訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 事業運営
  3. 運営指導(実地指導)
  4. 実地指導とは?運営指導とは?監査との違いや注意点を解説

実地指導とは?運営指導とは?監査との違いや注意点を解説

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

詳細プロフィール

続きを読む

介護保険施設等に対する指導については、これまで自治体や担当者により指導の内容が異なるといった事がありました。適正な制度運用を図る観点から特にその実施方法の標準化や効率的な実施が求められていました。

令和2年に指導の標準化・効率化の実現を図り、適切な指導を行うための参考となるよう、介護保険施設等指導指針の内容を補完するものとして「介護保険施設等運営指導マニュアル」が作成され、具体的な指導の実施方法等について示されることとなりました。

指導の目的

行政による指導の目的は、『サービスの質の確保と保険給付の適正化』です。

介護保険施設等には法令等遵守のための業務管理体制を構築する義務があり、自ら法令等を遵守する責任があります。これに対し、行政は、介護保険施設等が適正な運営を行っていくために『支援』を行う事が義務付けられ、この支援の中に『指導』が含まれています。

指導は行政指導

行政指導は、処分を目的としてものではなく、あくまで私たち介護保険施設等の任意の協力によってのみ実現されるもので強制力はありません。

ただし、介護保険施設等に運営基準違反や介護報酬の不正請求等が認められる場合や、このおそれがある場合は、監査が行なわれ違反等の有無を確認されたうえで、運営基準違反や介護報酬の不正請求等が認められる場合は、勧告又は指定取消等の行政処分が行われます。

指導の方法

指導の方法には、集団指導と運営指導とがあり、いずれも私たち介護保険施設等の適正な運営の確保のために行われる支援、育成の観点から行われるものです。

【集団指導】

全ての介護保険施設を対象に、年に1回以上正確な情報の伝達・共有による不正等の行為の未然防止を目的に実施されています。都道府県又は市町村が主体となり実施するもので、都道府県又は市町村の単独での実施や、他自治体との合同実施も可能とされています。

実施方法は一堂に集まって実施する場合もありますが、新型コロナウイルスの流行以降オンラインを用いて実施する行政が増えてきています。

オンラインで参加する場合は、参加したことが分かるよう報告書の提出が求められることがほとんどで、これを提出することをもって参加の有無が確認され、参加していない場合は運営指導の対象とされることが有りますので注意しましょう。

【運営指導】

介護保険施設等ごとに、介護サービスの質、運営体制、介護報酬請求の実施状況等の確認のため、原則、実地に行われるものです。また、実地指導は運営指導の以前の名称であり、行政により『実地検査』等と名称が異なっていることがありました。

運営指導は、自治体単独で行う一般指導という形と、厚生労働省及び都道府県又は市町村、都道府県及び市町村が合同で行う合同指導という形があります。

一般指導は、法第23条又は法第24条に基づき、当該介護保険施設等に対し自治体単独で実施頻度や個別事由を勘案し、毎年度、計画的に実施するものです。
一方、合同指導については、厚生労働省が都道府県又は市町村と合同指導を行う場合は、法第197条第2項に基づく報告徴収等と併せて実施することとされており、厚生労働省が都道府県又は市町村と調整し計画して実施されます。

運営指導は、原則、介護保険施設等の関係者から関係書類等を基に説明を求める面談方式で行われますが、運営指導は実地に行うことを想定していますが、施設・設備や利用者の状況以外の実地でなくても確認できる内容の確認については、情報セキュリティの確保を前提としてオンライン等を活用することが可能とされています。

令和4年度の運営指導では、東京都の豊島区等においてオンラインでの運営指導が行われるなど、運営指導も多様化してきていることが特徴です。

監査と指導の違い

指導が私たち介護保険施設に対する支援なのに対し、監査は行政指導に従わない場合や、通報等、法令・基準条例等の違反、費用等の不正請求又は不適切なサービスの提供が明らかな場合に行われるものです。

特に虐待など重大な人権侵害が疑われる場合には、状況に応じて、法の権限行使等が実施されます。

また、運営指導と目的が異なるため、事前の通知なく自治体の担当者が出向く場合も有ります。

確認項目及び確認文書

確認項目及び確認文書とは、運営指導の標準化のために確認項目や、何を目的に確認するのか、それを確認するための文書を定めたものです。

ここには介護報酬についての詳細が記載されていないため、『加算については確認しない』『これだけ準備しておけばいい』と認識されている方がいらっしゃいますが、実際の運営指導でこれだけをみるというわけではありません。

加算には算定するための条件が有りますから、これを満たしているかの確認は行われますし、減算に該当する事項が運営指導で発見されれば減算が行われます。

厚生労働省:別添1 確認文書・確認項目一覧

令和4年度の実施状況

集団指導の実施

令和3年度における自治体の集団指導は、全国 1,618 の自治体のうち 792 の自治体が実施しています。

割合は約 48.9%であり、未だ約半数の自治体が実施していない状況です。都道府県・指定都市・中核市では、概ね 98%以上の自治体が実施していますが、一般市町村については約 45%の実施率となっており低調な状況となっています。

また、労働関係法令違反が介護保険施設等の指定(許可)拒否や取消等の事由となる場合もあることなどから、集団指導の実施に当たり、都道府県労働局に情報提供のうえ、当該都道府県労働局の職員から労働関係法令について集団指導の内容に組み込まれていくことも検討されています。

運営指導の実施

令和3年度における自治体の運営指導(旧実地指導)は、302,206 か所の介護保険施設等(令和3年4月1日現在)に対して、全国平均で 7.8%の実施率となっており、低調な状況です。

これは新型コロナウイルス感染症の拡大の影響があったものと推察されていますが、指定(許可)の有効期間内に1回以上実施するよう国から各自治体に依頼されています。(、居宅サービスのうち居住系
サービス、地域密着型サービスのうち居住系サービス又は施設系サービス、施設サービスについては3年に1回以上の頻度で行うことが望ましい)

監査マニュアル

監査は指導と違い、行政機関自らが挙証資料等をもとに事実関係を確認する行為であり、その結果によっては、行政手続法に基づく不利益処分を行うことが想定されます。
自治体によってはこれまで監査の実施や行政処分を実施した経験がなく、そのため、監査や行政処分を行う際の実施方法等が定まっていない状況が見られるとし、令和5年に監査マニュアルが作成されることとなっています。

指導監督等担当職員等研修の実施

指導監督業務については、自治体間における指導内容の差異等が指摘されているほか、限られた人的資源の制約の中で効率的・効果的に実施していくことが求められているため、従来から自治体の指導監督業務に携わる担当職員の資質向上を図るための集合研修が国の管轄で開催されています。

令和2年度からは、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止等の観点から、Web上での動画配信により実施してきたところですが、過去3年間の実施状況から「多くの自治体が毎年受講できること」や「担当職員が日常業務を継続しながら受講が可能であること」等、受講者側にメリットがあることから、令和5年度においても同様の実施方法を継続することされています。

令和5年度の運営指導

新型コロナウイルスが第5類に移行し、伴って運営指導が増加しています。

どの自治体もこれまで低調であった運営指導を通常の運用にのせるため、自治体で人が不足している場合は委託をして実施しています。

どの事業も6年に1回、または3年に1回の頻度で実施されることが想像されますので、日ごろから適正な運営をしていきましょう。

業務管理体制に関する確認検査

業務管理体制とは

介護保険法第115条の32により、介護サービス事業者には、法令遵守等の業務管理体制の整備が義務付けられています。
介護サービス事業者が整備すべき業務管理体制は、指定又は許可を受けている事業所又は施設の数に応じて定められており、業務管理体制の整備に関する事項を記載した届出書を関係行政機関に届け出る必要があります。

法人として1施設目の開設時に届出を行いますが、この存在を知らない方もいらっしゃいますので必ず中身を確認しましょう。

厚生労働省業務管理体制:介護サービス事業者の業務管理体制

一般検査

一般検査は、事業者が整備した業務管理体制について、有効に機能する仕組みとなっているかが確認され、事業者の自主的な改善に向けて助言が行われるものです。

一般検査の実施方法については、対面で行う検査が好ましいとされていますが、書面で行われることもあります。

特別検査

介護保険施設等の指定等取消処分相当事案が発生した場合には、運営する事業者に対して特別検査が行われることとされています。

指定等にかかる連座制の適用を判断するための役員等の不正行為への組織的関与の有無の確認にとどまらず、不正行為を未然防止できなかった業務管理体制上の問題点が確認され、問題点がいずれの要素の欠如又は徹底不十分に起因して発生したものであるかについて検証されます。

1事業所が指定取り消しになれば、その他の事業所についても確認が入ることに注意が必要です。

まとめ

令和5年度に入り、どの行政も運営指導が活発になってきています。

いつ指導が行われてもよいように、日ごろから適正な運営を行っていきましょう。

運営指導(実地指導)対策お役立ち情報
運営指導(実地指導)と監査の違い
紹介画像


実地指導とは何か、監査との違いについてわかりやすくまとめています。
<目次>
・実地指導の処分対象となる主な原因
・実地指導とは
・監査とは

お役立ち資料:運営指導対策にお悩みの方に

混同しやすい運営指導(実地指導)と監査の違いについて、わかりやすくまとめました。
詳しく見る