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通所介護(デイサービス)の実態とM&Aの増加

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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この記事では、 通所介護業界の実態とM&Aについてご紹介をします。

通所介護事業所の実態

高齢化に伴う通所介護利用者の変化

日本の高齢化は世界に類をみない速さで進行しており、団塊の世代が75歳以上となる2025年には高齢化率(65歳以上人口が総人口に占める割合)は30%を超えると言われています。

高齢者人口の増加により、通所介護(デイサービス)自体の需要は大幅に増加し、通所介護(デイサービス)の利用者数が約113万人だった2008年から7年間で、利用者数は約190万人まで増加しました。

では通所介護(デイサービス)の事業所はどのような形で増えていったのでしょうか・・・

需要と供給

通所介護(デイサービス)は有料老人ホームやグループホーム等の介護施設と比べて初期投資の金額が小さく小資本でも参入しやすい傾向があり、他事業からの参入やエリアの拡大等で事業所数もここ数年で一気に増加しました。事業所数は、2000年の9,726か所から、2016年には43,440か所まで急激に増加し、需要がある反面これは異常すぎる増加率とも捉えられます。

通所介護(デイサービス)の現状

では異常なまでに増加した通所介護(デイサービス)は今どうなっているのでしょうか。以下の2点の課題が取り沙汰されています。
・事業所間における利用者獲得競争の激化
・市場の飽和(過剰供給)
また上記2点だけではなく、コロナ化での集会見直しや、大手介護事業者の大型デイサービスの開設等により、中小零細企業の小規模な通所介護が最も不況の煽りを受けております。

通所介護の倒産件数は2011年に4件であったにも関わらず、は2017年には44件と約11倍まで増えており、独立行政法人福祉医療機構(WAM)のデータでは約20%~約40%の介護事業所が赤字で運営を続けています。

今もなお苦しい状況の中で、今後、通所介護(デイサービス)の倒産件数は一層増加するケースも想定されます。

まとめ

    通所介護(デイサービス)これだけ運営が厳しい競争環境や運営状況が続く中で、廃業や倒産に追い込まれる可能性は他人事ではありません。そんな中、経営者の方が大切にされるのは以下ではないでしょうか。

    ・利用者の安全(受け入れ先の確保、継続してサービスが受けられる環境)

    ・従業員の雇用の維持

    他にも『少しでも赤字を減らして事業を閉鎖したい』『今まで頑張ってきた施設を何とか残したい』と考える事はごく自然な事でしょう。

    以上のことから、今、通所介護(デイサービス)のMAでの事業承継の相談が大変増えてております。廃業や倒産となる前の手段・選択肢として、自身の事業所の価値を知る事や、適切なアドバイザーへの相談先は事前に見つけておく知っておくべき事が大切となるのではないでしょうか。