この記事では、 訪問介護事業所のM&A検討の際の仲介会社への相談事例についてご紹介をします。
目次
M&Aのアドバイザーが売手企業と買手企業の間に入り、M&Aを成功に導くために中立的な立場で交渉しサポートしていく業者を指します。本来であれば、売手であればできるだけ高く、買手であればできるだけ安くM&Aをしたいという考えが働きますが、両方からの条件を聞いて両方が納得する着地点を目指した交渉サポートを行います。
仲介会社には仲介手数料を最低報酬500万円、1,000万円、2,000万円と高額に設定しているようなところも多く見受けられます。介護業界だけに絞ってみると最低報酬100万円というようなところもございますが、中小介護事業所が自分事にとらえられないのはこのためかと思います。もちろん売手と買手のマッチングの難しさなど高額になる背景もございますが、訪問介護事業者に適した仲介会社はないかと、実際に訪問介護事業所の売買の検討でM&
従業員:12名
売上:270万円/月
原価:210万円/月
経常利益:60万円/月
ホームページ上の『無料査定』ボタンをクリックすると問い合わせ画面へと進みフォーム送信、メールで査定結果が届く。同メールで無料相談申し込みを案内され、無料相談申し込みを行う。
申し込みから3日後に担当者から電話連絡があり『売上、原価、経常利益、資産状況』を話すと、グループ会社だと言う小規模案件用のマッチングサイトを紹介される。
売手は無料だというそのマッチングサイトに再度、同じ情報を登録すると、翌日担当者より電話連絡があり『ネット上で自分たちで情報を公開し、交渉も自分たちで実施する』『必要に応じて士業の紹介を行うが、実費になる』と案内を受ける。
ホームページ上の『無料相談』ボタンをクリックすると問い合わせ画面へと進みフォーム送信、メールで『受け付けました』という案内が届く。
その後、1週間以上経ってから電話での連絡がありzoomにて個別相談を実施。
経験が浅い方だったのかもしれないが担当者に介護の専門用語やこちらの話への理解がなく信頼できなかったためにこちらからお断りを入れた。
ホームページ上の『無料査定』
査定結果と同時に届いた『無料案内』
親切に話を聞いてくれるものの『時期はいつか』等、『売却』
その後も3日に1回は電話が来るが、買う側のほうを強く検討していると話した次の日から連絡が途絶え
実際に仲介会社へ問い合わせた方からはこの3つの事例のように仲介業者は介護業界への理解が乏しく、
というお話を伺えました。
これまで介護業界で休業、廃業を行う時には、『会社を売る』という選択肢はあまり選ばれず『利用者と職員を他事業所に振る』という事が選ばれてきました。これは一見良い様に思えますが、昨今では専門家の立ち会わない引継ぎ(口約束)に『取り決め不足が多い』ことが原因によるトラブルが多く、問題になっています。
私たちはご利用者とも、従業員とも『契約』を結ぶほどしっかりした関係を築いています。この関係を他の法人に引き継ぐ際は、より一層の注意を払い専門家の立会いの元に進めなけらば行けないことは明白です。
そのための情報収集について早期から行い、介護業界について理解があり同じ価値観で話せる仲介会社を探されることをお勧めします。