この記事では、 M&Aを考え始めるタイミングについてご紹介をします。
昨今「2025年問題」と話題になり、全人口の20%弱が、75歳以上の後期高齢者が占める日本社会になると予測されています。団塊の世代の高齢化が進み、今後日本のGDPは一層低下していくことが話題となっております。
介護の需要はさらに高まることが予測され、介護2014年度における介護サービス市場の規模は8.6兆円だったことに対して、2025年を迎える頃には18.7兆円ほどと、倍以上の額にまで到達するという見通しです。
しかし、以前の記事でも取り上げた通り、大手の寡占化が進み、中小零細企業の生き残りは今後も非常に苦しくなることが見込まれます。
そんな中で、中小零細企業が生き残る為、また従業員の雇用や利用者の継続したサービスを守る為に、介護業界においてもM&Aでの事業の承継は他人事ではありません。
M&A(エムアンドエー)とは「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」の略で、M&Aの意味は、文字通り「企業の合併・買収」のことで、2つ以上の会社がひとつになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)です。
M&Aは大手企業の専売特許と言ったイメージをお持ちの方も多く、自分には関係のない話とお思いの経営者の方も少なくないのですが、介護業界では「経営者の高齢化」や「引き継ぎ手の不在」、「事業の選択と集中」と言う観点から、今、中小零細企業のM&Aのは非常に活性化しており、事業継続の為にM&Aで事業を引き継ぐ事を考える経営者の方が増加しております。
では一般的にはどのようなタイミングでM&Aを考えると良いのでしょうか?
まず第一に経営者の「事業意欲が減退した時」がM&Aで事業承継を考えるタイミングです。
業績が良い中で以下のような事が頭をよぎったのであれば、今正にM&Aを考えるべきと言えます。
・別のことをしたい(新しい事業に取り組みたい)
・人の管理につかれた
・これ以上事業を伸ばすことが難しい
また買手にとって魅力的な業績や人が整っている時に譲渡するのが対価や企業の価値を高くするポイントです。
「業績が良いのに経営者の意欲が低下している時」が一番の売り時と言えます。
今、介護事業を運営する中でコロナの影響も一時収まり、段々と売上が戻ってきた、または黒字経営は維持できていると言う経営者の中でも、「今後の介護事業への不安」や冒頭に取り上げた「引き継ぎ手の不在」等の理由から、日々、何か心にシコリを抱きながら、運営を続けていらっしゃる経営者様も少なくないのではないでしょうか。
経営が傾き、首が回らなくなってしまうその前に、自身の会社の価値を知っておく、またM&Aの相談先等は目星を付けておくと良いでしょう。