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訪問介護事業所のM&A完了後の統合プロセスでの注意すべき点

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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この記事では、 訪問介護事業所のM&A完了後の統合プロセスでの注意すべき点についてご紹介をします。

訪問介護事業の譲受後のPMI(統合プロセス)

M&A成立後のプロセス

PMIとはPost Merger Integrationの略で、M&A契約が成立した後の譲渡企業と譲受企業の「統合プロセス」のことを呼びます。M&Aではしばしば成約したところで成功しているように見えますが、当事者にとってはそこからが本番です。

買収したことによる成果をいかに出すかを考え、統合の計画や事業戦略、従業員の意識改革を行っていかなくてはなりません。

訪問介護事業所におけるM&A成功とは

訪問介護においては人手不足が深刻で人さえいれば、サービスを増やせる状況と言っても過言ではありません。経営資源である人材を効率的に活用していくために中小零細企業であってもM&Aが増加しているのが事実ですが、買収を行い、人を確保できたからと言って成功ではありません。

従業員たちにとっては雇用条件などは引き継がれ大きな不利益を受けるようなことはないのが通例ですが、会社や事業所ごとにサービスの質やホスピタリティに差があるのもまた事実であり、そこを統合していけるかが大きなポイントとなります。

訪問介護のPMI時の注意点

合格基準

訪問介護事業所のPMIで考えられるリスク

またM&Aのどの過程においても従業員の退職リスクには最善の注意を払わなければなりませんが訪問介護のPIMにおいてはなおのこと注意が必要です。従業員が経営資源の多くをしめ、譲渡対価としても人に価値が付くともいえます。売手は従業員の雇用を守るために譲渡を検討しますが従業員にはそうとはとらえてもらえず退職となっているケースや、買手の新しい制度や社風やをなじませている最中、退職となっているケースも多々見受けられます。

売手経営者からの丁寧な説明や買手企業の担当者との面談などしっかりと従業員の不安を取り除くための施策が必要です。

買手にとってのM&Aの成功と売手の目線の理解

買手にとってのM&Aの成功は買収前に期待していた経営効果を実現ができるかどうかです。

そのため買手は買収後の数年先の未来のリスクや事業の成長見込みを重要視する一方で売手は売却までの近い未来のことを重視して物事を考えます。このギャップをいかに埋められるかM&Aの話が進み始めてから成約後のPMIを考える中で成功のカギとなるといえるのではないでしょうか。

またそのギャップを埋めるため仲介会社をうまく活用するのも一つの手であると考えます。