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介護予防運動指導員とは?運動器機能向上加算についても解説!

2023-03-02

介護予防運動指導員とは介護予防のための知識を兼ね備えた資格取得者です。

介護予防運動指導員の資格取得を考えている方の中には、施設で算定できる加算がないか探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。 

この記事では、介護予防運動指導員の概要や機能訓練指導員との違い、運動器機能向上加算について説明します。

介護予防運動指導員とは

介護予防運動指導員とは、介護予防のための専門知識を習得し、要介護状態の予防のために運動指導などを行う存在です。

国家資格ではなく地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが認定する民間資格ですが、老人施設や行政機関、フィットネスクラブなど幅広い活躍の場があります。

同センターによる講習を受け、試験に合格すると介護予防運動指導員になることができます。

介護予防運動指導員の養成講座を受けられるのは以下に該当する方です。

・医師
・歯科医師
・薬剤師
・保健師
・助産師
・看護師
・准看護師
・臨床検査技師
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・社会福祉士
・介護福祉士
・精神保健福祉士
・歯科衛生士
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
・栄養士
・介護支援専門員
・健康運動指導士等
・介護職員基礎研修課程修了者
・訪問介護員2級以上で実務経験2年以上の方
・実務者研修修了者、初任者研修修了者で実務経験2年以上の方
・上記国家資格の養成校等の卒業見込みかつ資格取得見込み者(国家試験受験者)

参考:東京都健康長寿医療センター

介護予防運動指導員の仕事内容

介護予防運動指導員の主な仕事は、高齢者一人ひとりに合った介護予防プログラムを作成し指導を行うことです。 

介護予防にはうつや閉じこもり予防、転倒予防、失禁予防、口腔機能の向上、認知症予防などが含まれ、内容は多岐に渡ります。

介護予防運動指導員はまずそれぞれの高齢者の生活環境やADLを考慮して、専門知識を生かしたプログラムを立案します。

そしてプログラムに従って筋力向上トレーニングや食事や生活習慣へのアドバイスなどを実施し目標達成を目指します。

プログラムの立案から指導は、他のスタッフと連携して行うこともあります。

適宜効果について評価し計画を見直すことも介護予防運動指導員の仕事です。

介護予防運動指導員と機能訓練指導員の違い

介護予防運動指導員は「民間資格を取得した人」を意味し、機能訓練指導員は介護予防のための訓練を行うことのできる「職種」を意味します。 

どちらも介護予防を支援する点では一緒ですが、機能訓練指導員は資格ではなく職種であるのが介護予防運動指導員と異なる点です。

機能訓練指導員は介護保険法で定められており、以下の介護施設では1人以上の配置が義務付けられています。

・通所介護(デイサービス。地域密着型含む)

・短期入所生活介護(ショートステイ。介護予防含む)

・認知症対応型通所介護(認知症デイサービス。介護予防含む)

・特定施設入居者生活介護(介護予防及び地域密着型含む)

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム。地域密着型含む)

引用:厚生労働省

機能訓練指導員の対象となる資格は以下の通りです。

1.理学療法士
2.作業療法士
3.言語聴覚士
4.看護職員
5.柔道整復師
6.あん摩マッサージ指圧師
7.はり師又はきゅう師

このうちはり師、きゅう師は平成30年から新たに追加された資格で、理学療法士など上記1〜6の資格を持っている機能訓練指導員がいる事業所で6ヶ月以上の機能訓練指導の実務経験が必要です。

参考:厚生労働省

運動器機能向上加算とは

運動器機能向上加算とは、利用者の運動器の機能向上を目的とした、機能訓練の実施を評価する加算です。

利用者の心身状態の維持向上が期待できるサービス(運動器機能向上サービス)を提供することで算定されます。

単位数は1ヵ月あたり225単位です。

対象は要支援1と要支援2の方で、要介護認定を受けていると対象になりません。 

実施にあたっては以下のような留意事項が定められています。

・利用開始時に利用者ごとのサービス提供に際するリスク、ニーズ、運動器の機能の状況を把握すること。

・地域包括支援センターなどで作成されたケアプランに適した、3ヶ月程度で達成可能な長期目標と、1か月程度で達成可能な短期目標を機能訓練指導員が設定すること。

・目標を踏まえ多職種で共同して利用者ごとに運動器機能向上計画を作成すること。実施期間は3ヶ月程度とし計画は利用者に説明し、同意を得る必要がある。(通所型サービスでは通所型サービス計画の中に記載することも可能。)

・計画に基づき文献等などで介護予防の有効性が確認されている運動器機能向上サービスを利用者ごとに提供する。また実施上の問題点があればただちに計画を修正すること。

・短期目標に応じて1ヶ月ごとに目標の達成度と運動器機能の状況のモニタリングを行い、必要時計画の修正を行うこと。

・実施期間終了後に長期目標の達成度と運動器機能の状況についてアセスメントし、結果を地域包括支援センターなどに報告すること。運動器機能向上サービスの継続が必要であるとの判断される場合、上記の流れで継続的にサービスを提供する。

参考:厚生労働省

運動器機能向上加算は機能訓練指導員の配置が必要

運動器機能向上加算を算定する場合、機能訓練指導員を1人以上配置する必要があります。

記事の前半でご紹介した民間資格の取得者である介護予防運動指導員では、運動器機能向上加算を算定することはできません。

運動器機能向上加算の配置要件は以下のように定められています。 

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサ ージ指圧師、はり師又はきゅう師(はり師及びきゅう師については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6ヶ月以上機能訓練指導に従事した経験を有する者に限る)を1名以上配置すること。

参考:厚生労働省

介護予防運動指導員も介護予防のための知識を持っていますが、運動器機能向上加算の算定においては対象外となっているのです。 

まとめ

介護予防運動指導員は民間の資格取得者で、機能訓練指導員は介護予防のための訓練を行う職種を意味します。 

運動器機能向上加算は要支援の方に対して行う運動器の機能向上訓練を評価する加算です。

運動器機能向上加算を算定するためには、機能訓練指導員を配置することが必要であると定められています。

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