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施設・居住支援系サービスの改定ポイントまとめ

【2024年障害福祉報酬改定】施設・居住支援系サービスの改定ポイントまとめ|最新情報を元に一覧で徹底解説

2024-03-28

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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2024年2月6日に開催された障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第45回)にて、2024年の障害福祉サービス等の報酬改定の内容が定められました。本記事では障害福祉サービスのなかでも施設・居住支援系サービスの報酬改定について解説します。

なお、障害福祉サービス全体における改定ポイントについては以下の記事で解説をしていますのであわせてご参考くださいませ。

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施設系・居住支援系サービスにおける改定ポイント

2024年度の障害福祉サービス等報酬改定において、施設系・居住支援系サービスの改定ポイントは以下の通りです。

地域移行を推進するための取組の推進

施設入所支援について、以下のポイントで変更がおこなわれます。

  • すべての入所者に対して、地域移行及び施設外の日中サービス利用の意向を確認し、希望に応じたサービス利用にしなければならないことを運営基準に規定する
  • 本人の希望に応じたサービス利用に実効性を持たせるため、以下を運営基準に規定する*¹
    • 地域移行及び施設外の日中サービス利用の意向確認を行う担当者を選任する
    • 意向確認のマニュアルを作成する

*¹:2024年度から努力義務化し、2026年度から義務化するとともに、未対応の場合は、減算の対象になる見込み

また、グループホームなどの見学や食事利用、地域活動への参加などを行った場合を評価するための加算として地域移行促進加算(Ⅱ)が新設されます。

地域移行促進加算(Ⅱ):60単位/日

入所者に対して、通所サービス又はグループホームの見学や食事体験等を行うなど、地域生活への移行に向けた支援を実施した場合に、1月につき3回を限度として所定単位数を算定する。

施設における基本報酬の見直し

利用定員の変更を行いやすくし、施設から地域への移行を推進することを目的に、利用定員ごとの基本報酬が10人ごとの設定に変更されます。また既存の区分についても一部単位数の見直しがおこなわれています。変更後の区分および単位数は以下の通りです。

利用定員が40人以下

区分改定後の単位数
区分6463単位
区分5392単位
区分4316単位
区分3239単位
区分2以下174単位

利用定員が41人以上50人以下

区分改定後の単位数
区分6362単位
区分5303単位
区分4240単位
区分3189単位
区分2以下150単位

利用定員が51人以上60人以下

区分改定後の単位数
区分6355単位
区分5297単位
区分4235単位
区分3185単位
区分2以下147単位

利用定員が61人以上70人以下

区分改定後の単位数
区分6301単位
区分5252単位
区分4202単位
区分3166単位
区分2以下137単位

利用定員が71人以上80人以下

区分改定後の単位数
区分6295単位
区分5247単位
区分4198単位
区分3163単位
区分2以下133単位

利用定員が81人以上

区分改定後の単位数
区分6273単位
区分5225単位
区分4181単位
区分3150単位
区分2以下129単位

地域移行支援体制加算の新設

障害者支援施設から地域へ移行した方がおり、入所定員を1名以上減らした場合を評価することを目的に、地域移行支援体制加算が新設されます。単位数は以下の通りです。

利用定員が40人以下

区分改定後の単位数
区分615単位
区分513単位
区分411単位
区分38単位
区分2以下6単位

※単位数は1日あたり
※前年度に当該指定障害者支援施設等から退所し、地域生活が6月以上継続している者が1人以上いる指定障害者支援施設等であって、利用定員を減少させたものとして都道府県知事に届け出たものについて、1年間を限度として1日につき所定単位数に当該利用定員の減少数を乗じて得た単位数を加算する。

利用定員が41人以上50人以下

区分改定後の単位数
区分69単位
区分57単位
区分46単位
区分35単位
区分2以下4単位

※単位数は1日あたり
※前年度に当該指定障害者支援施設等から退所し、地域生活が6月以上継続している者が1人以上いる指定障害者支援施設等であって、利用定員を減少させたものとして都道府県知事に届け出たものについて、1年間を限度として1日につき所定単位数に当該利用定員の減少数を乗じて得た単位数を加算する。

利用定員が51人以上60人以下

区分改定後の単位数
区分67単位
区分56単位
区分45単位
区分34単位
区分2以下3単位

※単位数は1日あたり
※前年度に当該指定障害者支援施設等から退所し、地域生活が6月以上継続している者が1人以上いる指定障害者支援施設等であって、利用定員を減少させたものとして都道府県知事に届け出たものについて、1年間を限度として1日につき所定単位数に当該利用定員の減少数を乗じて得た単位数を加算する。

利用定員が61人以上70人以下

区分改定後の単位数
区分65単位
区分54単位
区分43単位
区分33単位
区分2以下2単位

※単位数は1日あたり
※前年度に当該指定障害者支援施設等から退所し、地域生活が6月以上継続している者が1人以上いる指定障害者支援施設等であって、利用定員を減少させたものとして都道府県知事に届け出たものについて、1年間を限度として1日につき所定単位数に当該利用定員の減少数を乗じて得た単位数を加算する。

利用定員が71人以上80人以下

区分改定後の単位数
区分64単位
区分53単位
区分43単位
区分32単位
区分2以下2単位

※単位数は1日あたり
※前年度に当該指定障害者支援施設等から退所し、地域生活が6月以上継続している者が1人以上いる指定障害者支援施設等であって、利用定員を減少させたものとして都道府県知事に届け出たものについて、1年間を限度として1日につき所定単位数に当該利用定員の減少数を乗じて得た単位数を加算する。

利用定員が81人以上

区分改定後の単位数
区分63単位
区分53単位
区分42単位
区分32単位
区分2以下2単位

※単位数は1日あたり
※前年度に当該指定障害者支援施設等から退所し、地域生活が6月以上継続している者が1人以上いる指定障害者支援施設等であって、利用定員を減少させたものとして都道府県知事に届け出たものについて、1年間を限度として1日につき所定単位数に当該利用定員の減少数を乗じて得た単位数を加算する。

グループホームから希望する一人暮らしなどに向けた支援の充実

グループホームを退去し一人暮らしなどを希望する際の支援を充実する観点から、自立生活支援加算の見直し、および退居後共同生活援助サービス費・退居後外部サービス利用型共同生活援助サービス費・ピアサポート実施加算、退居後ピアサポート実施加算の新設がおこなわれます。

自立生活支援加算

【自立生活支援加算(Ⅰ):1000単位/月】

  • 居宅における単身等での生活を本人が希望し、かつ、可能と見込まれる利用者の退居に向け、個別支援計画を見直した上で、一人暮らし等に向けた支援を行った場合に、6月間に限り所定単位数を加算する
  • 居住支援法人又は居住支援協議会に対して、月に1回以上、利用者の住宅の確保及び居住の支援に必要な情報を共有した場合に、更に1月につき35単位を加算する
  • 居住支援法人と共同して、利用者に対して在宅での療養上必要な説明及び指導を行った上で、(自立支援)協議会や保健・医療・福祉等の関係者による協議の場に対し、住宅の確保及び居住支援に係る課題を報告した場合に、更に1月につき500単位を加算する

【自立生活支援加算(Ⅱ):500単位/回】

現行の算定要件と同一(日中サービス支援型のみ)

【自立生活支援加算(Ⅲ)】

  1. 利用期間が3年以内の場合:80単位/日
  2. 利用期間が3年を超えて4年以内の場合:72単位/日
  3. 利用期間が4年を超えて5年以内の場合:56単位/日
  4. 利用期間が5年を超える場合:40単位/日

以下の要件を満たす事業所において、居宅における単身等での生活を本人が希望し、かつ、可能と見込まれる利用者の退居に向け、一人暮らし等に向けた支援を行った場合に、1日につき所定単位数を加算する

  1. 利用者の希望を踏まえた上で、一定期間の支援の実施により、その退居後に一人暮らし等へ移行することを目的とした住居(移行支援住居)を1以上有すること。
  2. 移行支援住居の定員が2人以上7人以下であること
  3. 事業所に置くべきサービス管理責任者に加え、専ら移行支援住居に入居する利用者に対する支援に従事するサービス管理責任者であって、かつ、社会福祉士又は精神保健福祉士の資格を有するものが7:1以上配置されていること
  4. 移行支援住居への入居を希望する利用者の入居に際して会議を開催した上で、利用者の意向を反映した個別支援計画を作成すること
  5. 移行支援住居の入居者に対し、住居の確保その他退居後の一人暮らし等に移行するための活動に関する相談、外出の際の同行、指定障害福祉サービス事業者等、医療機関等との連絡調整等の支援を実施すること
  6. 居住支援法人又は居住支援協議会に対して、定期的に、利用者の住宅の確保及び居住の支援に必要な情報を共有すること
  7. 居住支援法人と共同して、利用者に対して在宅での療養上必要な説明及び指導を行った上で、(自立支援)協議会や保健・医療・福祉等の関係者による協議の場に対し、住宅の確保及び居住支援に係る課題を定期的に報告すること

退居後共同生活援助サービス費、退居後外部サービス利用型共同生活援助サービス費:2,000単位/月

グループホームを退居した利用者*¹に対し、当該利用者の居宅を訪問して以下の要件を満たす内容の支援を行った場合に、退居日の属する月から3ヵ月間*²に限り、1ヵ月につき所定単位数を算定する

  1. 利用者の一人暮らし等への移行に当たって会議を開催した上で、利用者の意向を反映した個別支援計画を作成すること
  2. おおむね週1回以上、利用者の居宅を訪問することにより、当該利用者の心身の状況、その置かれている環境及び日常生活全般の状況等の把握を行い、必要な情報の提供及び助言並びに相談、指定障害福祉サービス事業者等、医療機関等との連絡調整等の支援を実施すること

*¹:自立生活支援加算(Ⅰ)又は(Ⅲ)を算定していた者に限る
*²:引き続き支援することが必要であると市町村が認めた利用者に対しては6ヵ月間

ピアサポート実施加算、退居後ピアサポート実施加算

次の要件のいずれにも該当する事業所において、障害者又は障害者であったと都道府県知事が認める者である従業者であって、障害者ピアサポート研修修了者であるものが、利用者に対して、その経験に基づき相談援助を行った場合に加算する

  1. 自立生活支援加算(Ⅲ)又は退居後(外部サービス利用型)共同生活援助サービス費を算定していること
  2. 障害者ピアサポート研修修了者を従業者として2名以上(うち1名は障害者等)配置していること
  3. 2の者により、当該事業所の従業者に対し、障害者に対する配慮等に関する研修が年1回以上行われていること

グループホームの基本報酬の見直し

障害支援区分ごとの基本報酬について、以下の観点から見直しがおこなわれます。

  • 重度障害者の受け入れなど、サービスの支援内容や経営実態を踏まえた見直し
  • 世話人の配置基準に応じた基本報酬からサービス提供時間の実態に応じて加算する報酬体系への変更

見直し後の基本報酬は以下の通りです。

共同生活援助サービス費(Ⅰ)(6:1の場合)

区分改定後の単位数
区分6600単位
区分5456単位
区分4372単位
区分3297単位
区分2188単位
区分1以下171単位

共同生活援助サービス費(Ⅱ)(体験利用)

区分改定後の単位数
区分6717単位
区分5569単位
区分4481単位
区分3410単位
区分2290単位
区分1以下273単位

支援の質の確保

グループホームなどにおいて、地域連携推進会議を設置し、地域の関係者を含む外部の目を定期的に入れる取り組みが運営基準に義務付けされます。なお、2024年度中は経過措置として努力義務扱いとなります。

その他の変更点

施設系・居住支援系サービスについては、その他に以下のトピックで改定や変更がおこなわれています。

  • 夜間看護体制加算の拡充
  • 通院支援に対する評価の創設
    • 通院支援加算の新設
  • 見守り支援機器導入による夜勤職員配置体制加算の要件の緩和
  • 支援の実態に応じた報酬の見直し
    • 人員配置体制加算の新設
    • 日中支援加算(Ⅱ)の見直し
  • 個人単位の居宅介護等の利用の特例的取扱い
  • 自立生活援助における対象者の明確化
  • 集中的に支援が必要な対象者に支援を行った場合の評価
    • 集中支援加算の新設
    • 自立生活援助サービス費(Ⅲ)の新設
    • 定期的な訪問等による支援方法の見直し
  • 人員配置基準の弾力化
    • 相談支援専門員とサービス管理責任者の兼務
    • 従業者の員数の見直し
  • 実施主体の拡充

お役立ち資料:介護報酬改定に備えたい方に

障害居宅系サービス事業所向けに、2024年の障害福祉サービス等報酬改定に関する情報をまとめました。
2024年の介護報酬改定に向けて、事前に準備をしておきたいという方は、ぜひご一読ください。
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