事業承継とは、会社の経営権を後継者に引き継ぐことをいいます。事業承継には親族内承継、社内承継、M&A(社外への承継)の3種類があります。
中小企業が日本の経済や社会を支えていると言っても過言ではないほど多数の企業が日本には存在しており、2021年度「中小企業白書」によれば、非1次産業における小規模企業が84.9%となっており、中規模企業を加えると日本の99%以上が小規模・中規模企業となっています。
この様な企業における1番の課題は、特徴は『経営者の高齢化』であり、経営者年齢分布は60代以上の割合が上がってきています。
そして昨今介護業界でも、『後継者がいない』ことが1番の課題だといわれています。
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事業譲受を考えたとき、譲受側の経営者様にとって良いM&Aとは、法人と法人が合わさる事で更なる拡大を図れることです。
『更なる拡大』は、単に規模の話だけでなく、職員の数、ご利用者の数、事業数の数等多岐にわたりますが、このために必要不可欠なのはM&Aを行うにあたり事前に思っていた姿と、行った後の姿に大きな違いを生じさせない事です。
譲渡側の経営者様にとっての『良いM&A』とは、ご利用者・従業員が解散後も変わらず笑顔で生活できることが『確約されている状態である』ことは勿論、一定の条件や金額で譲渡が可能になる事です。
また、従業員は法人変更後、『賃金、労働条件、環境に変更がない』という前提条件が最低限保証され、少しだけ自分の将来に希望が見えることが良いM&Aだと言えます。
昨今の介護業界の人材不足における課題は、この先も解決の目途は立っていません。
そんな中人員基準や配置基準を満たすために、紹介業者からの人材紹介や派遣会社から派遣を受けたり等、多くの資金を投じてその場その場で必死に解決を図って何とかやりくりしているのが現状だと思います。
紹介業者に人材の紹介を依頼すると、介護福祉士常勤の紹介を受けるのに100万円程度かかることも有ります。
このような背景からも100万円程度から事業を譲受できるM&Aは、数名の職員に利用者が存在するという状態で引き継ぐ事が可能であり、昨今注目を集めている人材採用の手法となっています。
廃業手続きは廃業届などの必要書類や費用を準備することから始まり、これらは専門的な要素が多く、書類作成の段階で膨大な作業が発生するため、清算などの手続きを弁護士や税理士などに代行してもらうのが一般的ですが、清算後は残った資産が債権者に分配され、解散・清算確定申告や清算決算報告書の承認を得て、廃業手続きは終了となります。
また、同時に指定申請を廃止させる手続きや、介護・福祉業界ならではの手続きにも専門的な方の知識が必要になります。
このことから、『廃業』ではなく事業を存続させる『事業承継』を選択される経営者の方が増えています。
事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことを言い、中小企業にとっては特に代表者の経営手腕が会社の強みや存立基盤そのものになっていることが多く、「誰」を後継者にして事業を引き継ぐのかは重要な経営課題です。
また、事業承継は単に「次の社長を誰にするか(経営承継)」という問題ではなく、会社の経営権そのものの「自社株を誰に引き継ぐか(所有承継)」、「後継者教育をどう行うか(後継者教育)」を考えることもとても重要です。
介護事業所の売却案件は、以下のような形で譲渡先を募集しています。
既に譲渡先が決定している案件となっております。一例としてご紹介させて頂きますが、案件のご紹介を希望される場合はお問い合わせください。
[事業]通所介護(定員29名 1単位)
[売上]単月100万円程度の赤字
[設備]賃貸40万円
建物150㎡(機能訓練スペース90㎡)駐車場5台分、トイレ3、キッチン3、風呂1、事務室※申請上の基準に問題なし
[人員]
生活相談員:常勤2名・非常勤1名 看護師兼機能訓練指導員:常勤1名・非常勤1名
介護職員:非常勤4名
[その他譲渡対象設備]バン2台(車いすリフト付き) 机・椅子 消火設備
[譲渡理由]前管理者が経営者であったが、逝去のため
[事業]居宅介護支援・訪問介護・障害訪問系サービス
[売上]単月300万円 利益単月20万円程度
[設備]賃貸10万円
[人員]介護支援専門員:管理者常勤1名・非常勤1名 サービス提供責任者:管理者常勤1名
訪問介護員:常勤3名、非常勤5名
[その他設備]机、椅子、自転車等
介護業界における後継者問題は深刻になってきています。
このような中で、多くの方が選ばれるのは『廃業』であり、ご利用者様と従業員は正式な契約で引き継がれる事はなく、『口約束』のみの引継ぎとなっており、これまでの業務をはじめとする業務のやり方、給与形態、受けられるサービス内容等が継続出来ずにトラブルに発展するといった事が起きています。
経営者にとっても、ご利用者様にとっても、従業員にとってもこれまでの日々はかけがえのない時間です。
関わる全ての人がより幸せだと感じれる未来にいくために、最善の方法が何なのかを見極める事、これが経営者の大切な最後の仕事だと言えます。