この記事では、 訪問介護事業所M&Aにおける買収されたその後についてご紹介をします。
目次
訪問介護のM&Aにおいて買収とは、ある事業者が他の事業者を支配する目的で議決権の概ね過半数以上を買い取ったり、事業部門を買い取ったりすることを指します。買収する事業者にとっては、新しく自社で立ち上げたり、既にその分野で事業を進めている事業者を買うことは時間やコストの削減に繋がります。
・売却と同時に引退
後継者不在や経営疲れから引退を選択する経営者も多くいらっしゃいます。
・役員として継続勤務
M&A完了後のPMI(M&A後の統合プロセス)や事業の引き継ぎが長期となる場合やスムーズに行うため、一定期間にわたり社長が役員として残るケースも見受けられます。
・利用者さんのためヘルパーとして継続勤務
事業所を売却したら社長は必ず引退しなければならないというルールはありません。買収側との交渉次第でこれまで通り利用者さんのためにヘルパー業務にを担当するために現場に残る判断をされる方も介護業界ならではで多くなっています。
経営者:事業の存続や対価の金銭
会社:存続と安定化や事業拡大の機会
従業員:雇用の継続やキャリアアップ、福利厚生の充実化
経営者:売却先への業務拘束リスクや喪失感
会社:期待していたシナジー効果が見込めない可能性
従業員:モチベーションの低下
買収された後も従業員の雇用は継続され、一般的に労働条件についても変更がないことがほとんどですが、反対に待遇が良くなるケースも多くあります。
理由としては、買手企業は基本的に売手よりも会社の規模が大きく加算や資格に対する手当等が充実している可能性が高いからです。訪問介護事業所の場合、介護福祉士や実務者研修修了者、サービス提供責任者など資格やノウハウ・スキルを持っている従業員はスペシャリストとして優遇されることが多くなります。
会社が買収されたらどうなるか、従業員がどうなるのかは、買収先の経営陣の判断に委ねられるところが大きいと言えます。またどうしても新しい企業文化になじめず、社員間のトラブルや退職者が出てしまうことも考えられます。
こういった可能性をゼロにすることは困難です。
そのため譲渡や買収されることを検討する経営者の方は早期から情報収集を行い、交渉ののちに信頼できる買収先を決定されることをお勧めします。また無料で相談を受け付けているような仲介会社に相談してみるのも一つの選択になるかと思います。