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【2024年介護報酬改定】訪問看護の改定ポイントまとめ

【2024年介護報酬改定】訪問看護の改定ポイントまとめ|基本報酬や新設加算を一覧で解説

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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2024年1月22日におこなわれた第239回社会保障審議会・介護給付費分科会により、令和6年度の訪問看護サービスにおける介護報酬改定のポイントが明らかになっています。

本記事では厚生労働省の最新情報を参考に、訪問看護サービスにおける2024年の介護報酬改定についてわかりやすく解説していきます。訪問看護サービスを運営されている方は是非参考にしてください。

訪問看護の基本報酬はわずかにプラスへ

訪問看護サービスにおける基本報酬は以下のように変更される予定で案が出ています。改定の方針としては全サービス形態を通してわずかに引き上げとなっています。

訪問看護の基本報酬

訪問看護ステーション

区分現行の単位数
(単位)
改定後の単位数
(単位)
20分未満313314
30分未満470471
30分以上1時間未満821823
1時間以上1.5時間未満1,1251,128
理学療法士等による訪問293294

※単位は1ヵ月あたり

病院または診療所

区分現行の単位数
(単位)
改定後の単位数
(単位)
20分未満265266
30分未満398399
30分以上1時間未満573574
1時間以上1.5時間未満842844

※単位は1ヵ月あたり

病院または診療所

現行の単位数(単位)改定後の単位数(単位)
2,9542,961

※単位は1回あたり

介護予防訪問看護の基本報酬

訪問看護ステーション

区分現行の単位数
(単位)
改定後の単位数
(単位)
20分未満302303
30分未満450451
30分以上1時間未満792794
1時間以上1.5時間未満1,0871,090
理学療法士等による訪問283284

※単位は1ヵ月あたり

病院または診療所

区分現行の単位数
(単位)
改定後の単位数
(単位)
20分未満255256
30分未満381382
30分以上1時間未満552553
1時間以上1.5時間未満812814

※単位は1ヵ月あたり

訪問看護の改定スケジュールは6月1日施行に後ろ倒し

2024年度の訪問看護における報酬改定は2024年6月1日に施行されます。例年通りの場合4月1日の施行となる予定でしたが、今年は2ヵ月後ろ倒しのスケジュールとなりました。スケジュールが後ろ倒しになった背景には、同タイミングでおこなわれる診療報酬改定との兼ね合いがあります。

診療報酬改定についても改定の施行タイミングは2024年6月1日に後ろ倒しされています。このようなスケジュールになった理由は、診療報酬改定に伴う医療現場の負担軽減が目的です。以前までの診療報酬改定では、改定内容の告示から施行まで期間が短く、現場の業務がひっ迫することで、大きな負担がかかっていた現状がありました。

なお、医療と関係性の薄い介護サービスについては、従来通り2024年4月1日に改定の施行がおこなわれる予定です。

訪問看護における2024年度介護報酬改定の変更点一覧

2024年度の介護報酬改定における訪問看護サービスの変更点は以下の通りです。

専門管理加算の新設

訪問看護において、医療ニーズの高い利用者が増える傾向にあり、より質の高いサービス提供が求められる背景から、専門性の高い看護師によるサービスを評価する加算が新設されました。単位数および算定要件については以下となります。

【単位数】

区分単位数(単位)
専門管理加算250

※単位数は1ヵ月あたり

【算定要件】
以下の要件について、どちらかを満たす場合に加算が可能です。

イ.緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が計画的な管理を行った場合
 <対象>
 ・悪性腫瘍の鎮痛療法又は化学療法を行っている利用者
 ・真皮を越える褥瘡の状態にある利用者
 ・人工肛門又は人工膀胱を造設している者で管理が困難な利用者

 

ロ.特定行為研修を修了した看護師が計画的な管理を行った場合
 <対象>
 ・診療報酬における手順書加算を算定する利用者

初回加算の新たな区分の創設

訪問看護において、要介護者などの円滑な在宅移行を推進する観点から、看護師が退院・退所当日に初回訪問することを評価する加算区分が新設されます。単位数および算定要件については以下となります。

【単位数】

区分現行の単位数
(単位)
改定後の単位数
(単位)
備考

初回加算(Ⅰ)
(新設)

350
初回加算(Ⅱ)300300従来の初回加算

※単位数は1ヵ月あたり

【算定要件】

・初回加算(Ⅰ)

新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、病院、診療所等から退院した日に指定訪問看護事業所の看護師が初回の指定訪問看護を行った場合に所定単位数を加算する。
※初回加算(Ⅱ)を算定している場合は算定不可

・初回加算(Ⅱ)

新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、病院、診療所等から退院した日の翌日以降初回の指定訪問看護を行った場合に所定単位数を加算する。
※初回加算(Ⅰ)を算定している場合は算定不可

初回の指定訪問看護を退院当日におこなうか、それ以外の日におこなうかによって単位数が大きく変わるため、サービス提供をおこなう際は注意が必要といえます。

ターミナルケア加算の見直し

訪問看護等におけるターミナルケアの内容が、医療保険におけるターミ ナルケアと同様であることから、評価の見直しがおこなわれました。改定後の単位数は以下となります。なお、算定要件は現行のものと変更はありません。

区分現行の単位数
(単位)
改定後の単位数
(単位)
ターミナルケア加算2,0002,500

なお、ターミナルケア加算については以下の記事で詳細に解説しているのであわせてご確認ください。

関連記事

【2024年改定対応】ターミナルケア加算とは?単位数や算定要件について徹底解説!

遠隔死亡診断補助加算の新設

診療報酬における対応との整合性を図る観点から、離島などに居住する利用者の死亡診断をおこなう際に看護師が情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行ったケースを評価する加算が新設されました。単位数および算定要件については以下となります。

【単位数】

区分単位数(単位)
遠隔死亡診断補助加算150

※単位数は1回あたり

【算定要件】

情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が、医科診療報酬点数表の区分番号C001の注8*¹に規定する死亡診断加算を算定する利用者*²について、その主治医の指示に基づき、情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った場合は、遠隔死亡診断補助加算として、所定単位数に加算する。

 

*¹:以下の要件を満たしている必要があります
 ア:利用者に対して定期的・計画的な訪問診療を行っていたこと
 イ:正当な理由のために、医師が直接対面での死亡診断等を行うまでに12時間以上を要することが見込まれる状況であること
 ウ:特掲診療料の施設基準等の第四の四の三の三に規定する地域に居住している患者であって、連携する他の保険医療機関において区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料の在宅ターミナルケア加算若しくは「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料又は連携する訪問看護ステーションにおいて訪問看護ターミナルケア療養費を算定していること


*²:厚生労働大臣が定める地域に居住する利用者に限られます

業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入

居宅療養管理指導および特定福祉用具販売を除く全介護サービスにおいて、業務継続計画(BCP)の策定が事実上義務付けられます。施策がおこなわれる目的としては、感染症や災害が発生した場合でも必要な介護サービスを継続的に提供できる体制を構築するためであり、業務継続計画が未策定の場合以下の減算となります。

区分減算率
業務継続計画未実施減算
(施設・居住系サービス)
3%
業務継続計画未実施減算
(その他サービス)
1%

なお、介護事業所における業務継続計画(BCP)の策定については以下の記事で詳細に解説しているのであわせてご確認ください。

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【2024年4月義務化】介護施設のBCP(事業継続計画)策定のポイントや作成手順を徹底解説!

高齢者虐待防止措置未実施減算の新設

居宅療養管理指導および特定福祉用具販売を除く全介護サービスにおいて、利用者の人権擁護および虐待防止を予防する観点から、高齢者虐待防止措置未実施減算が新設されます。単位数および算定要件については以下となります。

【単位数】

区分減算率
高齢者虐待防止措置未実施減算1%

【算定要件】

虐待の発生又はその再発を防止するための以下の措置が講じられていない場合
 ・ 虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等の活用可能)を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること
 ・ 虐待の防止のための指針を整備すること
 ・ 従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること
 ・ 上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと

身体的拘束等の適正化の推進

身体的拘束等の更なる適正化を図る観点から、訪問看護サービスにおいては緊急性を伴う場合以外身体拘束をおこなうことができず、またやむをえず身体拘束をおこなう場合にも、身体拘束の態様や時間、利用者の状況について記録をつけることが義務付けられました。

口腔連携強化加算の新設

訪問看護などの介護サービスにおいて、利用者の口腔の状態を定期的に確認し、必要に応じて歯科医師や医療機関への連携をおこなうことを推し進めることを目的に、口腔連携強化加算が新設されます。単位数は以下となります。

【単位数】

区分単位数(単位)
口腔連携強化加算50

※単位は1回あたり(ただし算定は1ヵ月に1回まで)

テレワークの取扱い

居宅療養管理指導を除く全介護サービスにおいて、今後テレワークについての具体的な考え方が示されることがわかりました。

前提として、個人情報の適切な管理や利用者へ支障が生じないことを踏まえたうえで、今後積極的な導入がおこなわれていく可能性があるといえます。

緊急時訪問看護加算の見直し

訪問看護などの介護サービスにおいて、24時間対応可能な体制を設けることを目的に、緊急時訪問看護加算について新たな区分が設けられます。単位数や算定要件は以下の通りです。

緊急時訪問看護加算(Ⅰ)(新設)

【単位数】

区分現行の単位数
(単位)
改定後の単位数
(単位)
指定訪問看護ステーション600
病院または診療所325
介護看護事業所325

【算定要件】

次に掲げる基準のいずれにも適合すること
 1.利用者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にあること
 2.緊急時訪問における看護業務の負担の軽減に資する十分な業務管理等の体制の整備が行われていること

緊急時訪問看護加算(Ⅱ)(従来の緊急時訪問看護加算)

【単位数】

区分現行の単位数
(単位)
改定後の単位数
(単位)
指定訪問看護ステーション574574
病院または診療所315315
介護看護事業所315315

【算定要件】

利用者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にあること

訪問看護における24時間対応のニーズに対する即応体制の確保

訪問看護サービスにおいて、サービス提供体制が確保されていれば、介護職員以外の職員でも利用者やその家族からの電話連絡を受けられるよう見直しがおこなわれます。確保しなくてはいけないサービス提供体制要件には以下の6つがあります。

ア.看護師等以外の職員が利用者又はその家族等からの電話等による連絡及び相談に対応する際のマニュアルが整備されていること


イ.緊急の訪問看護の必要性の判断を保健師又は看護師が速やかに行える連絡体制及び緊急の訪問看護が可能な体制が整備されていること


ウ.当該訪問看護ステーションの管理者は、連絡相談を担当する看護師等以外の職員の勤務体制及び勤務状況を明らかにすること


エ.看護師等以外の職員は、電話等により連絡及び相談を受けた際に、保健師又は看護師へ報告すること。報告を受けた保健師又は看護師は、当該報告内容等を訪問看護記録書に記録すること


オ.アからエについて、利用者及び家族等に説明し、同意を得ること


カ.指定訪問看護事業者は、連絡相談を担当する看護師等以外の職員に関して都道府県知事に届け出ること

退院時共同指導の指導内容の提供方法の柔軟化

訪問看護サービスにおいて、従来退院時共同指導加算の指導内容は文章による提供が求められていましたが、今回の改正により文章以外の提供が可能となりました。

理学療法士等による訪問看護の評価の見直し

訪問看護サービスに求められる役割に基づくサービス提供をおこなうことを目的に、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(リハビリ職)による訪問が看護職員を上回る場合に減算となります。減算の有無は緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算のいずれかを算定しているかどうかによっても変化し、まとめると以下のようになります。

訪問看護の場合

訪問回数加算*¹を算定している加算*¹を算定していない
介護職員≧リハビリ職8単位減算(新設)
介護職員<リハビリ職8単位減算(新設)8単位減算(新設)

*¹:緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算のいずれか

介護予防訪問看護の場合

訪問回数加算*¹を算定している加算*¹を算定していない
介護職員≧リハビリ職5単位減算*²8単位減算(新設)*³
介護職員<リハビリ職8単位減算(新設)*³8単位減算(新設)*³

*¹:緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算のいずれか
*²:12ヵ月を越えて訪問をおこなう場合
*³:12ヵ月を越えて訪問をおこなう場合は15単位減算(新設)

その他の変更点

その他の変更点として、介護サービス全体を通して、特別地域加算などの対象地域の明確化や見直しなどがおこなわれています。

まとめ|6月1日の報酬改定に備えたいち早い準備をおこないましょう!

令和6年度の介護報酬改定は、診療報酬・障害福祉サービス等報酬改定が同時に発生するトリプル改定となります。そのため、診療報酬改定との兼ね合いを加味して、訪問看護の施行時期は2024年6月に後ろ倒しになる見込みです。

とはいえ、報酬改定の内容が明らかになった今、今のうちから準備を進めておくことが大切といえます。本記事が今後の事業運営の参考になれば幸いです。

お役立ち資料:介護報酬改定に備えたい方に

介護事業所向けに2024年の介護報酬改定に関する情報をまとめました。
2024年の介護報酬改定に向けて、事前に準備をしておきたいという方は、ぜひご一読ください。
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