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介護職員等ベースアップ等支援加算 厚生労働省通知 ~作成例は?いつから?いくら?~

この記事では、令和4年10月の介護報酬改定の内容である『介護職員等ベースアップ等支援加算』について申請・算定にあたっての注意点をご紹介をして参ります。

介護事業所向け役立ち情報
ベースアップ等支援加算完全理解マニュアル
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介護事業者向けに、ベースアップ等支援加算の取得から運用までをまとめました。
<目次>
1)介護職員等ベースアップ等支援加算とは
2)いくら上がるのか
3)仕組みづくりの前に
4)介護職員処遇改善補助金との違い
5)計画の申請から実績の報告まで
6)Q&A
7)まとめ

 

介護職員等ベースアップ等支援加算とは

介護職員等ベースアップ等支援加算とは、令和4年2月から開始した介護職員処遇改善支援補助金と同様の要件を満たすことで、同年10月以降も継続して取得できる加算であり、『処遇改善加算』『特定処遇改善加算』に続く第三の処遇系加算と呼ばれています。

処遇改善に係る加算全体のイメージ

処遇改善系の加算は、取得することで全産業平均の賃金に近づけることを目的に創設されていますので、取得をしなければ他社はもちろん『全国の平均賃金よりも低い』給与設定しか出来ないという報酬体系になっていることに注意が必要です。

介護職員等ベースアップ等支援加算

令和4年10月以降について臨時の報酬改定が行われ、全体で収入を3%程度(月額平均9,000円相当)引き上げることが決定しました。

いくら上がるのか

事業所あたり常勤換算で1人あたり9,000円という内容になっています。1時間あたり56円程度の増額と見込まれますが(160時間で計算)実際の配分については各法人の裁量により決定されます。

取得条件

①処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを取得していること
②賃上げ効果の継続に資するよう、加算額の2/3は介護職員等のベースアップ等(※)に使用すること

※ 「基本給」又は「決まって毎月支払われる手当」の引上げ

処遇改善の対象者

介護職員及び他の職員

※加算額の2/3は介護職員等に配布したうえで他の職員へ分配することが可能

申請方法

各事業所において、都道府県等に介護職員・その他職員の月額の賃金改善額を記載した計画書(※)を提出。

※月額の賃金改善額の総額(対象とする職員全体の額)の記載を求める(職員個々人の賃金改善額の記載は求めない)

報告方法

各事業所において、都道府県等に賃金改善期間経過後、計画の実績報告書(※)を提出。
※月額の賃金改善額の総額(対象とする職員全体の額)の記載を求める(職員個々人の賃金改善額の記載は求めない)

書式と作成例

令和4年6月に厚生労働省より申請書式の例が出され、事務処理の手順も示されています。

介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算及び介護職員等ベースアップ等支援加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和4年6月21日老発0621第1号)

【書式例】

 PDF別紙1
 Excel別紙様式2(処遇改善計画書)
 Excel別紙様式3(実績報告書)
 Excel別紙様式4(変更に係る届出書)
 Excel別紙様式5(特別な事情に係る届出書)

【作成参考】

処遇改善計画書(令和4年10月分) 記入要領 記入例
処遇改善計画書(令和5年度分) 記入例
実績報告書(令和4年度分) 記入例

算定の注意点

処遇改善補助金との違い

①ご利用者様負担が発生する(補助金にはご利用者様負担がない)

②算定率が変わるサービス事業がある(例えば訪問介護は補助金2.1%→2.4%)

③介護職員処遇改善補助金を取得していた場合は引き続き要件を満たした運用を行わなければいけない

令和4年2月~9月まで支給される介護職員処遇改善補助金には、要件に『同年10月以降も継続して取り組みを実施すること』が定められています。

このため、現在補助金を受けている事業所においては、10月以降も継続して取り組みを実施する必要があり、これが出来なければ要件を満たさず補助金の返還を求められる可能性があることに注意が必要です。

 

スケジュール

令和48月末:ベースアップ等支援加算計画書の提出・ご利用者様の重要事項変更同意書締結開始

※ケアマネージャーへも算定の報告を行いましょう。

令和410月:改善期間開始

令和412月:支払い開始

※処遇改善加算、特定処遇改善加算と同様に改善期間後に実績を提出する

このタイミングで行う事

令和4年8月までに行う事は下記3点です。

①重要事項説明書の再締結・同意書等を使用した説明及び同意

②就業規則の変更及び届出(賃金規定変更を行う場合)

③体制系の加算取得

介護職員等ベースアップ等支援加算は、ご利用者様の負担が発生するため重要事項説明書の再締結や同意書の締結等で改めて変更のご説明を行う必要があります。また、基本給や毎月決まった手当を変更する必要があるため、就業規則の変更を伴う法人が多く存在することにも注意が必要です。

また、料金変更を伴う介護報酬改定時はご利用者様への説明、介護支援専門員への説明が必要になりますので、その他加算の取得についても同時に行う事で納得感が得やすいタイミングだとも言えます。『処遇系加算の取得』『特定事業所加算の取得』ここについても取得を迷われている場合は検討するのが良いでしょう。

・特定事業所加算について知りたい方はこちら
https://caretasukeru.com/1257/

・特定処遇改善加算について知りたい場合はこちら
https://caretasukeru.com/1082/

まとめ

介護報酬体系は介護報酬改定のたびに複雑になり、それぞれの要件を満たすことが非常に困難になってきました。

しかしながらこの『加算』には2040年に向けて介護事業所が備えておくべき体制が要件として掲げられており、これらを満たした運営を行っていくことがこれからの介護業界を担っていく我々事業所には必要です。

算定前には以下のポイントをおさえておくことをお勧めします。

①研修計画:https://caretasukeru.com/387/

②会議:https://caretasukeru.com/376/

③指示報告:https://caretasukeru.com/547/

④健康診断:https://caretasukeru.com/392/


■介護職員等ベースアップ等支援加算に関するまとめ資料はこちらからDL

1)介護職員等ベースアップ等支援加算とは
2)いくら上がるのか
3)仕組みづくりの前に
4)介護職員処遇改善補助金との違い
5)計画の申請から実績の報告まで
6)Q&A

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