訪問介護計画書は、訪問介護のサービスの内容や提供方法などを記載した書類です。
訪問介護計画書をケアマネージャーに提出するよう求められても、事業所に提出の義務はありません。
計画書に関する現行の決まりと、提出しないデメリットなどを解説します。
目次
訪問介護計画書とは、訪問介護事業者が利用者に提供するサービスの内容や方法を記載した書類です。
ケアマネジャーが作成した居宅サービス計画書(ケアプラン)に基づいて、訪問介護事業所のサービス提供責任者が作成することが義務づけられています。
サービス提供責任者は利用者についてアセスメントを行い、ニーズを特定した上で訪問介護計画書を作成します。
計画書が完成したら利用者や家族に説明し、同意を得ることで訪問介護のサービスを提供開始できます。
訪問介護計画書は訪問介護を提供する上で必要なことが広く記載されており、大切な役割をもった書類なのです。
参考:厚生労働省
訪問介護計画書についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
介護事業所が訪問介護計画書をケアマネージャーに提出することは義務ではありません。
ただし、ケアマネージャーが提出を求めることは義務付けられています。
ケアマネージャーと事業所の立場で、計画書の提出に関して詳しくみていきましょう。
ケアマネージャーは、事業者に対して訪問介護計画書の提出を求めることが義務付けられています。
ケアマネージャーが義務付けられている、訪問介護計画書に関する行為は以下の通りです。
ケアマネージャーは、利用者がケアプランと整合性のとれた介護を受けられるように各サービスを調節、確認する役割を担っています。
参考:厚生労働省
参考:厚生労働省
一方、介護事業所が訪問介護計画書をケアマネージャーに提出することを義務付ける決まりはありません。
ケアマネージャーが訪問介護計画書の提出を求めるのは義務ですが、現状ではその求めに応じるかを定めた条文はありませんが、『連携を取ること』が定められています。。
訪問介護計画書をケアマネージャーに渡さないことで、ケアマネージャーとの信頼関係や内容変更時の連携で不都合が生じるおそれがあります。
計画書をケアマネージャーに渡さないデメリットについて、詳しくみていきましょう。
訪問介護計画書をケアマネージャーに渡さないことは、ケアマネージャーとの信頼関係に影響を及ぼしかねません。
ケアマネージャーは訪問介護計画書の提出を求める義務がありますが、事業所はその求めを断ることができます。
事業所が計画書を作成していなかったり、ケアプランに基づいたサービスが行われていないのではないかと思われてしまう恐れがあります。
ケアマネージャーの役割はケアプランの作成だけなく利用者の状況を全般的に把握し、各サービスとの連絡や調整を行うことです。
訪問介護計画書を提出しないことでケアマネージャーの業務に支障をきたし、信頼関係が築けない原因にもなります。
また、訪問介護計画書の内容を変更するときに関係各所と適切な連携がとれないおそれもあります。
計画書を提出していなければケアマネージャーは訪問介護の内容を把握できません。
したがってケアマネージャーに訪問介護の内容変更や相談をしようと思っても、対応することが難しくなってしまうのです。
また、計画書の変更時に利用者がほかに利用しているサービスも変更する必要が生じるかもしれません。
連絡や調整を行うのはケアマネージャーの役割ですが、訪問介護のサービス内容を把握していないと適切な連携をとることは難しくなります。
ケアマネージャーが訪問介護計画書を把握していないことで、他のサービスなどとの連携も滞ってしまうのです。
訪問介護計画書のケアマネージャーへの提出は義務ではありませんが、提出するようにしましょう。
訪問介護計画書を作成することはサービス提供責任者の義務です。
計画書は必ず作成し、ケアマネージャーに提出しない正当な理由がなければできる限り提出しましょう。
計画書をケアマネージャーに提出することで、利用者へのスムーズかつ必要な機関と連携したサービスの提供にも繋がります。
ケアマネージャーは訪問介護計画書の提出を求めることが義務ですが、その求めに応じるかどうかは事業所が判断できます。
しかし計画書を提出しないとケアマネージャーとの信頼関係や関係機関との連携に支障をきたすおそれがあります。
特別な理由がない限り、訪問介護計画書はケアマネージャーに提出しましょう。