訪問介護ではヘルパーが作業する時間が区分ごとに決められています。
高齢者が自宅でどんな助けが必要で、ヘルパーが何をどのように行ったら良いかケアマネジャーが判断して、時間区分を指定します。
今回は時間区分や料金について解説します。
目次
訪問介護には大きく分けて身体介護と生活援助の2つのサービスが用意されています。時間区分ごとに単位数が決められており、介護報酬が算定できる仕組みとなっています。
訪問介護では時間区分ごとに単位数が決まっています。身体介護と生活援助に分けて見てみましょう。
身体介護は主に体に触れて介護するサービスです。例えば入浴介助、排泄介助、移動介助などが含まれます。デイサービスの送り出し介助や受け入れ介助も身体介護です。
高齢者が糖尿病などで特別な食事が必要な場合の調理も身体介護として算定できます。また、高齢者と一緒に調理したり掃除したりする介助も身体介護に含まれます。
時間 | 単位数 | 料金 | 自己負担額 | |
身体01 | 20分未満 | 167 | 1,670 | 167 |
身体1 | 20分以上30分未満 | 250 | 2,500 | 250 |
身体2 | 30分以上1時間未満 | 396 | 3,960 | 396 |
身体3 | 1時間以上1時間半未満 | 579 | 5,790 | 579 |
身体4 | 1時間半以上2時間未満 | 663 | 6,630 | 663 |
※1単位を10円として計算。地域により1単位の単価は異なる。
参考:厚生労働省
生活援助とは高齢者の代わりに家事を代行する介護です。
病気の後遺症で麻痺があるため家事ができないという場合や、膝や腰に痛みがありかがめないという人に代わって家事を行います。
高齢者に同居する家族がいる場合は、同居する家族が家事を代行できるので、ヘルパーが生活援助をおこなうことができないので注意が必要です。
時間 | 単位数 | 料金 | 自己負担額 | |
生活2 | 45分未満 | 183 | 1,830 | 183 |
生活3 | 45分以上 | 225 | 2,250 | 225 |
生活援助3は45分以上というサービスなので、時間が事業所によって異なります。50分と決めている事業所もあれば、60分という事業所もあります。50分も60分も単位数は225なので自己負担額は同じです。
身体介護と生活援助を同時におこなうサービスもあります。例えば、排泄介助後に簡単な食事を提供する、調理を行った後に食事介助をおこなうなどです。
身体介護と生活援助を一緒におこなう時間区分も用意されているので、必要に応じて使用します。
時間 | 単位数 | 料金 | 自己負担額 | |
身体1生活1 | 身体介護20分以上30分未満に引き続き生活援助20分以上45分未満 | 317 | 3,170 | 317 |
身体1生活2 | 身体介護30分以上1時間未満に引き続き生活援45分以上70分未満 | 384 | 3,840 | 384 |
身体1生活3 | 身体介護30分以上1時間未満に引き続き生活援70分以上 | 451 | 4,510 | 451 |
身体2生活1 | 1時間半以上2時間未満に引き続き生活援助20分以上45分未満 | 463 | 4,630 | 463 |
身体2生活2 | 1時間半以上2時間未満に引き続き生活援45分以上70分未満 | 530 | 5,300 | 530 |
厚生労働省の資料には
概ね2時間未満の間隔で指定訪問介護が行われた場合には、それぞれの所要時間を合算する
とあります。例えば身体1の30分を提供後の2時間以内にもう一度、身体1の30分を提供すると時間が合算され、60分のサービスとなり身体2になります。
身体1が2回だと500単位となりますが身体2だと396単位となり、104単位がマイナスになってしまいます。2時間ルールを守ることで合算を避け、事業所は正当な報酬を受けることができます。
引用:厚生労働省
訪問介護はサービスごとに時間区分が設定されており、時間区分ごとに単位数が定められていました。時間区分も身体介護と生活援助では長さが異なります。
また、身体と生活が合わさったサービスも設定されていました。ケアマネジャーは時間区分にあったサービスを計画することで、高齢者が自宅での生活が継続できるように支援します。