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地域包括支援センターとは?担う役割を相談事例を元にわかりやすく解説

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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地域包括支援センターは、高齢者の生活を支えるための重要な施設です。この記事では、地域包括支援センターの役割や利用方法、相談事例を通じて、その機能をくわしく解説します。

地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターは、地域の高齢者が安心して生活できるよう支援するための施設です。高齢者やその家族、支援者が利用できるように設計されています。
具体的には、介護予防や生活支援、権利擁護など、多岐にわたる相談や支援をおこなっています。

相談内容ごとに看護師・社会福祉士・ケアマネジャーが対応

地域包括支援センターには、看護師(保健師)・社会福祉士・主任ケアマネジャーといった専門職が配置されています。それぞれの専門知識を活かして、相談者の状況に応じた適切な支援を提供しています。
それぞれの担当業務と業務内容は以下の通りです。

専門職

担当業務

業務内容

看護師(保健師)

介護予防マネジメント

予防給付
介護予防事業のプラン作成身体状況悪化防止 など

社会福祉士

総合相談支援
権利擁護

各種相談対応
虐待防止・早期発見 など

主任ケアマネジャー

包括的・継続的ケアマネジメント

地域ケア会議の開催
ケアマネジャーの相談・助言
支援困難事例等への指導・助言 など

利用できるのは65歳以上の高齢者か高齢者支援をおこなう人

地域包括支援センターの利用対象は65歳以上の高齢者およびその家族や支援者です。高齢者自身が相談に訪れることもあれば、家族や支援者が高齢者のために相談することも可能です。
例えば、認知症の親を持つ子どもが地域包括支援センターへ相談する、といったことが考えられます。

地域包括支援センターが担う4つの役割

地域包括支援センターには、主に以下の4つの役割があります。それぞれの役割について詳しく見ていきましょう。

1.介護予防ケアマネジメント

介護予防ケアマネジメントでは、高齢者が健康で自立した生活を送れるよう、運動指導や栄養指導、生活習慣の改善などを支援します。
具体的な活動例としては、介護予防ケアプランの作成や介護予防サービスの紹介などをおこない、自立した生活の継続を促します。

2.総合相談支援

総合相談支援では、高齢者やその家族が抱えるさまざまな問題や悩みについて相談に応じ、適切な助言や情報提供をおこないます。
例えば、介護保険の利用方法や福祉サービスの選び方については、よく相談されるテーマのひとつです。相談者の状況に応じて、必要な支援やサービスを案内します。

3.権利擁護

権利擁護では、高齢者が安心して生活できるよう、法的な支援や虐待防止のための相談・支援をおこないます。
具体的には、成年後見制度の利用支援や、虐待の早期発見と対応などがあげられるでしょう。また、高齢者が安心して財産管理や契約手続きをおこなえるようにサポートします。

4.包括的・継続的ケアマネジメント

包括的・継続的ケアマネジメントでは、高齢者が暮らしやすい地域の実現を目指し、地域全体の介護・医療体制について調整をおこないます。
具体的には、ケアプランの作成からサービスの調整、ケアマネジャーへの個別フォローアップなどを幅広く全体的に支援します。

地域包括支援センターへの相談事例

地域包括支援センターでは、以下のような相談事例があります。具体的な事例を通じて、どのような支援が受けられるかを見ていきましょう。

退院後、どのように生活したらよいかわからない

怪我や病気などをきっかけに入院し、退院したものの今まで通りの生活が上手くおこなえないというケースはよくあげられる相談事例のひとつです。とくに、骨折してしまった結果、リハビリ中に家事が上手くおこなえず、周りに頼れる人もいない、といった状況になることもあるでしょう。

病院を退院した後の生活について不安がある場合、地域包括支援センターでどのような支援が受けられるかを相談できます。
例えば、必要な介護サービスについての紹介や、伴って介護保険を申請する場合のアドバイスを受けることが可能です。

気力が低下してきた

高齢になってくると、気力や意欲が低下してきたり、いきなりふさぎこむようになってしまったりといったことがよくあります。このような場合、病気や認知症の予兆になっていることもあり、早い段階からサポートを受けることが大切です。

地域包括支援センターでは、その原因を一緒に探り、改善するためのアドバイスを受けることができます。
例えば、うつ病の可能性がある場合には、医療機関への紹介やカウンセリングの手配をおこないます。また、リハビリテーションや趣味活動、地域コミュニティの紹介など、生活の質を向上させるための支援も提供します。

親の介護をどのようにおこなったらよいかわからない

親の介護について悩んでいる場合、地域包括支援センターで専門的なアドバイスや支援を受けることができます。

例えば、介護保険の申請手続きや、どのような介護サービスを利用すれば良いかについての相談が可能です。また、介護疲れを感じている場合には、話を聞いてもらうだけでも楽になる部分があるでしょう。

地域包括支援センターを利用するメリット

地域包括支援センターを利用することで、以下のようなメリットがあります。

無料で利用できる

地域包括支援センターの利用は無料です。費用を気にせず、気軽に相談することができます。これにより、経済的な負担を感じることなく、必要な支援を受けることができます。

小さな不安をはじめ、なんでも相談できる

どんな小さな不安や悩みでも相談できるため、安心して生活を続けることができます。例えば、日常生活のちょっとした困りごとや、将来の不安についても相談できます。相談内容に応じて、適切な助言や情報提供を受けることができます。

地域包括支援センターを利用するデメリット

一方で、地域包括支援センターには以下のようなデメリットもあります。

直接的な支援はおこなっていない

地域包括支援センター自体は直接的な介護や医療サービスを提供するわけではありません。必要に応じてほかのサービスを紹介する形になります。そのため、具体的な介護や医療が必要な場合には、別途サービスの利用が必要です。

まとめ:老後の生活や親族の介護に悩んだらまずは相談してみよう

地域包括支援センターは、高齢者やその家族が安心して生活できるよう支援するための施設です。老後の生活や親族の介護に悩んだら、まずは地域包括支援センターに相談してみることをおすすめします。無料で利用でき、専門的なサポートを受けることができますので、気軽に相談してみましょう。地域包括支援センターを活用することで、高齢者の生活の質を向上させる一助となることが期待できます。