介護報酬改定は3年ごとに行われるもので、2021年度にも改定が行われました。
改定内容や今後の考え方によって、これからどういった運営をするかが変わってくるため事業所は詳しく知っておく必要があります。
今回の記事では、2021年度介護報酬改定による5つの柱と基本報酬の改定、加算・減算の改定について詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
訪問介護の事業者向けに、各種加算と減算の要件や、優先的に取得するべき加算などについてまとめました。
<目次>
1.加算とは
2.訪問介護における加算・減算一覧
3.各種要件と解説
4.優先的に取得すべき加算
5.まとめ
そもそも介護報酬改定とは何か詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
介護報酬改定とは?2021年の改定内容や何年ごとに行われるかなどについて徹底解説!
2021年度介護報酬改定では、5つの柱が発表されました。
①感染症や災害への対応力強化
②地域包括ケアシステムの推進
③自立支援・重度化防止の取組の推進
④介護人材の確保・介護現場の革新
⑤制度の安定性・持続可能性の確保
参考:厚生労働省
中でも、感染症や災害への対応力強化は新型コロナウイルスなどの感染症を強化するもので注目すべきポイントです。
残りの4項目に関しては、些細な違いはありますが前回の改定(2018年度)までの内容を引き継ぐ内容です。
改定率は+0.70%と若干の増加でした。
では、5つの柱、それぞれの概要をご紹介します。
新型コロナウイルスが猛威を振るい、各所に影響を与えました。
感染症や災害時でも介護業界が業務を継続させることが可能な体制を構築したものです。
その中で、「介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)」が決定しました。
具体的には、感染症または災害で介護業界における環境が変わっても、介護サービス利用者の生命を守れるよう安定的かつ継続的にサービスを受けられるようにすることが目的です。
万が一、災害が起きたことを想定し、地域との連携を強化することも追加されました。
非常災害対策の訓練を行う際は、地域住民の参加ができるよう努めるという内容です。
また、感染症や災害で介護サービス利用者が減った場合の対応策が示されました。
特に通所介護は、コロナ禍の影響で利用の自粛が広がり、経営が厳しくなる事業所が全国的に見られたためです。
通所介護では、感染症または災害で介護サービス利用者が減っても、安定したサービスを提供するために、2つの特例が認められるようになりました。
1つ目は、前年度から延べ利用者数の実績が5%以上減少した場合、基本報酬を3ヶ月間3%加算できる特例です。
2つ目は、利用者が減少した場合、一つ上の規模区分への変更が可能です。事業所の規模別で定められた報酬区分を変えることが可能となりました。
これら2つの特例は、同時に申請することは不可能です。
介護サービス利用者が、最期まで住み慣れた地域でその人らしい人生を全うできるようサービスを提供する取組です。
内容としては、下記が組み込まれました。
・認知症への対応力向上の強化
・看取り対応の充実
・医療と介護の連携の推進
・在宅サービス、介護保険施設や高齢者の住まいの機能対応強化
・ケアマネジメントの質の向上と公正中立性の確保
・地域の特性に応じたサービスの確保
認知症への対応力を向上させるために、介護現場での認知症ケアの状況を改善させる必要があります。
そのため、無資格者による利用者対応にあたる従事者に認知症介護基礎研修の受講義務づけがされました。
3年の経過措置があり、新入職員の受講は1年間の猶予期間があります。
看取り対応の充実は、今回の改定で看取り系加算の算定期間が延ばされることになりました。
また、施設や居住サービスでは、看取り介護に対する評価が死亡日以前30日前に加え、死亡日以前45日からの区分が設けられました。
他にも、看取り期でサービス実績のないまま死亡した場合でも、居宅介護支援費の算定が可能になりました。
データと質の高い評価を用いて、科学的に効果があるとされた質の高い介護サービスの提供を目的としています。
具体的には、下記の改定がされました。
・リハビリテーション・機能訓練・口腔・栄養の取組の連携・強化、
・介護サービスの質の評価と科学的介護の推進
・寝たきり防止など重度化防止
これまでのリハビリテーションと機能訓練では、計画書を作成し実施、そして見直しをして、成果の有無を問わず算定をおこなっていました。
しかし、今回の改定ではバーセルインデックスによる指標を用い、ADLレベルがどう上がったかを評価することになりました。
また、通所介護の身体的自立を支援するADL維持等加算の対象サービスが拡大しました。
他にも、褥瘡マネジメント加算や排せつ支援加算でアウトカム評価が導入されたことが主な改定です。
介護人材の確保に関する改善は、2009年度改定以降も継続しています。
しかし、介護業界における人手不足の深刻化は変わらない状況です。
コロナ禍を経て、いくらか有効求人倍率は減少しましたが他業界と比較すると高い状態であることは変わりません。
介護人材不足に対応するため、下記の内容が推進されることになりました。
・介護職員の処遇改善や職場環境の改善に向けた取組の推進
・テクノロジーの活用や人員基準・運営基準の緩和を通じた業務効率化・業務負担軽減の推進
・文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進
人員配置の緩和をするため、特別養護老人ホームでは見守り機器の導入による、人員配置緩和を受容する特例が取り入れられました。
また、常勤換算方法と人員配置基準の見直しもされます。
職場環境改善をするため、全ての事業所と施設を対象に従事者へのハラスメント防止の取組みが義務付けられ、離職防止と定着を図ることになりました。
今後も増え続ける介護サービスの利用は増加するため、サービスの効率化を目標に基本報酬の見直しと加算の整理がされることになりました。
サービスを適正化かつ重点化するため、下記が示されました。
・評価の適正化・重点化
・報酬体系の簡素化
2021年度介護報酬改定では、介護職員処遇改善加算の下位区分である(IV)と(V)は、上位区分の算定が進められているため廃止が決まりました。
訪問介護の機能強化を目的に、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問は減算となりました。
さらに医師からの訪問看護指示書の様式も変更され、職種・1日の介入時間・頻度などの詳細記載が決まりました。
また、サービス付き高齢者向け住宅において、利用者を囲い込んで過剰にサービスを使わせる囲い込みを制限する措置が導入されました。
2021年の介護報酬改定についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
令和3年・2021年度介護報酬改定の情報まとめ!注目ポイントは?
2021年度介護報酬改定の基本報酬の改定をご紹介します。
通所介護・地域密着型通所介護・訪問介護の基本報酬の改定は下記の通りです。
2021年度介護報酬改定の通所介護の基本報酬は以下の通りです。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
3〜4時間未満 | 368(364) | 421(417) | 477(472) | 530(525) | 585(579) |
4〜5時間未満 | 386(382) | 442(438) | 500(495) | 557(551) | 614(608) |
5〜6時間未満 | 567(561) | 670(663) | 773(765) | 876(867) | 979(969) |
6〜7時間未満 | 581(575) | 686(679) | 792(784) | 897(888) | 1003(993) |
7〜8時間未満 | 655(648) | 773(765) | 896(887) | 1018(1008) | 1142(1130) |
8〜9時間未満 | 666(659) | 787(779) | 911(902) | 1036(1026) | 1162(1150) |
※括弧内の数字は旧単価
2021年度介護報酬改定の地域密着型通所介護の基本報酬は以下の通りです。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
3〜4時間未満 | 415(409) | 476(469) | 538(530) | 598(589) | 661(651) |
4〜5時間未満 | 435(428) | 499(491) | 564(555) | 627(617) | 693(682) |
5〜6時間未満 | 655(645) | 773(761) | 893(879) | 1010(995) | 1130(1113) |
6〜7時間未満 | 676(666) | 798(786) | 922(908) | 1045(1029) | 1168(1150) |
7〜8時間未満 | 750(739) | 887(873) | 1028(1012) | 1168(1150) | 1308(1288) |
8〜9時間未満 | 780(768) | 922(908) | 1068(1052) | 1216(1197) | 1360(1339) |
※括弧内の数字は旧単価
2021年度介護報酬改定の訪問介護の基本報酬は以下の通りです。
基本報酬 | 現行 | 改定後 | 増減 | |
身体介護 | 20分未満 | 166 | 167 | +1 |
20分以上30分未満 | 249 | 250 | +1 | |
30分以上1時間未満 | 395 | 396 | +1 | |
1時間以上 | 577 | 579 | +2 | |
以降30分増すごとに | +83 | +84 | +1 | |
生活援助 | 20分以上45分未満 | 182 | 183 | +1 |
45分以上 | 224 | 225 | +1 | |
通院等乗降介助 | 98 | 99 | +1 | |
身体介護に引き続き生活援助を行った場合 | 20分から起算して25分を増すごとに | +66 | +67 | +1 |
※括弧内の数字は旧単価
加算と減算に関しては、下記の通り改定が行われました。
通所介護・地域密着型通所介護の加算と減算の改定をご紹介します。
延べ利用者数が減少した月の実績が、前年度の1月あたりの平均利用延べ人員数から5%以上減少の場合、減少月の翌々月から3か月以内、基本報酬の3%相当の単位加算が決定しました。
利用者の自宅での入浴の自立を図るために現行の見直しと個別入浴介助の評価をする区分が新設されました。
入浴介助加算(I)40単位/日(現行は50単位)
・入浴介助を適切に行うことができる人員と設備を有し、入浴介助を行うこと。
・通所介護計画に基づいた入浴介助を行うこと。
入浴介助加算(II)55単位/日新設
・入浴介助を適切に行うことができる人員と設備を有し、入浴介助を行うこと。
・医師や理学療法士、介護福祉士が利用者の居宅を訪問し、浴室における利用者の動作と環境を評価していること。
・浴室が利用者または家族等の介助による入力が難しい環境である場合、訪問した医師等が介護支援専門員・福祉用具専門相談員と連携をおこなった上で、浴室環境改善の助言を行うこと。
・機能訓練指導員や看護職員等は、居宅訪問した医師等と連携し、浴室環境を踏まえた個別入浴計画を作成する。
・入浴計画に基づき、その他利用者の居宅の状況に近い環境で入浴介助を行うこと。
ICTの活用を評価する新たな評価区分の新設です。
外部リハビリテーション専門職等が当該サービス事業所の訪問をしないで、利用者の状態を正しく把握をした上で助言した際、評価されるようになりました。
・訪問または通所リハビリテーションを実施している事業所、医療提供施設※の理学療法士等や医師からの助言を受けられる体制を構築を行うこと。
構築を行った上で、助言を受け、機能訓練指導員等が生活機能の向上を図る個別機能訓練計画を作成等すること。
・理学療法士等や医師は、通所リハビリテーション等のサービス提供もしくはICTを活用した動画等により利用者の状態把握をして助言を行うこと。
※病院に関しては、許可病床数200床未満または当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものに限る。
加算取得をした機能訓練実施状況を踏まえ、これまでの個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)が統合し、人員配置基準等の算定要件の見直しがされるようになりました。
・個別機能訓練加算(Ⅰ)
単位数
イ:56単位/日
ロ:85単位/日
機能訓練指導員の配置
イ:専従1名以上配置(配置時間の定めなし)
ロ:専従1名以上配置(サービス提供時間帯通じて配置)
※イとロの併用算定不可
計画作成
イ・ロ:居宅訪問で把握したニーズと居宅での生活状況を参考にし多職種共同でアセスメントを行った上で個別機能訓練計画を作成。
機能訓練項目
イ・ロ:身体機能及び生活機能の向上を目的とした機能訓練項目を利用者の心身の状況に応じ設定する。
訓練項目は複数種類準備し、選択は利用者の生活意欲が増進されるよう援助する。
訓練の対象者
イ・ロ:5人程度以下の小集団または個別
訓練の実施者
イ・ロ:機能訓練指導員が直接実施
進捗状況の評価
イ・ロ:3ヶ月に1回以上、利用者の居宅を訪問して生活状況を確認する。
利用者または家族に対し、個別機能訓練計画の進捗状況等を説明し、必要であれば個別機能訓練計画の見直し等を行う。
・個別機能訓練加算(Ⅱ)
単位数:20単位/月※(Ⅰ)の算定に加えての算定
(Ⅰ)に加え、個別機能訓練計画等の内容を厚生労働省に提出し、フィードバックを受ける。
その上で、利用者の状態に応じた個別機能訓練計画の作成と計画に基づく個別機能訓練の実施・評価をしサービスの質を管理する。
機能訓練計画書について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
介護報酬改定2021における通所介護の機能訓練計画書について徹底解説!
ADL維持等加算
自立支援や重度化防止の取組を推進するため、算定要件と単位数の見直しが行われました。
ADL維持等加算(Ⅰ)30単位/月
・利用者(評価対象利用期間が6月を超える者)の総数が10人以上であること。
・利用者全員、利用開始月と当該月の翌月から起算し6月目(6月目にサービスの利用がない場合はサービスの利用があった最終月)において、バーセルインデックスを適切に評価できる者がADL値を測定し、測定日が属する月ごとに厚生労働省に提出していること。
・利用開始月の翌月から起算し、6月目の月に測定したADL値から利用開始月に測定したADL値を控除し、初月のADL値や要介護認定の状況等に応じた値を加えて得た値について、利用者等から調整済ADL利得の上位および下位それぞれ1割除いた者を評価対象利用者等とし、評価対象利用者等の調整済ADL利得を平均して得た値が1以上。
ADL維持等加算(Ⅱ)60単位/月
・利用者(評価対象利用期間が6月を超える者)の総数が10人以上であること。
・利用者全員、利用開始月と当該月の翌月から起算し6月目(6月目にサービスの利用がない場合はサービスの利用があった最終月)において、バーセルインデックスを適切に評価できる者がADL値を測定し、測定日が属する月ごとに厚生労働省に提出していること。
・評価対象利用者等の調整済ADL利得を平均して得た値が2以上あること。
認知症加算は、認知症高齢者(日常生活自立度III以上)の受け入れを強化するための体制を評価する加算です。
認知症ケアに関する専門研修を修了した者の配置要件において、日本看護協会認定看護師教育課程の認知症看護研修を終えた者と日本看護協会認定の看護系大学院の老人看護及び精神看護の専門看護師教育課程を修了した看護師も認められるようになりました。
認知症加算は、60単位/月で単位数に変動なしです。
栄養アセスメント加算とは、2021年度介護報酬改定で新設されたものです。
管理栄養士と介護職員等の連携による栄養アセスメントの取組を評価します。
・当該事業所の従業者としてまたは外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。
・利用者ごとに管理栄養士・看護職員・介護職員・生活相談員その他の職種の者が共同して栄養アセスメントを実施していること。
・利用者またはその家族に対し、栄養アセスメントの結果を説明し、相談等に必要に応じること。
・利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、栄養管理をするにあたり、当該情報その他栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。
栄養アセスメント加算は、50単位/月です。
栄養改善加算とは、低栄養状態である利用者又は可能性のある利用者に対し、改善や心身の工場や維持の取組を評価する加算です。
栄養改善が必要な利用者を的確に把握し、適切なサービスを行う観点から算定要件と単位数の見直しがされました。
・栄養改善加算の算定要件は、現行のものと同様。
・栄養改善サービスの提供を行うにあたり、必要に応じ居宅を訪問すること。
栄養改善加算は、200単位/回(現行は150単位)です。
口腔・栄養スクリーニング加算は、介護職員等が利用者の口腔機能低下の重症化等の予防・維持・回復等につなげるため、実施可能な口腔スクリーニングと栄養スクリーニング加算の取組を一体的に評価する加算です。
2021年度介護報酬改定にて新たに新設されました。
口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)20単位/回
・利用開始時及び利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態の確認を行い、当該情報を担当の介護支援専門員に提供していること。
口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)5単位/回
・利用者が栄養改善加算や口腔機能向上加算を算定している場合、口腔の健康状態か栄養状態、どちらかの確認を行い、当該情報を担当の介護支援専門員に提供していること。
口腔機能向上加算は、口腔機能の低下や、おそれのある利用者に対し実施する口腔機能向上の取組を評価する加算です。
・口腔機能向上加算(Ⅰ)150単位/回
・現行の口腔機能向上加算と同様。
・口腔機能向上加算(Ⅱ)160単位/回
・現行の口腔機能向上加算と同様
・利用者の口腔機能改善管理指導計画等の情報を厚生労働省に提出し、口腔機能向上サービスの
実施にあたり、当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施のため必要な情報を活用していること。
サービス提供体制強化加算は、介護サービスの質の向上を目的とし、一定の質を保つ事業所を評価します。
・サービス提供体制強化加算(Ⅰ)22単位/回
下記のいずれかに該当すること。
介護福祉士が70%以上
勤続10年以上の介護福祉士が25%以上
・サービス提供体制強化加算(Ⅱ)18単位/回
介護福祉士が50%以上
・サービス提供体制強化加算(Ⅲ)6単位/回
下記のいずれかに該当すること。
介護福祉士が40%以上
勤続7年以上の者が30%以上
科学的介護推進体制加算は、介護サービス向上の評価と科学的介護の取組を図り、利用者データの提出やフィードバックの活用によるPDCAサイクル推進を行うために新設されました。
・科学的介護推進体制加算40単位/月
・利用者のADL値・栄養状態・口腔機能・認知症の状況とその心身の状況等に係る基本的な情報を厚生労働省に提出していること。
・必要に応じて計画を見直し、サービス提供に当たり、上記の情報その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること。
介護職員処遇改善加算は、介護職員の処遇改善を目的とした環境整備や賃金改善を行う加算です。
2021年の改定では、事業所内の配分ルールが2倍からより高くなるように緩和されました。
また、介護職員処遇改善加算における、取得率が低いとされた区分Ⅳと区分Ⅴが撤廃され、1年間の経過措置を設け、加算区分が5つから3つへ変更されました。
方向性としては、下記が見直されます。
・職員の新規採用や定着促進に資する取組
・キャリアアップに資する取組
・両立支援や多様な働き方の推進に資する取組
・腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取組
・生産性の向上につながる取組
仕事へのやりがい・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継続に資する取組
平均賃金改善額における配分ルールで、その他の職種は、その他の介護職員の1/2を上回らないとするルールを維持し、下記の改定が行われました。
経験・技能のある介護職員は、その他の介護職員より高くすること。
訪問介護の加算と減算の改定をご紹介します。
特定事業所加算は、訪問介護における事業所を適切に評価することを目的に、勤続年数が一定期間以上の職員の割合を要件とする評価区分が新設されました。
質の高い介護サービス提供を実施している事業所を評価するための加算です。
新たに、特定事業所加算(Ⅴ)が新設され、所定単位数の3%を加算します。
認知症専門ケア加算は、認知症ケアに関する専門研修を修了した職員による介護サービスの提供を評価する加算です。
2021年度介護報酬改定では、介護サービスにおける認知症の対応力向上に向けた訪問系サービスである、訪問介護・訪問入浴介護・夜間対応型訪問介護・定期巡回・随時対応型訪問介護看護の加算が新設されました。
単位数は、認知症専門ケア加算(Ⅰ) 3単位/日・認知症専門ケア加算(Ⅱ) 4単位/日です。
生活機能向上連携加算は、事業所職員と外部リハ専門職または医師が連携しアセスメントを行い、計画書を作成した場合を評価するものです。
2021年度介護報酬改定は、ICTの活用により外部リハ専門職等が事業所を訪問せずとも、利用者の状態を把握して助言する場合の区分が新設されました。
介護職員への処遇改善を目的とした介護職員処遇改善加算では、取組の見直しと当該年度における取組の実施の変更がされました。
介護職員処遇改善加算の区分(Ⅳ)と(Ⅴ)は、見直しがされ、1年の経過措置期間を設け廃止されます。
医師が回復の見込みがないと診断した利用者に対し、身体的もしくは精神的苦痛の緩和を目的としたケアを行う事業所に適用されます。
訪問介護に係る2時間ルールを柔軟化し、改定後は、所要時間を合算せずにそれぞれの所定単位数を算定することが可能となりました。
現行では、それぞれの所要時間を合算して報酬を算定していました。
通院等乗降介助で、目的地が複数ある場合も、居宅が始点または終点であれば、目的地間の移送の算定も可能になりました。
2021年度介護報酬改定は、改定率+0.70%と微増ではありましたが、運営基準においても多くの改定が入りました。
また、従来と同様のサービス内容ではマイナス改定でしたので、新設加算や上位区分加算取得をしなければ減収となる可能性があります。
今後も報酬改定のスピードが増すことが予想されるため、これからの流れを知っておくことが大切です。
参考:厚生労働省