この記事では、 介護事業所におけるM&Aを行うメリットについてご紹介をします。
コロナウィルスの第7波が昨今話題に取り上げられておりますが、デイサービスや訪問介護においてもその打撃を今もなお受けております。
クラスター発生により営業停止になったデイサービスや通って利用する感染リスクが高く思われる介護事業所などで、業績不振によって事業譲渡を望む中小事業者は増え、M&A(企業の買収・合併)市場は活況化しており、相談件数も年々増えております。
他人事ではない介護のM&Aですが、具体的なメリットとは何でしょうか。
介護業界のM&Aで売り手に考えられる主なメリットは、以下の通りです。
・後継者問題の解決(廃業の回避)
・従業員の雇用継続
・個人保証・担保の解消
・売却益の獲得
・経営の安定
一番は廃業を回避できること、従業員の雇用を維持できることが重要です。
中小規模の介護事業所では従業員の人数が限られるため、残業が多くなる傾向がありますが、買手が同業の大手企業なら、必然的に従業員の数が増え間接部門も充実しているケースも多くあるため、今よりも従業員一人一人の労働負担が軽減される等、細かなメリットも複数あります。
次に買い手に考えられる主なメリットは、以下の通りです。
・弱点サービスの補強
・人材・拠点の確保
・エリアシェアの拡大・獲得
・業績拡大
・簡易に新規参入(異業種)
買い手側としてはドミナント戦略を取れるようになることや、それに伴う業績の拡大が一番のメリットでしょう。
その他には、介護事業以外の異業種の企業がM&Aにて介護事業を引き継ぐ場合、行政からの許認可を引き継げることがあります。M&Aが株式譲渡のみで実行される際は、株主が変更されるだけのため許認可申請の必要はありません。
また地域によっては介護の事業に総量規制が掛かり新しく新規事業所を開業出来ない等の問題で事業を拡大出来ない場合もありますが、事業を引き継ぐ事で事前に確認を取る事で、本来取れなかった指定が取れるケースも多くあります。
中小規模の介護事業者において事業の縮小を考えるときにはこれまで事業所の休止・廃止が選択されてきましたが、企業価値を高め、売却するという手段も多く用いられてきています。
反対に事業の拡大を考えるときには一から事業所を開設すると言う選択肢が真っ先に頭に浮かぶと思いますが、M&Aも選択肢として考えることも一般的になって生きています。コロナ禍においてこれらの選択肢の利点を見比べる事は最適な判断をする上では必須となるのではないでしょうか。