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通所リハビリテーションとは?サービス内容や利用方法について解説!

2024-07-11

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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通所リハビリテーションとは、自宅の生活を維持しながら施設に通い、専門的なリハビリを受けられる介護サービスです。主に、在宅生活を送りつつリハビリテーションサービスを受けたい方が利用します。
通所リハビリテーションの利用を考えている方で、通所リハビリテーションの具体的なサービス内容や利用までの流れを知りたい方も多いのではないでしょうか。
本記事では、通所リハビリテーションの具体的なサービス内容や利用方法について詳しく解説します。

通所リハビリテーションとは?

通所リハビリテーションとは、自宅で生活する要介護者の心身機能の回復や維持を図るために介護老人保健施設、病院、診療所で専門的なリハビリテーションが受けられるサービスです。
医師の指示のもと、個人の能力に合わせてリハビリ専門スタッフが機能の維持回復や日常生活訓練を実施します。

通所リハビリテーションの対象者

通所リハビリテーションの対象者は、要支援1〜2または要介護1〜5の要介護認定を受けている方です。多くの方は、要介護認定を受けている65歳以上の方ですが、特定疾病を抱えている40歳以上、65歳未満の方も利用可能です。
特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病のことで、65歳未満であっても、介護保険制度を利用できます。

通所リハビリテーションで受けられるサービス

通所リハビリテーションでは、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能訓練や口腔機能などのリハビリテーションなどのサービスを日帰りで受けられます。リハビリ専門職がリハビリ計画書を作成し、利用者から同意を得ることで、計画に沿ってサービスを実施します。
また、通所リハビリテーションには専任医師が配置されているため、突然の急変や体調不良、けがにも迅速に対応できる点も通所リハビリテーションの特徴です。
通所リハビリテーションに配置されている専門職は以下のとおりです。

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 医師または看護師

通所リハビリテーションを利用する流れ

通所リハビリテーションを利用するためには、要介護認定を受けた上でケアプランを作成する必要があります。
ここでは、通所リハビリテーションを利用する流れについてわかりやすく解説します。

要支援認定もしくは要介護認定を受ける

通所リハビリテーションは介護保険サービスのため、利用するためには要支援認定または要介護認定が必要です。要介護認定を受けるためには、まず住まいの市区町村窓口で申請を行います。申請後、市区町村の職員が自宅を訪問して認定調査を実施。認定審査会を経て要介護度が決定します。
要介護認定の有効期間は、厚生労働省令で定められており、新規の要介護認定の有効期間は原則6ヶ月です。有効期間を過ぎると介護サービスが利用できないため、有効期間満了までに認定の更新申請手続きを行う必要があります。

主治医が作成した診断書・指示書を受け取る

通所リハビリテーションを利用するには、主治医に診断書と指示書の作成依頼をしなければなりません。診断書には、利用者の心身状況や障がいの有無、疾病や負傷の有無などが記載されています。この診断書と指示書をもとに、専門職と連携してリハビリテーションが実施されるため、サービスを受ける上で重要な書類です。
主治医がいない場合は、ケアマネージャーに相談し市区町村が指定する医師の診察を受ける必要があります。

担当ケアマネにケアプランを作成してもらう

担当ケアマネージャーに、ケアプランを作成してもらい、ケアプランの中に通所リハビリテーションが位置付けられたら担当者会議を実施します。担当者会議にて、通所リハビリテーション施設の説明を受け、契約を交わすことで施設を利用できます。

通所リハビリテーションと通所介護の違い

近年、リハビリテーションに力を入れる通所介護が増えてきているため、通所リハビリテーションとの違いがわかりにくいと感じる方も多いでしょう。
通所介護は、日常生活の支援や機能訓練を行い、心身機能維持向上や家族の負担軽減を図ることを目的とした施設です。
また、高齢になると家に引きこもりがちになるため、人とコミュニケーションをとり孤立感を防ぐことも通所介護の役割とされています。
一方、通所リハビリテーションは、心身機能の向上を目指してリハビリテーションを行うことを主な目的とした施設です。

通所リハビリテーションの利用料金

通所リハビリテーションの利用料金は、要介護度によって変わります。その他にも、個別サービスには追加料金がかかったり、食事や日用品は介護保険適用外だったりと細かい規定があります。
ここでは通所リハビリテーションの利用料金について詳しく解説します。

要介護度によって費用は変わる

通所リハビリテーションの利用料金は、要介護度によって変わります。要支援1〜2の方が支払う利用料金は以下のとおりです。

サービス費用の設定

利用者負担(1割)
(1月につき)

共通的サービス

要支援1

2,053円

要支援2

3,999円

選択的サービス

運動器機能向上

225円

栄養改善

200円

口腔機能向上(Ⅰ)

150円

口腔機能向上(Ⅱ)

160円

引用:厚生労働省「通所リハビリテーション(デイケア)

要支援は、共通的サービスに加えて、運動機能向上や栄養改善などの選択的サービスを組み合わせて利用できます。
一方、要介護1〜5の認定を受けた方の利用料金は以下のとおりです。

サービス費用の設定

利用者負担(1割)
(1回につき)

通常規模の事業所の場合
(6時間以上7時間未満)

※通常規模とは1ヵ月の平均利用延べ人数750人以内を指します。

要介護1

710円

要介護2

844円

要介護3

974円

要介護4

1,129円

要介護5

1,281円

引用:厚生労働省「通所リハビリテーション(デイケア)

要介護認定者の場合は、事業所の規模や利用時間によって基本利用料が異なるため注意が必要です。この表では、通常規模の事業所を6時間以上7時間未満で利用した場合の基本料金を記載しています。

入浴介助などの個別サービスは別に追加料金がかかる

通常の介護サービスに加えて入浴介助などの個別サービスは別で追加料金が発生します。個別サービスにかかる追加料金の事例については以下をご参照ください。

サービス

内容

追加料金

入浴介助

洗身、洗髪などの介助
入浴中のご利用者の観察

40円〜60円/1日

栄養改善

栄養が低下している利用者の栄養管理

200円/1日

口腔機能向上

利用者の口腔機能の維持と改善を目指すための口腔機能の個別指導やアドバイス

150円〜160円/1日

栄養改善と口腔機能向上の利用回数は、月2回を限度としています。追加料金は、事業所の規模等によって変わる場合もあります。入浴などのサービスも追加したいと考えている場合は、追加料金が発生することを理解した上で施設に問い合わせるとよいでしょう。
その他、通所リハビリテーションの2024年報酬改定を踏まえた基本報酬や加算についての詳細は、こちらの記事よりご覧いただけます。

関連記事

【2024年介護報酬改定】通所リハビリテーションの改定ポイントまとめ|基本報酬や新設加算を一覧で解説

食費や日用品には介護保険適用されない

食事やおむつなどの日用品は介護保険が適用されません。そのため、ご利用中に使用した日用品や食費は全額自己負担となる点を理解しておきましょう。
おむつなどの日用品は、自宅で利用している物でも持ち込みできるため、自宅用を持ち込むことで費用も抑えられる場合もあります。食事やおむつなどの費用は施設によって価格が異なるため、あらかじめ施設のスタッフやケアマネージャーに確認しておきましょう。

通所リハビリテーションのメリット

通所リハビリテーションは、専門的なリハビリによって心身機能の向上が期待できる、手厚い医療的サービスが受けられる、などのメリットがあります。
ここでは、通所リハビリテーションのメリットについて詳しく解説します。

専門職によるリハビリで心身の回復が見込める

通所リハビリテーションでは、医師と連携して、各専門職が立案するリハビリテーション計画書に基づいた訓練を実施します。
手厚いリハビリテーション訓練を受けられるため、心身機能の回復が見込める可能性は高いでしょう。

医療的ケアサービスを受けられる

通所リハビリテーションは、看護師や医師が配置されているため、突然の急変時や転倒によるけがなどにもすぐ対応できます。
血圧測定や体温などの健康管理も実施するため、ちょっとした体調変化に気づき、早めに対処してくれます。

通所リハビリテーションのデメリット

通所リハビリテーションのデメリットは、利用までに時間がかかることや個別リハビリを受けられない場合もあることです。
ここでは、通所リハビリテーションのデメリットについて詳しく解説します。

利用できるまでに時間がかかる

通所リハビリテーションを利用するには、医師の診断書や指示書などが必要となるため、診断書などを受け取るまでの待ち時間が必要です。
また、施設ごとに定員数が限られているため、入りたい施設に空きがなく、利用を断られる場合もあるでしょう。

常に個別でリハビリを受けられるわけではない

通所リハビリテーションでは、集団リハビリと個別リハビリが並行して実施されます。そのため、常に個別でリハビリできるわけではなく、集団でリハビリを受ける場合もあることを理解しておきましょう。
施設との認識の相違を避けるためにも、事前に個別訓練を受けられる頻度について確認しておくことが大切です。

通所リハビリテーション施設を選ぶときのポイント

通所リハビリテーションの施設を選ぶ際には、職員や施設の雰囲気、施設の設備環境などに着目して施設選びをするとよいでしょう。
ここでは、通所リハビリテーション施設を選ぶときのポイントについて詳しく解説します。

職員や施設の雰囲気

施設を選ぶ際には、職員や施設の雰囲気を確認しましょう。職員や施設の雰囲気が明るければリハビリも楽しく受けられます。
また、人によって施設との相性が異なるため、事前に施設見学等を実施して、対象者が通い続けられる施設なのか見極めましょう。

施設の設備環境

全ての通所リハビリテーションに、適切な設備が整っているわけではありません。そのため、事前に施設の設備環境を確認しておくことも重要です。
また、設備環境だけでなく、施設全体の清潔感なども確認しましょう。

サービス内容

通所リハビリテーションの中でも、施設によって細かいサービス内容が異なります。そのため、事前に確認していなければ、本当に利用したかった支援が受けられないなどのトラブルが発生する場合もあります。
利用者に必要なサービスが提供されているか、事前に確認することも重要です。

通書リハビリテーションなら在宅生活しながら手厚いリハビリを受けられる

通所リハビリテーションを利用することで、専門職によるリハビリテーションを受けながら在宅での生活を継続できます。
通所リハビリテーションは、心身機能の低下を防ぎ、可能な限り在宅で安心した生活を継続するために重要な役割を担う施設です。しかし、施設の雰囲気や提供されるサービス内容は各施設で異なるため、利用者との相性を考えることも重要です。
通所リハビリテーションは、長期的に通う施設でもあります。必ず、事前に見学や体験等を実施して、利用者が快適に通える施設を選ぶことが大切です。

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