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国民健康保険団体連合会介護給付適正化システムとは

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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この記事では、国民健康保険団体連合会介護給付適正化システムについてご紹介します。

国民健康保険団体連合会介護給付適正化システムとは

国民健康保険団体連合会介護給付適正化システムとは、平成16年度予算案において、「介護費用適正化緊急対策事業」として30億円を確保し、介護費用適正化に真に資する事業を対象として支援していくこととした施策の1つです。

このころ、介護保険制度の定着の一方で、その必要性や効果に疑問をもたざるを得ないサービス提供や、事業者による過度の利用者掘り起こし、不正請求等、不適正ないし不正な事例も多く見られていました。

こうした介護費用が適正に運用されているか否かをシステムで判定していくために作られたのが『国民健康保険団体連合会介護給付適正化システム』です。

国民健康保険団体連合会介護給付適正化システムでできること

被保険者や事業所ごとの給付実績を通して把握できる範囲で、各種指標の偏りをもとに不適正・不正な可能性のある事業所を抽出することが可能です。

都道府県・保険者においては、事業者の指導監督やサービスの質の向上を含めた給付適正化に取り組む際に、対象とする事業者等の絞り込み、対象事業者等の給付実績の確認などの面で、本情報を幅広く活用することが出来るようになりました。

これに加え、介護給付と医療給付の整合性の確認(例:医療機関入院中の者に対する福祉用具貸与 等)や、縦覧点検情報(サービス間・事業所間の整合性の確認等)、介護給付費通知書情報(保険者が介護給付費通知を行う場合の必要な情報の提供)の提供も可能となっています。

国保連合会介護給付適正化システムにより提供される情報

このシステムでは、国保連や自治体が以下の情報を確認し、実地指導や是正といった動きをする事業所の選定を行っています。

①更新認定及び区分変更がなされた被保険者の状況把握

更新認定等における要介護度の変化とサービス利用状況の関連を確認。

②給付費の請求状況と事業所の体制把握

ヘルパー1人あたり実労働時間が多すぎないか 等

③画一的なサービスの提供の把握

作成されたケアプランが認定者如何に関わらず画一的でないか 等

④サービス提供の偏りの把握

事業所ごとの受給者がいずれかの要介護度に偏っていないか 等

⑤支援事業所と関係事業所の関係性把握

ケアプランが同一法人の事業所のために作成されていないか 等

⑥事業所の請求等決定情報の把握

ケアマネージャーがサービス提供後に確認を行って作成するべき給付管理票を審査決定後に修正する件数が多すぎないか 等

訪問介護事業所が気を付けるべきこと

訪問介護事業所が気を付けるべきこと

国民健康保険団体連合会介護給付適正化システムは、介護事業所の介護給付費が特異な数字を示していないかを判定するシステムです。

国保連や自治体が前項の項目を把握し、突合することで不正請求を未然に防ぐチェックを行っています。

令和3年10月に改正となるケアプラン検証についてもこのシステムが用いられ、届出と一致するか等のチェックを行い、整合性が無い場合には『実地指導』等で現物の確認が入るという流れになります。

チェックに引っかからないようにするには

このシステム上で引っかかると言うことは、不正な状態、又は不正につながる可能性があるという事になります。

例えば、支援事業所と関係事業所の関係性把握のチェックで『ケアプランが同一法人の事業所のために作成されている』という項目で引っかかった場合、『介護支援専門員は公正中立』でなければならないというルールから逸脱し、『訪問介護員は不必要な支援を行っている可能性がある』ということに繋がります。

このシステム上で引っかからないようにするという事は、適正な運営を行うと言うとてもシンプルな事を指します。

まとめ

年々、サービス付き高齢者住宅に対しての指導が厳しくなってきていますが、これは、不必要なサービスの提供や、介護支援専門員の公正中立的な立場を確保するために必要なことだと言われています。

これからますますチェックの目は厳しくなることが予想されるため、施設の中にある、外にあるに関わらず訪問介護事業所としての立場を確立し、自社介護支援専門員に頼らず売り上げをあげる施策をとるために、加算取得はもちろん、施設の範囲外での営業活動も必要になって来ます。

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