訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 障害者総合支援法
  3. 報酬
  4. 重度訪問介護には2時間ルールが存在しない!理由や居宅介護との違いを徹底解説!

重度訪問介護には2時間ルールが存在しない!理由や居宅介護との違いを徹底解説!

重度訪問介護サービスは、障がい福祉サービスの1つで重度障がい者を対象としており、居宅介護サービスとは支援内容やルールが異なります。

その中の一つが「2時間ルール」です。

今回の記事では、2時間ルールとは何か、重度訪問介護サービスに2時間ルールが適用されない理由などについて解説します。

2時間ルールとは?

2時間ルールとは、2時間以上の間隔を空けずに複数回居宅介護サービスを行った場合、1回のサービスとみなすというものです。

居宅介護サービスを提供する場合、1日に同じような介護を複数回受けるケースが多くありますが、その際は原則2時間以上の間隔を設ける必要があります。

2時間ルールがあることで、1人に対する介護サービスを1日の中に過度に詰め込むことを防げます。

重度訪問介護サービスに2時間ルールはある?

重度訪問介護サービスの場合、2時間ルールは適用されません。

居宅介護サービスは、前もって作成した「介護計画」に基づいてサービスを提供するため、提供可能なサービスの範囲が限られます。

重度訪問介護サービスは居宅介護サービスに比べ、より柔軟かつ長時間のサポートを目的としたサービスになっています。

重度訪問介護サービスはその目的から、介護計画を越えたサービスの提供や2時間ルールに縛られないサービスの提供が可能になっています。

重度訪問介護サービスに2時間ルールがない3つの理由

上記で解説したように、重度訪問介護サービスには2時間ルールが適用されません。

その理由としてさまざまありますが、今回はその中でも主要な3つの理由について解説します。

①居宅介護サービスと比べ対象者の要介護度が高い

該当者は重度の肢体不自由または重度の知的障害もしくは精神障害があり常に介護を必要とする方で、障害支援区分が区分4以上あり、下記の項目いずれかに該当する方になります。

1.二肢以上に麻痺等がある者であって、障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」、「移乗」、「排尿」、「排便」のいずれもが「支援が不要」以外に認定されている者

2.障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者

参考:厚生労働省

上記の項目に該当する必要があるため、通常の居宅介護サービスと比べて重度訪問介護サービスの対象者は要介護度が高くなります。

重度訪問介護サービスの場合は、2時間ルールが適用されると適切なサービスが行われない可能性があるため、重度訪問介護サービスでは2時間ルールは適用外となります。

②総合的な支援を行うことが目的

居宅介護サービスの場合は、自立支援が目的であるため、利用者さんが介助を必要としている部分だけを補う形でサービスを提供します。

しかし、重度訪問介護サービスの利用者さんは常時介護を要するため、食事・排泄・入浴等の身体介護、家事などの生活全般にわたる援助及び外出時における移動支援など総合的な支援が必要です。

そのため、必要な時間に必要なサービスを提供できるようになっています。

③長時間の支援を前提としている

重度訪問介護サービスは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの難病や頸髄損傷など、24時間連続して介護を必要とすることを想定した制度です。

居宅介護サービスは、一般的に想定した時間内であらかじめ決められた内容の介助を行うことができます。

しかし重度訪問介護サービスの場合においては、たんの吸引・体位交換・文字盤などによるコミュニケーションなど、事前にどれくらい時間が必要なのか想定することができず、基本的には長時間の支援となります。

居宅介護サービスと重度訪問介護サービスの違い

ここまで紹介した介護サービスと重度訪問介護サービスの違いは下記のようにまとめられます。

居宅介護サービス

重度訪問介護サービス

2時間ルール

あり

なし

介護内容

「介護計画」に基づいて行う

「介護計画」に加え、その時々で柔軟に対応

対象者

障害支援区分1以上の方

障害支援区分4以上の方

居宅介護サービス

居宅介護サービスは、事前に作成された「介護計画」に基づいて行われるため、2時間ルールが適用されます。

食事・入浴・排泄などの身体介護、調理・洗濯・掃除などの家事援助、生活に関する相談対応などを行います。

対象者は、障害支援区分1以上の障がい者だけでなく、一定の条件を満たす場合においては、障害支援区分2以上も対象となります。

参考:厚生労働省

重度訪問介護サービス

重度訪問介護サービスは、常に介護を必要とするような重度の肢体不自由、重度の知的障がい、精神障がいのある方が、不自由なく日常生活を送れるようにサポートをするサービスです。

重度訪問介護サービスは、24時間連続して介護を必要とすることを想定した制度となっており、上記で解説したように障害支援区分4以上の方かつ一定の条件を満たす方が該当します。

サービス内容は、対象者の要介護度が高くなるため、事前に作成した「介護計画」だけでなく、その時々で必要なサービスを柔軟に行う必要があります。

また、日常生活において全体的な介護が基本的に常時必要なため、2時間ルールは適用されません。

参考:厚生労働省

まとめ

重度訪問介護サービスは、基本的に24時間介護が必要なため、2時間ルールは適用されません。

その他にも基本介護報酬など一般的な居宅介護サービスとは異なる点が多いため、今回紹介した内容をしっかりと理解し、利用者さんに適切なサービスを提供できるようにすることが重要です。

お役立ち資料:障害者総合支援法の理解を深めたい方に

障害者総合支援法について詳しく解説した資料です。
障害者総合支援法について理解を深めたい方や、これまでどのような改定が行われているか確認したい方におすすめです。
詳しく見る