泄

  1. 「排泄時、自力でズボンの上げ下げができるようになる」
  2. 「日中だけでもトイレで排泄できるようになる」

(4)食事

  1. 「1日1食ずつでも、栄養バランスの良い食事を摂る」
  2. 「〇〇病に配慮した食生活送る(1日1〇〇〇〇kcal・タンパク質〇〇g以下)」

(5)生活援助

  1. 「介助を受けつつ、コンビニへ買い物に行ける」
  2. 「食べたいものや献立を、アドバイスを受け自分で考えてみる」

(6)調理

  1. 「一部の介助や説明を受けつつ、簡単な調理ができる」
  2. 「簡単な片づけを自分で行うようになる」

(7)洗濯

  1. 「洗濯物を干す、取り込む、たたむ、しまうというの一連の動作の中で、一つだけでも自分でできるようになる」
  2. 「介助を受けつつ、ベッド周りを整理整頓する」

(8)口腔のケア

  1. 「残存機能を活用し介助も受けつつ、義歯の洗浄ができるようになる」
  2. 「口腔洗浄および口腔ケアの体操を行い機能の維持に努める」

(9)整容

  1. 「介助を受けつつ、本人ができるところまでボタンのかけ外しをできるようになる」
  2. 「一部介助を受けつつ、靴下の着脱ができるようになる」

(10)車いす

  1. 「転倒を予防しつつ、トイレへ車いすで移動ができる」
  2. 「1日1回は離床し、車いすで移動後に食堂で食事ができる」

訪問介護計画書の長期目標の例文

ケアプランを踏まえた長期目標をたてます。

ただし、目標達成が難しそうであったり、利用者本人や家族の希望があれば再度の見直しが必要です。

長期目標では次のような目標設定を行いましょう。

(1)外出・交流

  1. 「公共交通機関を使用し一人で外出ができる」
  2. 「生活リズムをつくり、本人がベッドで寝ている時間をなるべく少なくする」

(2)入浴

  1. 「見守りを受けつつ、自分で入浴ができる」
  2. 「定期的な入浴が可能、衣類の交換をし、清潔が保てる」

(3)排泄

  1. 「自分で起居動作、移動ができるようになってトイレで排泄する」
  2. 「失敗できずに1人でトイレで用を足せる」

(4)食事

  1. 「三食きちんと食べ、健康的な毎日を送る」
  2. 「バランスの良い食生活を維持する」

(5)生活援助

  1. 「近くのコンビニまで本人だけで買い物に行ける」
  2. 「買物の心配を無くして、おいしく栄養のある食事を摂れる」

(6)調理

  1. 「畑で取れた食材を使い自分で調理し、おいしく食事を摂る」
  2. 「少しずつ調理や片付けを自分で行える」

(7)洗濯

  1. 「洗濯物を干す、取り込む、たたむ、しまうというの一連の動作が本人だけで可能になる」
  2. 「ベッドの周りを自分で整理整頓する」

(8)口腔のケア

  1. 「自分で義歯の洗浄ができるようになる」
  2. 「口腔ケアの習慣を身に付ける」

(9)整容

  1. 「自分で衣服のボタンのかけ外しができるようになる」
  2. 「自分で靴下の着脱ができるようになる」

(10)車いす

  1. 「車いすでトイレへ移動、排泄の一連の動作を自分で行える」
  2. 「3食の食事は離床し、車いすで移動後に食堂で食事できる」

まとめ

今回は訪問介護計画書における長期目標・短期目標の例を紹介しました。

利用者の要介護状態や健康状態を十分考慮し、本人に合った短期・長期目標やサービス内容を作成すれば、毎日の介護サービスが適切に行われているのか、目標は無理なく達成できるのか等の確認ができます。

本計画書の目標を参考にすれば、介護サービスを受ける利用者は、次の目標を見据えながら生活できます。

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