2024年2月6日に開催された障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第45回)にて、2024年の障害福祉サービス等の報酬改定の内容が定められました。本記事では障害福祉サービスのなかでも訪問系サービスの報酬改定について解説します。
なお、障害福祉サービス全体における改定ポイントについては以下の記事で解説をしていますのであわせてご参考くださいませ。
【2024年障害福祉報酬改定】改定ポイントまとめ|最新情報を元に一覧で徹底解説
目次
2024年度の障害福祉サービス等報酬改定の訪問系サービスにおける改定ポイントは以下の通りです。
居宅介護における特定事業所加算において、重度障害児への支援の評価を目的に算定要件の見直しがおこなわれます。居宅介護における特定事業所加算の加算区分および算定要件は以下の通りです。
【特定事業所加算の加算区分】
加算区分 | 算定要件 | 加算率 | |||
1 | 2 | 3 | 4 | ||
特定事業所加算(Ⅰ) | 〇 | 〇 | 〇 | 20% | |
特定事業所加算(Ⅱ) | 〇 | 〇 | 10% | ||
特定事業所加算(Ⅲ) | 〇 | 〇 | 10% | ||
特定事業所加算(Ⅳ) | 〇 | 〇 | 5% |
【算定要件】
- サービス提供体制の整備(研修の計画的実施、情報の的確な伝達等)
- 良質な人材の確保(介護福祉士の割合が30%以上等)
- 重度障害者への対応
(区分5以上である者、喀痰吸引等を必要とする者並びに重症心身障害児及び医療的ケア児の占める割合が30%以上)- 中重度障害者への対応
(区分4以上である者、喀痰吸引等を必要とする者並びに重症心身障害児及び医療的ケア児の占める割合が50%以上)
なお、2024年3月31日時点で特定事業所加算を算定している事業所には、3年間の経過措置期間が与えられます。
現行方針では障害支援区分6の利用者に限られていた重度訪問介護の利用について、障害支援区分4および5の利用者も対象になるよう変更されました。
居宅介護および重度訪問介護について国庫負担基準の見直しがおこなわれます。また、今回の見直しにあわせて、居宅介護では介護保険対象者の区分が追加され、重度訪問介護については介護保険対象者の区分が細分化されます。詳細な単位数は以下の通りです。
【通院等(乗降)介助なし】
区分 | 現行の単位数 | 改定後の単位数 |
障害支援区分1 | 3,040単位 | 3,100単位 |
障害支援区分2 | 3,930単位 | 4,010単位 |
障害支援区分3 | 5,770単位 | 5,890単位 |
障害支援区分4 | 10,850単位 | 11,070単位 |
障害支援区分5 | 17,380単位 | 17,730単位 |
障害支援区分6 | 25,000単位 | 25,500単位 |
障害児 | 9,750単位 | 9,950単位 |
【通院等(乗降)介助あり】
区分 | 現行の単位数 | 改定後の単位数 |
障害支援区分1 | 6,280単位 | 6,410単位 |
障害支援区分2 | 7,130単位 | 7,270単位 |
障害支援区分3 | 9,010単位 | 9,190単位 |
障害支援区分4 | 14,040単位 | 14,320単位 |
障害支援区分5 | 20,570単位 | 20,980単位 |
障害支援区分6 | 28,230単位 | 28,800単位 |
障害児 | 13,010単位 | 13,270単位 |
【介護保険対象者】
区分 | 現行の単位数 | 改定後の単位数 |
障害支援区分5 | – | 1,100単位 |
障害支援区分6 | – | 1,810単位 |
【重度障がい者】
区分 | 現行の単位数 | 改定後の単位数 |
障害支援区分4 | 28,430単位 | 28,940単位 |
障害支援区分5 | 35,630単位 | 36,270単位 |
障害支援区分6 | 50,800単位 | 62,050単位 |
【介護保険対象者】
区分 | 現行の単位数 | 改定後の単位数 |
介護保険対象者全般 | 17,340単位 | – |
障害支援区分4 | – | 14,620単位 |
障害支援区分5 | – | 15,290単位 |
障害支援区分6 | – | 22,910単位 |
訪問系サービスについては、その他に以下のトピックで改定や変更がおこなわれています。