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喀痰吸引等研修を今受けるべき理由は?費用はいくら?受講のメリットとデメリットを解説!

2023-08-03

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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徐々に高齢化率が上昇している日本において、介護施設における喀痰吸引等の医療ニーズは高まりつつあります。喀痰吸引等研修について気になっている経営者も多いのではないでしょうか。

今回は、喀痰吸引等研修の概要と費用、メリットとデメリットについて解説します。この記事を読むことで、喀痰吸引等研修を今受けるべき理由がわかるでしょう。ぜひ、最後までお読みください。

喀痰吸引等研修とは

「喀痰吸引等研修」とは、介護職員が喀痰吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)や経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経菅栄養)のスキルを習得するための研修です。

喀痰吸引等研修を修了することで、自力で痰を出すことが難しい方や、口からの食事ができない方へのサービス提供ができるようになります。

研修が修了した介護職員による喀痰吸引は認められていますが、医師の指示や看護との連携をもとに安全性が保たれていることなど一定の条件は必要です。

 

喀痰吸引等研修の内容

喀痰吸引等研修は基本研修と実地研修で構成され、第1号研修、第2号研修、第3号研修の3パターンに分類されています。各研修の内容について解説します。

 

第1号研修

第1号研修は、不特定多数の利用者に対して喀痰吸引および経管栄養に関する業務をすべて実施できるようになる研修です。厚生労働省の資料には以下のように記載されています。

 

“喀痰吸引及び経管栄養について、対象となる行為のすべてを行う類型”

引用:厚生労働省「喀痰吸引等研修カリキュラム概要 」

 

第1号研修では、基本研修として講義50時間と各行為のシミュレーター演習を実施、実地研修として以下の行為を実際に行います。

 

  • 口腔内の喀痰吸引(10回以上)
  • 鼻腔内の喀痰吸引(20回以上)
  • 気管カニューレ内部の喀痰吸引(20回以上)
  • 胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養(20回以上)
  • 経鼻経管栄養(20回以上)

 

第1号研修に該当する上記の研修を全て修了することで、喀痰吸引や経管栄養などの処置を全て行えるようになります。

 

第2号研修

第2号研修は、不特定多数の利用者に対して喀痰吸引および経管栄養に関する処置の一部を実施できるようになる研修です。厚生労働省の資料には以下のように記載されています。

 

“喀痰吸引(口腔内及び鼻腔内のみ)及び経管栄養(胃ろう及び腸ろうのみ)を行う類型”

引用:厚生労働省「喀痰吸引等研修カリキュラム概要 」

 

第2号研修では、基本研修として講義50時間と各行為のシミュレーター演習を実施、実地研修として以下の行為を実際に行います。

 

  • 口腔内の喀痰吸引(10回以上)
  • 鼻腔内の喀痰吸引(20回以上)
  • 胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養(20回以上)

 

第2号研修に該当する上記の研修を全て修了することで、気管カニューレ内吸引及び経鼻経管栄養を除いた喀痰吸引等の処置を実施できるようになります。

 

第3号研修

第3号研修は、特定の利用者に対して喀痰吸引および経管栄養に関する処置を実施できるようになる研修です。厚生労働省の資料には以下のように記載されています。

 

“実地研修を重視した類型”

引用:厚生労働省「喀痰吸引等研修カリキュラム概要 」

 

第3号研修では、基本研修として講義と演習を9時間実施、実地研修として特定の者に対する必要な

行為についてのみ実施されます。

 

  • 口腔内の喀痰吸引
  • 鼻腔内の喀痰吸引
  • 気管カニューレ内部の喀痰吸引
  • 胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養
  • 経鼻経管栄養

 

第3号研修では、上記の実地研修の中から医師等の評価において受講者が習得すべき知識及び技能と判断されたものを、修得したと認められるまで実施されます。

該当する上記の研修を全て修了することで、特定の利用者に限り喀痰吸引等の処置を実施できるようになります。

喀痰吸引等研修の受講期間

喀痰吸引等研修は、都道府県知事から指定された事業所で開催されています。

研修の開始時期は事業所によって異なりますが、基本研修に要する期間は第1号、第2号研修は8~10日ほど、第3号研修は2日ほどが一般的です。

詳しくは、各喀痰吸引等研修を開催している事業所の窓口へ問い合わせるとよいでしょう。

 

喀痰吸引等研修の費用

喀痰吸引等研修の費用は、開催する事業所によって異なります。一般的には、以下の価格帯が相場となっているようです。

 

  • 第1号および第2号研修……10~20万円程度
  • 第3号研修……5万円程度

 

早めに受講申込を行うことで受講費用が割引される事業所もあるため、各都道府県窓口等で事前に情報収集を行ってから受講の申込を行いましょう。

また、一部の事業者はオンラインで喀痰吸引等研修を開催しています。事前に情報を集めて、自分が利用しやすい方法を選択するとよいでしょう。

 

喀痰吸引等研修を受講するメリット

喀痰吸引等研修を受講することで、利用者の事故リスクを下げる、多くの利用者を受け入れられる、加算を算定できる、といったメリットがあります。各メリットについて解説します。

利用者の事故リスクを下げる

介護職員が喀痰吸引等研修を受講していない場合、喀痰吸引等を実施できるのは看護師か医師のみとなります。しかし、喀痰吸引等は命に関わる重要な処置です。緊急事態に対応できる職員が少ない職場では、それだけ利用者の命を危険にさらす可能性が高いともいえるでしょう。

介護職員も喀痰吸引等研修を受講して、喀痰吸引等を実施できる職員が増えれば、利用者の事故発生リスクを下げられます。

 

多くの利用者を受け入れられる

喀痰吸引等研修の修了者が少ない事業所では、経管栄養やたんの吸引に対応できる職員が少ないことで、要介護度の高い利用者を受け入れられない可能性もあるでしょう。

多くの利用者に対してサービスを提供できるようになるためにも、介護職員が喀痰吸引等研修を受講する必要性は高いといえます。

 

加算を算定できる

介護保険制度や障害者総合支援法では、喀痰吸引等を実施する体制があることで算定できる加算もあります。喀痰吸引等の体制を整えることで算定できる加算は以下のとおりです。

 

【介護保険】

  • 特定事業所加算
  • 日常生活継続支援加算

【障害者総合支援法】

  • 特定事業所加算
  • 喀痰吸引等支援体制加算
  • 医療連携体制加算(Ⅳ)

 

喀痰吸引等研修を修了した職員を配置することで加算を算定して収益が増える点でも、施設にとってメリットが大きいといえるでしょう。また、超高齢社会を迎える中で、介護施設での医療ニーズは高まるといわれています。将来的にも、喀痰吸引等研修を受講するメリットは大きいでしょう。

喀痰吸引等研修を受講するデメリット

喀痰吸引等研修を受講するデメリットはほぼありません。しかし、あえて挙げるとすれば、病院や施設で実地研修を受ける必要がある、登録申請をする必要がある、といったデメリットが挙げられます。各デメリットについて解説します。

 

病院や施設で実地研修を受ける必要がある

喀痰吸引等研修では実地研修を受講する必要があります。実地研修とは、実際に施設の利用者や病院の患者に対して喀痰吸引等を実施する研修です。

自法人内で実地研修を済ませる施設もあれば、研修を開催している事業者と提携している病院等で研修を受ける場合もあります。座学だけで取得できる資格ではないので、受講する人によってはハードルが高く感じる可能性もあります。

しかし、将来的に利用者に対して喀痰吸引等を実施するのであれば、実地研修は必須です。積極的に学ぶ意識で実地研修を受講したほうがよいでしょう。

 

登録申請をする必要がある

喀痰吸引等研修を終了したとしても、すぐに施設で喀痰吸引等の業務を遂行できません。喀痰吸引等研修を修了した際に、「喀痰吸引等研修修了者」として各都道府県窓口へ申請する必要があります。喀痰吸引等研修を受講したら、忘れずに手続きを済ませましょう。

 

今喀痰吸引等研修を受講すべき理由

今、喀痰吸引等研修が注目されています。喀痰吸引等研修が注目されている理由として、介護施設での医療ニーズが高まっている、受講しやすい環境が整っている、という2つの理由が挙げられます。

 

介護施設での医療ケアニーズが高くなる

今後、超高齢社会を迎える日本では、地域の介護施設で医療ケアのニーズが高まりつつあります。厚生労働省の資料「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進(参考資料)」には、医療ニーズが高いことを理由に提供を断られた介護サービスのデータが記載されています。資料によると、通所介護施設で26.3%、訪問介護で10.3%、短期入所生活介護では59.6%もの利用者が「医療ニーズが高い」という理由でサービス提供が断られているようです。2025年は、団塊の世代が75歳以上を迎える節目の年です。高齢者が増加すれば、さらに医療ニーズの高い利用者も増えることが予測されます。今後高まっていく医療ニーズに対処できるように今のうちに喀痰吸引等研修を受講しておく必要性は高いでしょう。

 

参考:厚生労働省 社保審 介護保険部会「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進(参考資料)」

 

受講しやすい環境が整っている

喀痰吸引等研修は、以前と比較して徐々に受講しやすくなっている傾向があります。以前は9日通う必要があった通学も2日間の通学で資格を取得できるようになりました。また、医療的ケア教員を受講した実務経験5年以上の正看護師は、喀痰吸引等研修の講師としての資格を取得できる為、自社で講師を準備して喀痰吸引等研修を実施することも可能です。また、オンラインで参加できる研修もインターネット上で提供されています。

徐々に取得しやすい環境が整いつつあることも、喀痰吸引等研修を今受講すべき理由のひとつです。

 

喀痰吸引等研修のよくある質問

喀痰吸引等研修のよくある質問をまとめました。今後、喀痰吸引等研修を受講しようとお考えの方は、以下の質問と回答をご参照ください。

喀痰吸引等研修には免除制度がある?

介護福祉士実務者研修修了者の場合、喀痰吸引等研修の基本研修が免除される場合もあります。しかし、免除の有無は喀痰吸引等研修を実施する事業所によって異なるため、注意しましょう。免除を受けたい場合は、事前に研修実施事業所に問い合わせてから申し込むとよいでしょう。

介護福祉士であれば喀痰吸引等は実施できる?

介護福祉士の資格を持っているだけでは喀痰吸引等を実施することはできません。ただし、卒業年度によって扱いが異なります。

平成29年の介護福祉士国家試験の受験要件として「医療的ケア」が含まれるようになったため、平成29年以降に介護福祉士になった方は、実地研修のみ受講する必要があります。一方、平成28年以前に介護福祉士国家試験に合格した方は、喀痰吸引等研修の全てを受講する必要があるので注意しましょう。

喀痰吸引等研修は助成金対象となっている?

厚生労働省の「人材開発支援助成金」を申請できます。助成金の内容として、賃金助成が座学1時間あたり760円(380円)で、経費助成が外注費等の45%(30%)となっています。また、自治体によって利用できる助成金もあるので、詳しくは事業所を管轄している自治体の窓口へ問い合わせるとよいでしょう。

 

まとめ

今回は、喀痰吸引等研修の概要と今受けるべき理由について解説しました。介護施設における喀痰吸引等のニーズは高まりつつあります。喀痰吸引等研修を受講しやすい環境も整ってきていることから、喀痰吸引等研修を受講するなら今がよいタイミングといえるでしょう。

喀痰吸引等研修は第1号、第2号、第3号という3種類に分類されており、第1号および第2号研修の受講料は10〜20万円程度、第3号研修は5万円程度が相場です。

喀痰吸引等研修を受講することで、施設内での事故が発生しにくくなるだけでなく、経営面でもメリットが大きいといえます。興味がある方は、ぜひ喀痰吸引等研修を受講するとよいでしょう。

 

参考資料:

厚生労働省「喀痰吸引等研修カリキュラム概要 」

厚生労働省「喀痰吸引等研修」

厚生労働省 社保審 介護保険部会「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進(参考資料)」

ケアたすける「喀痰吸引等研修とは?研修の種類や必要な費用、日数について徹底解説!」

C-ライフラボ「【喀痰吸引等研修】1号2号3号の違い」

C-ライフラボ「【令和3年】喀痰吸引等研修で申請可能な助成金」

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