訪問介護を開業するには、採算がとれる収益モデルを考える必要があります。
そのためにも介護業界のお金の流れをしっかりと把握することは重要です。
今回の記事では、訪問介護の収益モデルにおける3つのポイントと、収益を増やすための3つのポイントについて解説していきます。
目次
訪問介護とは、自宅で介護サービスを受けられる介護事業の一つです。
利用者ができる限り自立した生活を送れるよう配慮されたサービスで、食事や排泄、入浴などの身体介護から、掃除、洗濯、買い物、調理などの生活援助を介護の範囲としています。
参考:厚生労働省
ここでは、訪問介護の収益モデルにおける3つのポイントを解説していきます。
事業者が利用者に介護サービスを提供した場合、報酬全体の内9割~7割が国費で1割~3割が利用者負担となります。
国費でまかなわれる介護サービスの報酬は介護保険法で定められている計算方法を用いるため、事業者の判断で変更することは不可能です。
介護サービスによる報酬が発生した場合、事業所は国民健康保険団体に請求します。
請求内容が問題なければ委託元の市町村へ請求され、事業所に報酬が支払われます。
このように、介護報酬の請求にはいくつかの機関を通す必要があり、審査もあることから、請求から支払いまで約2ヶ月を要します。
一般的な事業とは収益構造が違うので、キャッシュフローに気をつける必要があります。
参考:神奈川県国民保健連合会
介護事業は公定価格を基準に報酬が支払われます。
公的価格は物価水準や賃金などにあわせて定期的に見直しがされ、介護報酬の改定は3年に1度の間隔で行われます。
介護報酬改定については、など詳しく解説している介護報酬改定とは?2021年の改定内容や何年ごとに行われるかなどについて徹底解説!を参考にしてください!
ここでは、訪問介護の収益を増やすための基本的なポイントをご紹介します。
訪問介護の収益を増やすポイントの一つが、加算を積極的に取得することです。
加算とは、質の高い介護サービスを積極的に行うなどの条件を満たしている事業所に対して支払われるものです。
加算を取得することで算定率が上がるので、収益プラスにも繋がります。
訪問介護の収益を考えるのであれば、利用者のリピート率を増やすことも重要です。
リピーターを増やすためには、今現在抱えている利用者に「継続して利用したい」と思ってもらう必要があります。
そこで一人ひとりの希望に見合った介護サービスやケアなど、丁寧な対応が必要となるでしょう。
基本的な介護サービスの質を向上させるなどで、少しずつ事業所の評価を高める必要があります。
リピーターが増えればその分だけ収益の増加につながります。
収益が増えれば設備投資や人員確保ができ、介護サービスの向上にもつながるでしょう。
介護サービスは、公的価格ということもあり各市町村の医療機関などと関わる機会が多いです。
少しでも多くの医療機関や地域包括支援センターに知ってもらうことで、新規の利用者獲得にもつながり収益の増加へと結びつくでしょう。
そのためにも、普段から地域包括センターや医療機関への挨拶をこまめに行い、積極的に関わることを意識すると良いでしょう。
訪問介護の事業所を開設するにはいくつかのステップが必要になります。
当然費用もある程度必要なので、総合して介護の知識をしっかり把握する必要があります。
介護報酬が定期的に改定されるので、開業する年度に合わせて最新の制度や情報などを仕入れておきましょう。
訪問介護の開業についてはこちらの記事で、必要なステップや、知っておくべき基準、資金調達の方法など詳しく解説しているので、是非参考にしてください!
【2022年最新】訪問介護で開業する方法を徹底解説!必要資金や流れをご紹介
高齢化が進行している日本において、介護サービスはなくてはならない存在です。
特に訪問介護は自宅にいながら介護を受けられるので、利用者にとっても安心できるサービスです。
自宅で老後を過ごしたい人が多くなり、需要度が増しているので、収益モデルを考えつつ開業を視野に入れてみてはいかがでしょうか。