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初めて働いたのはデイサービスで、そのあとは特別養護老人ホームで働いていました。そのキッカケは祖父が癌で入院したことです。もともと私はおじいちゃん子だったので、大好きだった祖父の病院へ毎日通って色々と世話しているときに、介護の仕事っていいな、と思ったんですよね。
その後一度別業界の事務職に転職してみたものの、やはり介護がいいと思い、今までやったことのなかった訪問介護にチャレンジしてみました。そこで管理者までやらせてもらえるようになったものの、もっとご利用者様に寄り添ったサービスがしたいと思い、起業して全部自分でやろうと思ったんです。
私が介護の仕事をするキッカケになった祖父の名前から取っています。息子の名前も祖父からもらっているんですが、そんな息子に事業所名はなにがいいかを聞いてみたら、「じいちゃんの名前とって、ひかりでいいんじゃない。僕と同じで。」と言われて決めました。
本当の由来はそうなんですが、いつも事業所名の由来を聞かれたときには、「ご利用者様の生活に光を差す。」と、答えています。過去に2週間だけ、70代男性のご利用者様で奥さんが入院している間の食事を作るというサービスに入った時に、「低体重で困っているから、とにかく太れるようなものをくれ」と、オーダーもらったんです。本当に好きに作っていたら、2週間後、体重が1.5kg増えていてとても感謝してもらえました。そのときに、「お前が来てくれてから、おれの生活に光がさしたな~。だからひかりって事業所名なんやろ?」と言ってもらえて。「それもらっていいですか?」とちゃんと確認とってからは、事業所名の由来はそう答えています(笑)
「気持ち」ですね。利用者様やヘルパーさんなど相手の気持ちもそうですし、私自身の気持ちも、経営者としても、個人としても、気持ちをしっかりと伝える、ということを気を付けています。相手の思いや気持ちをしっかり汲み取ることで、どんな仕事もうまくまわると思ってますし、私の想いもちゃんと伝えないと、わかってもらえませんからね。
だから、対面のコミュニケーションの機会は絶対に必要で、ウチでは、お昼をなるべくみんなで食べるようにしています。私が作ってみんなに食べてもらってますよ。今日は寒いのであんかけうどんにしました。だいたい一週間のうちに3~4回はみんな集まってくれています。ご利用者様の情報共有などももちろんですけど、他愛ない話も結構してます。
訪問介護では、ご利用者様の生活の場に入っていくことになるので、ご利用者様の求めるレベルが高いことが多かった印象ですね。施設ではないから、ご利用者様にとってはヘルパーさんがしてくれることがその事業所にしてもらえることのすべてなんです。私が訪問介護を始めたころは、男性ヘルパーへの偏見を感じることも多かったですね。「おばちゃんみたいなおっさんが行くんで」とよく言ってたな(笑)
ただその分一生懸命に取り組み続けて認めてもらえたときの喜びは大きいですよ。最初は怖いと感じていたご利用者様に熱心に対応し続けてたら、私がサービスに入れなくなってしまったとき、「なんでおまえがけえへんねん!」って怒られたの、嬉しかったですね。ヘルパーとして認めてもらえたんだな、と実感しました。
ヘルパーさんのメンタルフォローをもっとしっかりやってあげるべきだと思います。行政で何か施策があってもいいと思う。どうしても密室、一対一のコミュニケーションになるので、そのなかでストレスを覚えることは多々あります。ヘルパーさんをお手伝いさんみたいな感覚で接するご利用者様もまだまだいますからね。
いまは京都市内でサービスをしているのですが、今後は事業所が少ないエリアに新店舗の出店をしていきたいと考えています。あとは保険外・特に移動支援とかもやっていきたいですね。私たちのサービスを受けて上向いてくれた気持ちをそのままに、「ご利用者様の新しいひかりへ一緒に向かっていく。」事業所になっていきたいですね。