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訪問介護計画書の作成方法まとめ!書き方・目的・注意点は?

訪問介護計画書の作成を検討しているが、何から始めればいいのか分からないという人はいらっしゃいませんか?

今回は、訪問介護計画書とは何か、作成する目的や注意点などを交えお伝えしていきます。

また、訪問介護計画書の作成手順や書き方、具体的な記入例も解説します。

訪問介護計画書の作成が必要な人は必読の内容です。

訪問介護計画書とは

訪問介護計画書とは、サービス利用者のニーズや目標をまとめ、家庭環境下で介護事業者から受けるサービスの概要を記した文書です。

利用者の基本情報や総合的な援助方針が記載されている居宅サービス計画書(ケアプラン)でサービス全体を把握し、訪問介護ではどのくらいの期間、どのような方法で、どんな支援を何回行うかなどを具体的に記載します。

訪問介護計画書を作成する目的

訪問介護計画書は、これから始まるサービスが利用者自身の自立のための支援であることを利用者やその家族に確認してもらうとともに、担当ヘルパーにもその意味を理解してもらうことを目的として作成します。

サービス提供責任者が作成

訪問介護計画書の作成にあたっては、平成11年3月31日付け厚生労働省令第37の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準において以下のように定められています。

第二十四条 サービス提供責任者(第五条第二項に規定するサービス提供責任者をいう。以下この条及び第二十八条において同じ。)は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、指定訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービス内容等を記載した訪問介護計画書を作成しなければならない。

引用:厚生労働省

訪問介護計画書を作成するサービス提供責任者とは、利用者の在宅生活を支援する上で重要な役割を担う訪問介護において、利用者の自立支援や重度化を防止する視点に立ち、より良いサービス提供に責任を持つ人のことをいいます。

サービス提供責任者は、利用者40名に対して1名の配置が必須です。

アセスメントや計画の立案、担当ヘルパーの指導育成や多職種連携、担当者会議への出席や家族支援、実際の支援の提供など、業務は多岐にわたります。

訪問介護計画書を作成する際にあたっての注意点

訪問介護計画書は、すでにケアマネジャーによって居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成することを前提としています。

その上で、以下の3点に注意しましょう。

①サービスごとの所要時間の見積もりを明確に

いつ、誰が、何をするのか、担当ヘルパーがどのような支援をするのかなどを踏まえながら、サービス提供にかかる時間を明確にします。

サービス提供時間が標準よりもかかる場合や、サービスを提供する方法で注意点がある場合は、留意事項に記載します。

訪問介護でできる範囲や利用者個々の生活のルールなどを記載することで、利用者と担当ヘルパーの両者にとってより良い関係構築につながります。

②利用者に適したものであるか

利用者本人のできることと実際に行っていることに違いがないか、どう支援したら利用者の能力を最大限に活用できるかを考慮します。

また、支援する環境が必ずしも整っている場合ばかりではないため、利用者だけでなく、生活環境や暮らし方なども把握することが重要です。

どんなところを観察するのか、自立支援として評価すべき視点はどういったところなのかを記載することで、利用者や担当ヘルパーが何のためのサービスかを意識することにつながります。

③記載漏れ・誤字脱字がないか

訪問介護計画書の内容については、利用者やその家族に対して説明し、利用者の同意を得る必要があるため、読みやすく誤字脱字がないかチェックします。

また、利用者情報をはじめ日常生活全般の状況や援助内容など、記載する項目が多いため、記載漏れがないように注意します。

専門用語や敬語などを多用すると理解しにくい文章になってしまうため、誰が読んでも分かりやすい内容を心がけましょう。

訪問介護計画書の作成手順

訪問介護計画書は、以下の手順に従って作成していきます。

アセスメント

サービス提供責任者は、担当ヘルパーが訪問してサービスを提供する際の目的及び提供方法を具体的に取り決める必要があるため、利用者の身体及び生活の状況といった情報を把握するアセスメントを行います。

アセスメントを行う際は、利用者の要求とニーズを区別し、表面に現れている以外のニーズを把握した上で、全体の状況を捉え、利用者の隠れた可能性を発見することに努めましょう。

ニーズの特定

利用者の考えや価値観を尊重したサービスを提供するためには、利用者の生活スタイルに合わせたニーズの特定を行うことが重要です。

利用者やその家族の要望は何か、要望する理由は何なのか、その原因はどんなところにあるかなどを把握、整理しましょう。

ニーズを特定する際は、利用者のできない部分よりも意欲と可能性に焦点を当て、利用者が持っている生活を切り回していく力を重視します。

作成

ケアマネジャーとは別に改めてアセスメントを行い、利用者の生活スタイルに適合したニーズを特定した後に、訪問介護計画書を作成します。

訪問介護計画書に盛り込む内容は、以下の項目で詳しく解説していきます。

参考:​​岡山県

訪問介護計画書の書き方

訪問介護計画書を書く際は、すべての項目について、利用者やその家族、担当ヘルパーの各人が見て理解できるよう、分かりやすい表現で記載することが求められます。

計画書の作成者・作成月日

いつ、誰が、どのような計画を作成したのかを明確にすることが重要です。

明確でなければ、いつ、どのような援助目標を立てたのかが分からず、介護計画を実行後のスキームの可否や援助目標の達成などの評価に影響を与えてしまいます。

本人及び家族の希望

利用者や家族のニーズや要望を、個人の意見や考え方に沿って的確に把握する必要があります。

あくまで利用者が主役であり、利用者が自身の介護に対する意思決定に責任を持つという視点が重要です。

援助目標(長期目標・短期目標)

利用者が担当ヘルパーの存在理由を理解することは必須ですが、実際に訪問する担当ヘルパーも理解してもらうことが重要です。

その際「現在〇〇の状態なので、△△を目指します」というように、現在の状態だけではなく、求める結果を含めて具体的に記載することが有効です。

週間予定表

いつ、どんな内容のサービス提供を行うかが一目で分かるように記載します。

サービス区分とサービス内容

サービス区分は、身体介護や生活援助、通院等乗降介助の区分を記載します。

また、サービス準備及び記録、排泄や食事、入浴及び清拭、通院介助や整容、掃除や洗濯、調理や買い物といったサービスの種類も記します。

サービス内容は、サービス区分に応じたサービス内容を記載します。

具体的には、区分が身体介護の排泄介助である場合、トイレの利用、ポータブルトイレの利用、おむつの交換のいずれかであることを記します。

また、身体介護で見守り的な支援を行う場合は、自立支援の部分と利用者自身が行う部分、一緒に行うことなどをしっかりと記しましょう。

留意事項

利用者やその家族の様子を見て、何を留意点として記載するべきかを見極めましょう。

サービス提供に関する評価

サービス提供の成果を検証することで、その成果が援助目標に合致しているか否かを判断します。

サービス提供の前後で、利用者の状況や心理的・身体的状態を評価し、その区分を記しましょう。

一定期間ごと、また利用者の状態やニーズに変化があった際には、サービス提供に関する評価を行う必要があります。

サービスを提供する事業所や担当ヘルパーにとっても、個別ケアの目標が達成できているかを客観的に評価することは、ケアの専門性を高めることにつながります。

利用者やその家族への説明及び同意と交付

説明者の氏名は、説明を終えた時点でその場で記載しましょう。

また、利用者やその家族に明確な説明を行い同意を得ることが必要で、同意を確認するため利用者に署名してもらうことが重要です。

訪問介護計画書は、サービス契約書のようなものですので、利用者と一緒に作り上げることを心がけましょう。

参考:​​岡山県

 

訪問介護計画書の記入

訪問介護計画書は、ケアマネジャーが作成した居宅サービス計画書(ケアプラン)をもとに、訪問介護サービスの該当する内容を転記します。

こちらでは、解決すべき課題や利用者本人及び家族の希望、援助目標(長期目標・短期目標)に記載する具体例を紹介します。

解決すべき課題

利用者が何を解決すべきかを考えて、それを課題とします。

・歩行が難しいので一人で外出することができない

・家事を一人で行うことができない

・一人でトイレへ行くことに不安がある

利用者本人及び家族の希望

利用者やその家族の希望をありのまま記載します。

<利用者本人の希望>

・以前のように釣りをしたい

・家族に負担をかけたくない

・トイレは独力で行いたい

<家族>

・怪我なく安全に暮らしてほしい

・少し休む時間が欲しい

・プロのサポートの元安心して外出してほしい

援助目標

解決すべき課題に対して、どのような内容で援助を行うのかを長期と短期の目標に分けて

記載します。

<長期目標>

・転倒しないで生活できるようになる

・楽しく食事をできるようにする

・健康的に生活する

<短期目標>

・手すりの設置や運動など転倒しないための環境を整備する

・誤嚥しにくい食べ物などからスタートしてみる

・家族やヘルパーなど周囲の人が本人の異変に気がつけるようにする

まとめ 

今回は、訪問介護計画書とは何か、作成する目的や注意点などを交えお伝えしてきました。

訪問介護計画書は、訪問介護の担当部分について具体的に示した計画です。

住み慣れた自宅で、利用者の状態に応じて自立支援できるよう、アセスメントを行ってニーズの把握し、利用者及びその家族に合わせた介護計画書を立案しましょう。

お役立ち資料:運営指導対策にお悩みの方に

訪問介護事業所向けに、訪問介護計画書の作成のポイントや指導指摘事例について、わかりやすくまとめました。
運営指導対策に向けて、訪問介護計画書の見直しをしたい方はぜひご利用ください。
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