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会議

特定事業所加算の算定要件を満たす会議の内容・開催方法

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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特定事業所加算の取得に求められる体制要件を満たすには「会議開催」を適切に行うことが必須です。

しかし、実際のところ、多くの事業者様が「会議開催は難しい」と感じています。

中でも
○全社員が集まれない
○会議の内容を決められない
は、多くの事業者様に共通した悩みとしてよく耳にします。

そこで本記事に、これらの悩みの対処法と特定事業所加算申請時に求められる「会議開催」に関する書類をまとめました。

会議開催に関するよくある悩みと解決策

会議に全社員が集まれない場合は複数開催で対応

会議開催に関する悩みで、最も多いのが
『サービスのために1度に集まることが出来ない』
『サービスの調整がつかず、集まりが悪い』
といった、訪問介護事業所ならではの問題です。

ここでご認識いただきたいのが
「会議は、必ずしも1回で全従業員を集める必要はない」
ということです。

主となる開催日を決定し、その日に出席できない職員には、同月内に同様の内容で開催、共有を行うといった場合も、参加したと認められます。

この場合の注意点としては、以下です。

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【会議開催の注意点】
〇会議の参加日時をそれぞれ記録に残すこと
〇議事録は、開催の都度残すこと

※主となる会議が1回、個別に開催・共有したのが3回であれば、4つの議事録が必要です

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また、法人様によっては、WEB会議の導入など、対面以外の方法で実施されているケースもございますので、法人、事業所の状況によって工夫することが必要です。

 

会議の内容を決められない場合は2つのポイントを押さえる

会議議題についての規定はありませんが、会議の目的は以下2つのいずれかである必要があります。

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【定めるべき会議のポイント】

  • 利用者に関する情報、サービス提供にあたっての留意事項の伝達
  • 当該指定訪問介護事業所におけるヘルパー等の技術指導

※どちらか片方で大丈夫です

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特に②については研修とされ混在されやすく、実地指導でも多くの指摘がある項目です。

例えば『ヘルパーの技術向上のために食中毒の研修を行った』という場合は、研修を行ったとみなされ特定事業所加算における会議開催の要件を満たしたと捉えられない場合があります。

特定事業所加算における会議開催は、『あくまで会議』であることから、

〇担当利用者別にご利用者様の抱える疾患からサービスにあたっての注意点を共有する(留意事項の伝達)
〇担当利用者別の住宅環境から、危険のない移乗介助を共有する(技術指導を目的とした会議)

等、研修とはしっかりとすみ分けた議題の設定が必要です。

 

特定事業所加算申請時や実地指導時に確認される会議開催の書類

ここで、特定事業所加算申請や実地指導の時に確認が求められる書類について、確認しておきましょう。

自治体により多少の違いはありますが、体制要件を満たす運用・環境であることを確認するため、主に以下の書類の提出を求められます

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【確認を求められる書類】
○年間の会議予定
○議事録
○実績がある場合は資料、参加表等の実施と全員参加したことが分かる書類

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申請時にも、会議を開催した実績を求められ『開催時の資料と議事録、全職員が参加したことの分かる参加表を提出してください』と言われることがありますので注意が必要です。

申請時に年間の会議予定確認が有る理由は、要件の中で『技術指導を目的とした会議』と明記されていることから、研修として混在して実施してしまっているケースがあるためです。

研修と会議は別々に考え、それぞれの要件を満たす運用を行わなければなりません。

また、実地指導の際には主に以下の4点が確認されることとなります。

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【確認されるポイント】
〇会議目的が利用者に関する情報、サービス提供にあたっての留意事項の伝達、当該指定訪問介護事業所におけるヘルパー等の技術指導になっているか
〇少なくとも月に1回以上開催しているか
〇所属する全従業員が参加しているか
〇会議議事録に会議の詳細が記載されているか

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これらが、書面をもって確認できる運用を行うことが大切です。

最後に、特定事業所加算の体制要件として求められる項目について、確認しておきましょう。

今回は、会議開催についてお伝えしましたが、会議については、以下の「サービスごとの指示・報告」の一部となります。

特定事業所加算の取得には、以下の4項目をクリアする必要がありますので、申請をお考えでしたら、以下の内容をご確認ください。

①個別の研修計画策定・実施

指定訪問介護事業所の全ての訪問介護員等に対し、訪問介護員等ごとに研修計画(個別具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施時期等を定めること)を作成し、当該計画に従い、研修(外部における研修を含む。)を実施又は実施を予定していること。

研修策定のポイントなどについて知りたい方はこちら(←研修記事のリンクを貼る)の記事をご参照ください。

②サービスごとの指示・報告

次に掲げる基準に従い、指定訪問介護が行われていること
〇利用者に関する情報もしくはサービス提供にあたっての留意事項の伝達または当該指定訪問介護事業所におけるヘルパー等の技術指導を目的とした会議を定期的に開催すること。
〇指定訪問介護の提供にあたっては、サービス提供責任者が、当該利用者を担当するヘルパー等に対し、当該利用者に関する情報やサービス提供にあたっての留意事項を文書等の確実な方法により伝達してから開始するとともに、サービス終了後、担当するヘルパー等から適宜報告を受けること。

③健康診断の実施

所属するすべての訪問介護員に対し、健康診断を実施すること。

④緊急時における対応方法の明示

指定居宅サービス等基準第29条第6号に規定する緊急時等における対応方法が利用者に明示されていること。

注意点

特定事業所加算のⅠ~Ⅲの取得には、上記4つの要件を満たす運用を行うことが必要です。

要件を満たした運用とは、『4つの体制要件の運用、実施をしていることが書面で確認できる』状態を指します。

実地指導の際には、口頭ではなく書面をもって実施している実績を確認しますので、書面で実施したことが確認できる状態にしておかなければなりません。

また、申請時には実際に要件を満たした運用を行い、その実績をもって申請を通すという自治体も存在しますので、特定事業所加算の取得を考えている場合は、事前に自治体の申請書類及び、添付資料の確認を行ったほうが円滑な申請のために確実です。

〇書式例と資料請求はこちら:3分で分かる算定要件の項目別ポイント

 

さいごに

新型コロナウイルスの世界的な流行の影響を受け、会議の開催については今まで以上に多様性が求められる事となりました。

昨今のご相談には、『開催方法を対面でなくしたい』『ウェブ会議を導入したい』等の、パソコンを活用した運用方法を検討される法人さんも多くみられます。

法人、事業所ごとに適した運用方法を選び、開催する側も出席する側も、どちらも無理なく実施できる環境をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください!

〇無料相談はこちらから:相談受付フォーム

心よりお待ちしております!

〇加算取得できるかどうかチェックしたい方はこちら
加算獲得チェックシート(特定事業所加算 未取得の方向け)

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返還診断チェックシート(特定事業所加算 取得済みの方向け)

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

特定事業所加算における定期会議の目的や要件、実地指導での指摘事例について、詳しくまとめました。
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