訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 介護保険法
  3. 算定要件
  4. 【医療保険】複数名訪問看護加算とは?回数制限や算定要件を解説!

【医療保険】複数名訪問看護加算とは?回数制限や算定要件を解説!

2024-07-08

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

詳細プロフィール

続きを読む

 訪問看護ステーションを運営するにあたり、診療報酬改定と介護報酬改定の加算・減算については把握していく必要があります。
2024年度は診療報酬改定の算定料と要件、介護報酬改定の単位数と算定には変更がありませんでした。
この記事では医療保険請求である「複数名訪問看護加算」、「複数名精神科訪問看護加算」、介護保険請求の「複数名訪問加算」について解説をしていきます。
適切な医療保険請求と介護保険請求を行うことは重要なことなので、最後まで読んでいただければ幸いです。

目次

複数名訪問看護加算とは|医療保険の訪問看護で算定可能

医療保険における複数名訪問看護加算は1人で看護を行うことが困難な利用者に対して、同時に複数名で訪問することを評価する加算です。

介護保険は「複数名訪問加算」

複数名訪問加算とは、訪問看護で算定可能な加算になります。
看護師が1人で利用者の看護を行うことが困難な場合、看護師が2名または看護師1名と看護補助者1名で訪問看護を行うことで加算されます。

精神科訪問看護は「複数名精神科訪問看護加算」

複数名精神科訪問看護加算とは、対象となる利用者さんの疾患や基本療養費の種類によって、複数名訪問看護加算と複数名精神科訪問看護加算に分かれます。

複数名訪問看護加算(医療保険)の算定要件

医療保険は、疾患や治療に焦点を当てた保険です。医療保険において複数名訪問看護加算が適用される場合は、複雑な医療ケースに関連があります。
例えば、手術後の合併症の管理や疾患に関する看護ケアで、多くの看護師が連携してケアを提供する場合に適用されます。
以下では算定要件について記載しています。

  1. 厚生労働大臣が定める疾病等の者
  2. 特別管理加算の対象者
  3. 特別訪問看護指示書の対象者
  4. 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる者
  5. 利用者の身体的理由により1人の看護師等による訪問看護が困難と認められる者*
  6. その他利用者の状況等から判断して1から5のいずれかに準ずると認められる者*

 *その他職員の場合に限る

算定を行う際には、利用者または家族からの同意を取得する必要があります。
同意には口頭でも有効ですが、同意が得られた際には記録を残しておくことも大切です。

複数名訪問看護加算の厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)一覧

複数名訪問看護加算は厚生労働大臣が定める以下の疾病でないと加算されません。

  • 末期の悪腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症、脊髄
  • 小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症
  • パーキンソン病関連疾患
  • 多系統萎縮症
  • プリオン病
  • 亜急性硬化性全脳炎
  • ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症症候群
  • 頸髄損傷または人工呼吸器を使用している状態の者

以上が厚生労働大臣により定められた疾病になります。

複数名訪問看護加算の特別管理加算(別表8)対象者一覧

複数名訪問看護加算の特別管理加算を受けるには特定の対象者のみになります。

  • 在宅悪性腫瘍等患者指導管理もしくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者、または気管カニューレもしくは留置カテーテルを使用している状態にあるもの

  • 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理、または在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者

  • 人口肛門または人口膀胱を設置している状態にある者

  • 真皮を越える褥瘡の状態にある者

  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

以上になります。

複数名訪問看護加算の「イロハニ」はだれと同行するかで区分

複数名訪問看護加算は誰と同行するかによっても算定額が変わります。
以下で、区分について記載していますので参考にしてください。

イ:看護職員と他の看護師等(准看護師を除く)

区分

同行人数

算定額

同一建物内

1人、又は2人

4,500円

同一建物内

3人以上

4,000円

複数名訪問看護加算の「看護職員」の定義

訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、准看護師は看護職員と呼ばれます。

ロ:看護職員と他の准看護師

区分

同行人数

算定額

同一建物内

1人、又は2人

3,800円

同一建物内

3人以上

3,400円

ハ:看護職員とその他の職員(厚生労働大臣が定める場合を除く)

区分

同行人数

算定額

同一建物内

1人、又は2人

3,000円

同一建物内

3人以上

2,700円

複数名訪問看護加算の「その他の職員」は看護補助者

看護補助者の資格要件はありません。
介護福祉士や介護職員初任者研修などの資格も不要ですが、秘密保持や医療安全の観点から、訪問看護事業所に雇用されている必要があります。ただし、看護職員を看護補助者として複数名訪問看護加算を算定することはできません。

「厚生労働大臣が定める場合」とは別表7または8に該当する、もしくは特別訪問看護指示書がでている利用者

厚生労働大臣が定める症例の利用者、特別訪問看護指示書の工夫を受けた利用者に対し、必要に応じて1日に2回、または3回以上、指定訪問看護を行った場合は難病等複数回数訪問加算として所定額が加算されます。

ニ:看護職員とその他の職員(厚生労働大臣が定める場合)

区分

同行人数

算定額

同一建物内

1人、又は2人

3,000円

同一建物内

3人以上

2,700円

参照:厚生労働省「別紙2 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」

複数名訪問看護加算の算定は週何回まで?|回数制限について解説【医療保険】

複数名訪問看護加算の算定には回数の制限があります。
表にまとめましたので参考にしてみてください。

同行する職員

回数制限

同一建物

算定額

保健師
助産師
看護師
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士

週1日まで

同一建物内1人

4,500円

同一建物内2人

4,500円

同一建物内3以上

4,500円

准看護師

週1日まで

同一建物内1人

3,800円

同一建物内2人

3,800円

同一建物内3以上

3,400円

看護補助者

週3日まで

同一建物内1人

3,000円

同一建物内2人

3,000円

同一建物内3以上

2,700円

看護補助者

(別に厚生労働大臣が定める場合)

1日に1回

同一建物内1人

3,000円

同一建物内2人

3,000円

同一建物内3以上

2,700円

1日に2回

同一建物内1人

6,000円

同一建物内2人

6,000円

同一建物内3以上

5,400円

1日に3以上

同一建物内1人

10,000円

同一建物内2人

10,000円

同一建物内3以上

9,000円

参照:厚生労働省「別紙2 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」

複数名訪問看護加算区分「イ・ロ」は週1回まで

保健士、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門資格を持つ複数の看護師等で、同時に訪問する場合の訪問は週に1回になります。

複数名訪問看護加算区分「ハ」は週3回まで

看護師と看護補助者が同時に訪問して特別な利用者管理を必要としない場合、週に3回での加算が可能になります。

複数名訪問看護加算を算定する注意点

複数名訪問看護加算の算定には注意しなければいけないことが2点あります。
以下では、その2点について解説をしています。

本人や家族の同意が必要

複数名訪問加算、複数名訪問看護加算、複数名精神科訪問看護加算を算定するには、利用者の家族に対して説明をする必要があります。
家族に対して説明後に同意書に署名いただき、同意が得られたことを訪問看護記録に文書化しておくことが大切です。

ただの同行訪問は算定不可

新たに入社したスタッフの同行や引き継ぎなどで同行をすることがありますが、算定には含まれません。
事業所の都合での複数名での訪問は加算対象には含まれないです。

複数名訪問看護加算に関するよくある質問

複数名訪問看護加算は毎日算定できますか?

複数名訪問看護加算は毎日の算定はできません。
前述でも説明したように週に何回、1日に何回算定できるかは決まっています。

複数名訪問看護加算の算定にあたり、本人や家族の同意書は必須ですか?

複数名訪問看護加算には同意書は必ず必要なものではありません。ただし、口頭で同意を得た場合は記録に残しておかなければなりません。
口頭での同意でも効力はありますが、記録として文書化しておくことでトラブルを避けることができます。可能であれば、同意書をもらうことも念頭に置いておきましょう。

複数名訪問看護加算は複数事業所で算定できますか?

複数の事業所が関わっている場合は同一の日に算定することができません。
週1回や3回などの回数制限がある場合はどちらの事業所で算定するか話し合う必要があります。

まとめ:複数名訪問看護加算は回数制限に注意

複数名訪問看護加算は特別な状況で使われる加算です。同行する職員が変われば週に訪問できる回数にも差が生まれます。事業所の中でも、回数制限を間違えて覚えてしまい、算定に含まれないという事態も少なくありません。
複数名訪問看護加算を正しく理解しておくことは利用者や家族、訪問看護ステーションにとっても重要なことになります。ぜひ、これを機会に覚えておくきっかけになれば幸いです。

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

訪問介護の事業者向けに、各種加算と減算の要件や、優先的に取得するべき加算などについて、わかりやすくまとめました。
詳しく見る

カテゴリ・タグ