この記事では、 訪問介護のM&Aにおける譲渡理由と譲受理由ついてご紹介をします。
一般的なM&Aの譲渡理由で多いものとして、以下の5つが挙げられます。
・後継者不在
・先行き不安や業績不振
・選択と集中
・創業者の利益
・会社のさらなる発展
一方で訪問介護に置き換えると、圧倒的に『後継者不在』『先行き不安や業績不振』とが譲渡理由の多くを占めます。『選択と集中』を理由にM&Aを行われる経営者も少なくはありませんが、『創業者利益』や『会社の発展』を理由に譲渡を考えられる介護事業所の経営者は非常に少ないのが特徴です。
また訪問介護ならではの理由として『利用者へのサービス提供を維持するため』といった理由が挙げられますが、その場合はM&Aや譲渡というよりは、『口利きで譲る』という方法をとられる経営者が未だ多く存在します。利用者や従業員をお金に換えるみたいで気が引けるというようなお声も聞こえてきますが、『従業員の雇用を守るため』という観点で考えたときには何でも自分で調べられる時代になったため非常にリスクが高い方法だと言われ始めています。
一般的には以下のような理由が多いといわれています。
・売上・シェアを広げたい
・利益を大きくしたい
・事業を増やしたい
・自分たちのノウハウであればうまくできる
・知人に頼まれて
譲受側に関しては訪問介護においても一般的な理由と大きく乖離することはありません。ただやはりというべきか、『知人に頼まれて』という理由は他の業界と比較した時に多くなります。
訪問介護の場合『利益を増やしたい』という理由で、近隣エリアで同事業を行っているために『人員確保のため』に買収したり、『事業を増やすため』訪問介護以外に同エリアで通所介護や居宅介護支援など別の事業を展開している法人が買収を検討するケースが多くなっています。
譲渡理由も譲受理由も必ずしも一つというわけではなく、様々な理由があって譲渡、譲受に至っているケースがほとんどです。まだまだM&Aが一般的となってきていない介護業界だからこそ身近な事例から学べることが多くあります。
今後の介護事業所を経営していく中での様々な可能性を考えるための情報収集にも、けあタスケルの記事やセミナーを活用いただければと思います。