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精神保健福祉士とは?

精神保健福祉士とは?仕事内容と資格取得方法について解説

2024-03-08

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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精神保健福祉士とは、主に精神科医療や障がい福祉の現場で活躍する専門職です。徐々に活躍の場が広がりつつあり、今後も幅広い分野で活躍が期待されている職種でもあります。そのため、具体的な仕事内容や資格取得方法について知りたい方も多いでしょう。

この記事では、精神保健福祉士の仕事内容や資格取得方法について詳しく解説します。この記事を読むことで、精神保健福祉士の収入や将来性についても把握できます。

精神保健福祉士とは?

精神保健福祉士は「精神保健福祉士法」に基づく国家資格を持った専門職です。精神保健福祉士法上の定義としては、以下のように記載されています。

【精神保健福祉士法での定義】

第二条
この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十八項に規定する地域相談支援をいう。第四十一条第一項において同じ。)の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援助」という。)を業とする者をいう。

引用:e-Gov法令検索「平成九年法律第百三十一号 精神保健福祉士法

精神保健福祉士は、精神科医療分野で活躍する専門職です。精神障がいの治療を受けている方や社会復帰を目指す精神障がい者に対して、相談や助言、日常生活へ適応するための訓練などを実施します。精神保健福祉士には、相談業務や環境調整などによって、精神障がいを抱えた方が自立した日常生活を送れるように支援する役割が求められています。

精神保健福祉士の仕事内容は?

精神保健福祉士は、主に医療現場・障がい児分野・行政分野という3つの場所で仕事をしています。各分野で働き方や仕事内容が大きく異なるため、これから精神保健福祉士として働きたい方は注意しておきましょう。ここでは、各分野で働く精神保健福祉士と仕事内容について詳しく解説します。

医療現場での支援

医療現場で働く精神保健福祉士は、病院受診のサポートや医療機関から社会生活へ移行できるように支援することが主な仕事です。例えば、医療機関での治療を必要としている精神障がい者が適切な治療を受けられるように、受診や入院の調整をする場合もあります。また、すでに入院している方が再び自立した社会生活を送れるように支援することも、医療現場で働く精神保健福祉士の仕事です。

医療現場で働く精神保健福祉士には、精神科医療の高度な専門知識と、外部機関との連携・調整を円滑に進めるスキルが求められるでしょう。

障がい福祉分野での支援

障がい福祉分野は、施設ごとに支援する目的が異なります。そのため、障がい福祉分野で働く精神保健福祉士の仕事内容は、施設によって大きく異なる点が特徴的です。例えば、日常生活を送るための訓練施設では、家事などの基本動作が行えるように支援する必要があります。一方、就労を目的とした訓練施設では、就職に関するアドバイスを行う場合もあるでしょう。

精神保健福祉士が障がい福祉分野で働く場合、各施設ごとで求められる役割に対して、柔軟に対応することが求められます。

行政分野での支援

精神保健福祉士の中には、役所や保健所、保健センターなどで働く方もいます。行政分野で働く精神保健福祉士は、地域を繋ぐネットワークの構築や、行政が実施する障がい者支援計画の立案、住民への普及啓発活動などが主な仕事です。

精神障がい者個人への支援を行うのではなく、地域全体で実施するサポート体制を構築する際の助言や実行が行政分野で働く精神保健福祉士には求められています。

精神保健福祉士の資格を活かせる職場は?

公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施した「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」によると、多くの精神保健福祉士が福祉・医療施設で働いていることがわかりました。一方で、教育施設や司法関係施設で活躍する精神保健福祉士がいる点も理解しておきましょう。

ここでは、精神保健福祉士の資格を活かせる職場を紹介しつつ、各施設で求められる役割について解説します。

障がい福祉施設

障がい福祉施設は、入所系や通所系、訪問系などがあります。各施設の種類については、以下の表をご参照ください。

【障がい福祉施設の種類】

入所系通所系訪問系
  • 施設入所支援
  • グループホーム
  • ショートステイ

など

  • 生活介護
  • 療養介護
  • 就労移行支援

など

  • 居宅介護
  • 同行援護
  • 訪問介護

など

障がい福祉施設で働く精神保健福祉士は、各施設の目的に応じて求められる役割が異なります。例えば、入所系の施設では入所までの支援や自宅復帰へ向けた支援などが求められますが、通所系や訪問系では在宅生活を支えるための相談・援助が主な役割です。各施設の特徴によって、求められる役割が異なる点には注意しましょう。

医療機関

精神保健福祉士が働く職場として、医療機関が挙げられます。具体的な施設には以下があげられます。

【精神保健福祉士が働く医療機関】

  • 精神科病院・精神科有床診療所
  • 精神科以外の病院・有床診療所
  • 無床診療所
  • 訪問看護ステーション など

精神保健福祉士が働く医療機関は、精神科病院だけではありません。在宅生活を支援するための精神科訪問看護や、クリニックなどで働く精神保健福祉士もいます。医療機関で働く精神保健福祉士は、医療と地域との間を繋ぐことが主な役割です。その他の医療専門職や地域にある施設などと連携し、対象者が自立した生活を送れるように支援します。

行政機関

精神保健福祉士が働く現場として、行政機関も挙げられます。行政分野で働く精神保健福祉士の具体的な職場としては以下があげられます。

【精神保健福祉士が働く行政機関】

  • 役場
  • 保健所
  • 福祉事務所
  • 精神保健福祉センター

行政機関で働く精神保健福祉士が、保健所等に相談に来た方の相談に対応する場合もあります。一方で、地域の精神科医療・福祉を支援する仕組み作りにおいて、専門的な観点からアドバイスしていくことも求められる役割のひとつです。

高齢者福祉施設

精神保健福祉士の中には、高齢者福祉施設で働く方もいます。特に、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの入所施設で働く精神保健福祉士が多いようです。主に認知症や精神疾患を抱えた高齢者への支援が、高齢者福祉施設で働く精神保健福祉士に求められる役割です。

教育施設

教育施設で活躍する精神保健福祉士は、スクールソーシャルワーカーと呼ばれています。学校内で発生する「いじめ」や「不登校」といった問題に対して、子供や家族への支援、もしくは教員へのアドバイスなどを行います。

司法関係の施設

司法関係の施設で働く精神保健福祉士は、主に保護観察所や矯正施設などで働いています。精神疾患の影響で罪を犯してしまった方に対して社会復帰支援を行うことが、司法関係施設で働く精神保健福祉士に求められる役割です。

精神保健福祉士を取得する方法は?

精神保健福祉士の資格を取得するには、国家試験の受験資格を得て国家資格に合格する必要があります。また、試験に合格した後に資格登録しなければ精神保健福祉士と名乗れない点には注意しましょう。ここでは、精神保健福祉士資格を取得するための具体的な方法について詳しく解説します。

3つのルートで国家試験受験資格を得る

精神保健福祉士として働くためには、国家試験を受験する必要があります。国家試験の受験資格を得るには、細かく分類すると12通りの方法がありますが、大きく分類すると以下の3通りです。

  • 保健福祉系大学等で指定科目を履修
  • 福祉系大学で基礎科目を履修して短期養成施設で指定科目を履修
  • 一般大学卒業後に一般養成施設で指定科目を履修

以下では各ルートについて詳しく解説していきます。

保健福祉系大学等で指定科目を履修

保健福祉系大学といっても、4年制大学と2〜3年制の短期大学があります。4年制の保健福祉系大学を卒業した場合は、そのまま受験資格を獲得できますが、短期大学を卒業した場合には、1〜2年の実務経験を積まなければいけないため注意しましょう。

福祉系大学で基礎科目を履修して短期養成施設で指定科目を履修

福祉系大学を卒業した場合、短期養成施設で指定科目を履修することで国家試験の受験資格を得られます。また、すでに社会福祉士の資格を保有している方の場合も、短期養成施設を卒業することによって精神保健福祉国家試験を受験できるようになるため覚えておきましょう。

一般大学卒業後に一般養成施設で指定科目を履修

一般大学を卒業した場合は、一般養成施設で指定科目を履修することで精神保健福祉士国家試験の受験資格を得られます。また、すでに相談援助の実務経験が4年以上ある方も、一般養成施設の指定科目履修で国家試験を受験できるようになります。

国家試験に合格後に資格登録をする

国家試験に合格しただけでは精神保健福祉士と名乗ることはできません。精神保健福祉士として働く場合は、国家試験に合格した後に社会福祉振興・試験センターへ資格登録をする必要があるため注意しましょう。

精神保健福祉士についてのよくある疑問

精神保健福祉士の収入や将来性について疑問を持つ方も多いでしょう。また、精神保健福祉士と似た職業である社会福祉士との違いについて気になる方も多いようです。ここでは、精神保健福祉士に関するよくある質問について解説します。

精神保健福祉士と社会福祉士との違いは?

精神保健福祉士と似た職業として、社会福祉士をイメージする方も多いのではないでしょうか。名前も仕事内容も似ている2つの職種ですが、大きく異なる点は対象者の範囲です。

精神保健福祉士の支援対象は心の病や悩みを抱えた人ですが、社会福祉士は身体障がい者や知的障がいのある方なども対象としています。社会福祉士は幅広い対象者に支援をする専門職で、精神保健福祉士は精神障がい者への支援に特化した専門職だと理解しておきましょう。

精神保健福祉士の収入は?

厚生労働省が公開している職業情報提供サイト「jobtag」によると医療ソーシャルワーカーの平均年収は約405万円でした。ただし、このデータには社会福祉士も含まれているため、精神保健福祉士だけの数字ではないことを理解しておく必要があります。

また、平成13年に公益社団法人日本精神保健福祉士協会が行った調査では、平均年収は300~400万円未満との回答が最も多く、次いで200~300万円未満という結果でした。しかし、日本精神保健福祉士協会のデータは古いため、現在の精神保健福祉士の平均年収として考えるには信ぴょう性が足りない部分もあります。

jobtagで公開されている医療ソーシャルワーカーの平均年収と、日本精神保健福祉士協会のデータをあわせて考慮すると、精神保健福祉士の平均年収は約400万円と考えてもよいでしょう。

参考:公益社団法人 日本精神保健福祉協会「日本精神保健福祉士協会員に関する業務統計調査報告

精神保健福祉士の将来性は?

これまで、精神保健福祉士は精神科医療分野での専門職として注目されてきました。しかし、今後さまざまな分野で活躍することが期待されています。

例えば、行政が推進している「ニッポン一億総活躍プラン」の中に、精神障がい者の雇用促進が盛り込まれています。このプランの推進によって、すべての職業能力開発校における精神保健福祉士の配置が進められている最中です。

また、一般企業でのメンタルヘルスが世間に認知されるようになり、精神保健福祉士が一般企業で働く方のメンタルケアをする場面も多くなってきています。今後、さらにメンタルヘルスの重要性が高まっていく可能性は高く、その分野において専門的な支援を行える精神保健福祉士は高いポテンシャルを秘めた職業だといえるでしょう。

まとめ:精神保健福祉士とは精神障がい者の生活を支えるエキスパート

精神保健福祉士は、心の病や悩みを抱えた方に対して、相談や助言などの支援をする精神科医療の専門職です。多くの精神保健福祉士が医療・障がい福祉の分野で活躍していますが、教育機関や司法関係の施設で働く方もいます。

近年、メンタルヘルスへのサポートが一般的になっており、さまざまな場面で精神保健福祉士の専門性が求められるようになってきました。精神障がい者への支援において精神保健福祉士の重要性が高まっていくことはもちろんですが、将来的には障がいを抱えていない方へ精神面でのサポートを行う場面が多くなる可能性もあります。

メンタルヘルスの専門家に興味がある方は、精神保健福祉士として働くことを検討してみることをおすすめします。

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