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通所介護(デイサービス)で行われるM&Aの注意点

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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この記事では、通所介護(デイサービス)で行われるM&Aの注意点についてご紹介をします。

通所介護(デイサービス)で行われるM&Aの注意点

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通所介護(デイサービス)で活発化するM&Aについて

コロナウィルス等の影響を受けて、通所介護でも年を重ねるごとに業績は厳しくなり、倒産件数も過去最多を更新している中、通所介護でのMAも活発化してきております。通常の会社のM&Aとは異なり、通所介護でM&Aを行う際は、介護業界ならではの特徴や注意点にも留意しておく必要がありますので、注意点を以下で解説していきます。

赤字の事業所でも譲渡は成立する

赤字の事業所は売りづらいのでは?そうお考えの経営者様も多いかと思いますが、以前の記事でも記述した通り、通所介護(デイサービス)に関しては通常の会社のMAとは異なります。

一般的な会社のMAでは利益が最も重要視されますが、通所介護でのM&Aで肝心なのは人材です。

介護事業は専門職の分野になりますので、有資格者が非常に重宝されます。

そのため財政上は赤字であっても、既にサービスを提供していて、人材が揃っている状態であれば、買い手が付きやすいという特徴があります。

また、買い手企業は、介護の売上だけではなく診療報酬などの介護保険以外の収入を目的にM&Aを行うケースも散見されるため、一概に「赤字だから買い手がつかない」という業界ではないことが分かります。

人材の流出が大きなリスクとなる

一般のMAでもそうですが、通所介護(介護業界)でのM&Aでは特に人材の流出に注意を払わなければなりません。

介護に限った話ではありませんが、M&Aによって経営者が変わることを従業員が察知すると、不安を感じて会社から離れていってしまうことがよくあります。

人材が何より重要な介護業界では、事前の情報漏えいには十分注意し、譲渡後において重要なPMI(Post Merger Integration)を順序だてて行い、従業員が退職せず事業が従来通りに成立する体制にしていく必要があります。

株式譲渡でない場合、新規指定申請が必要になる

通所介護で事業を営む場合は、様々な許認可が必要になります。M&Aによって経営者となる場合は新規の開業ではないため、許認可は引き継げるように思えますが、それは株式譲渡の場合に限った場合です。事業のみを譲渡された場合は、「新規指定申請」を事業所ごとに行わなければなりません。

まとめ

このように、通所介護のM&Aでは注意すべきポイントがいくつか存在するので、あらかじめこれらの点を押さえておくことが大切です。

通所介護(デイサービス)のM&Aの場合、設備面での資産が少ないことも多いため、人の価値の向上や加算の取得、実地指導のリスクの排除などに取り組む必要が高まってきます。まずは仲介会社にご依頼される場合においても介護業界ならではの特性を熟知した会社を探されることをお勧めします。