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作業療法士とは?

作業療法士とは?仕事内容や資格取得方法についてわかりやすく解説

2024-03-05

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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作業療法士は、病院や施設で働くリハビリ専門職です。作業療法士として働きたいと考えている方の中には、具体的な仕事内容や資格の取得方法について知りたい方も多いことでしょう。この記事では、作業療法士の仕事内容や資格の取得方法について詳しく解説します。また、この記事を読むことで、理学療法士との違いや作業療法士の将来性についてもわかります。

作業療法士とは?

作業療法士は、心身に障がいのある人々に対して作業療法を行うリハビリ専門職です。作業療法は、「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われます。

作業療法における作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指します。例えば、食事中に箸を使って食べる行為も作業であり、通勤電車に乗るために切符を買う行為も作業です。私たちは、病気やけがなどの影響により、日常生活を送る際に重要な作業が行えなくなる場合があります。それらの問題に対して、再び作業が遂行できるように支援することが作業療法士の役割です。

また、治療の手段として作業を用いることも作業療法士の特徴のひとつです。例えば、手指の機能が低下している方への治療方法として手芸を用いたり、足腰の筋力強化のために畑作業を利用したりします。

作業療法士の仕事内容とは?

作業療法士は、病気やけがなどの影響で日常生活に問題が発生している方へ作業療法を提供することが主な仕事です。一般社団法人日本作業療法士協会は、作業療法士が維持・改善できる能力として以下の3つを挙げています。

  • 基本的動作能力:運動・精神機能
  • 応用的動作能力:食事、トイレなど生活で行われる活動
  • 社会的適応能力:地域活動への参加、就労・就学

上記の能力を維持・改善するために作業療法を行うことが作業療法士の主な仕事です。具体的な事例として、トイレ動作を獲得するための訓練を実施する、地域活動への参加を目指して外出訓練を行うといったことが挙げられます。

また、作業療法の目的は、3つの能力を維持改善することだけではありません。その人らしい生活を送れるように、生活環境の調整や社会資源の活用について助言することも作業療法士の重要な仕事のひとつです。

作業療法士が活躍する4つの領域

作業療法士は、さまざまな現場で活躍しています。特に作業療法士が活躍する領域は以下の4つです。

  • 身体障がい
  • 精神障がい
  • 老年期障がい
  • 発達障がい

ここでは、作業療法士が活躍する4つの領域について詳しく解説します。

身体障がい

身体障がい領域では、身体機能に障がいを抱えた方に対するリハビリテーションを行います。例えば、事故によって骨折や切断をした方や、脳卒中の影響で片麻痺になった方などが該当します。身体障がい領域は、年齢層もさまざまで対象疾患も幅広いことが特徴的な領域です。

精神障がい

精神障がい領域では、精神機能に障がいを抱えた方へのリハビリテーションを行います。精神障がいを抱えた方は、就労が困難な方や在宅生活が困難な方などのさまざまな課題を抱えた方が多く、個人ごとに解決すべき課題や問題点が大きく異なるのが特徴です。

老年期障がい

老年期障がい領域で活躍する作業療法士は、高齢者特有の疾患や障がいに対するリハビリテーションを行います。老年期は、病気やけがによって何らかの障がいを抱えた場合、若い頃のようにすぐに回復できません。そのため、残存機能を活かすことや地域資源をうまく活用することが重要です。

発達障がい

発達障がい領域で働く作業療法士は、生まれながらの疾患や障がいを抱える子供に対してリハビリテーションを行います。成人した障がい者のように一度獲得した機能を取り戻すのではなく、本来であれば成長過程で得られる能力を新たに獲得できるようにアプローチすることが求められます。一般的なリハビリテーションとは前提条件が異なる点に注意しましょう。

作業療法士の資格を活かせる職場は?

作業療法士として働く場合、病院や介護施設などで働くのが一般的です。ここでは、作業療法士の資格を活かせる職場を紹介しつつ、各施設の特徴と作業療法士に求められる役割について解説します。

一般病院

作業療法士は多くの病院で活躍しています。

例えば、整形外科で働く作業療法士は、手術で一時的に低下した機能を再び獲得して、治療前と同じ生活を送れるように訓練を実施します。

また、脳神経外科で働く作業療法士は、脳卒中の後遺症で手や足が動かなくなった方に対して片手で調理する方法を指導する場合もあるでしょう。一般病院で働く作業療法士は、患者さんごとの状態や環境に合わせて、退院後に自立した生活が送れるように支援していきます。

精神科病院

作業療法士は、精神科治療におけるリハビリ専門職としても有名です。

作業療法士は、対象者の身体機能面だけを評価してアプローチするのではなく、対象者が行う作業を中心に考えて訓練を行います。そのため、作業療法士は身体機能面だけでなく精神機能面にもアプローチ可能です。

精神科病院に入院する方は、精神面での問題から在宅での生活が困難となっている方が多く、入院が長期化する傾向があります。そのため、精神科で働く作業療法士は、患者さんの感情に寄り添いつつ、長期的な目線でリハビリテーションを行うことが求められます。

介護施設

介護施設で働く作業療法士は、高齢者に特徴的な疾患や障がいに対してリハビリテーションを実施します。特に、介護施設で働く作業療法士に期待されている役割は、認知症の方に対するリハビリテーションです。

少子高齢化が加速する昨今において、認知症高齢者の増加が業界全体の大きな課題となっています。作業療法士は、精神面や脳神経に関する専門知識を持っているため、認知症高齢者の在宅生活を支援するリハビリ専門職として注目されています。

障がい福祉施設

障がい福祉施設は、障がいを抱えた方が社会で生活していくための支援を行う施設です。障がい者の就労支援や生活訓練などを行います。

障がい福祉施設で働く作業療法士は、社会復帰に向けた訓練を行っています。特に、障がい者の就労支援を行う場面で、障がいのレベルに合わせて特定の作業が遂行できるように工夫できるのは作業療法士の強みです。障がい者の就労支援は今後も注目されている分野なので、作業療法士が活躍する場面が今後多くなる可能性は高いでしょう。

児童福祉施設

児童福祉施設には、通所支援施設や児童発達支援センターなどの施設があります。児童を相手に訓練を行う場合、成人のようなコミュニケーションでは訓練を実施できない場合もあります。そこで、作業を利用できる作業療法士の存在は重要視されています。

例えば、会話で自分の意思を伝えられない児童がいる場合、無理なトレーニングをすることはできません。場合によってはリハビリを拒否してしまうこともあるでしょう。しかし、作業療法を活用することで、遊びを通して必要な能力を身につけられます。ただ黙々と遊んでいるだけで自然と生活に必要な能力を身につけていく、そのようなアプローチができるのも作業療法が持つ強みのひとつです。

保健所

作業療法士の中には、保健所などの行政機関で働く方もいます。行政機関で働く作業療法士の多くは、健康に関する啓発活動や、障がいを抱える方の相談に対応する業務を担当しています。

身体機能や精神機能など、幅広いジャンルの専門知識を持つ作業療法士は、行政機関において貴重な人材です。

作業療法士になるには?

作業療法士として働くためには、国家試験に合格する必要があります。ただし、国家試験を受験するためには、指定された学校でカリキュラムを受ける必要があるため注意しましょう。ここでは、作業療法士として働く方法について詳しく解説します。

専門学校や大学を卒業する

作業療法士の養成校は、全国に約200校あります。養成校は、大学と専門学校などがあり、就業年限は3年〜4年です。養成校では、医学的な基礎知識や作業療法に必要な専門知識を学び、臨床実習なども行います。

国家試験に合格する

作業療法士の養成校に入学し、決められたカリキュラムを修了することで、国家資格の受験資格を得られます。

作業療法士の国家試験は年に1回実施されます。試験は、養成施設のカリキュラムに沿った内容の問題が出題され、マークシート方式で一般問題80問、実地問題20問の計100問が出題されます。令和3年に行われた試験の合格率は81.3%で、直近6年間の平均合格率は約81.5%です。

作業療法士のよくある質問

作業療法士として働きたい方の中には、理学療法士との違いや収入などについて詳しく知りたい方も多いでしょう。ここでは、作業療法士に関するよくある質問について詳しく解説します。

作業療法士と理学療法士との違いは?

作業療法士について調べていく中で、他のリハビリ専門職との違いが気になる方も多いでしょう。特に、作業療法士と理学療法士は、その違いについて疑問に思う方が多くいらっしゃいます。作業療法士と理学療法士の違いについては、以下の表をご参照ください。

【作業療法士と理学療法士の違い】

作業療法士理学療法士
目的自立した日常生活能力の獲得や社会復帰を目指す立つ、歩くなど、日常生活で求められる基本動作の獲得と身体機能の回復
対象者身体機能面を精神機能面に障がいを抱えた方心身機能面に障がいを抱えた方
方法作業療法を実施運動療法や物理療法を実施

特に、整形外科などの病院で働く作業療法士は、身体機能面の改善を求められます。そのため、理学療法士との違いがわかりにくいようです。

仮に、作業療法士と理学療法士が同じようなアプローチをしていたとしても、作業療法士は対象者の作業に焦点を当ててアプローチするのに対し、理学療法士は対象者の身体に焦点を当ててアプローチしています。同じような訓練をしていたとしても、目的や視点が異なる点は理解しておきましょう。

作業療法士の収入は?

厚生労働省が公開している職業情報提供サイト「jobtag」によると、作業療法士の平均年収は約430万円です。また、同サイトに掲載されているハローワーク求人統計データでは、平均月収が約25万円で、有効求人倍率が4.1倍と掲載されています。

作業療法士に向いている人の特徴は?

作業療法士に向いている人の特徴として、以下の3つが挙げられます。

  • 人に興味がある
  • 根気強く対象者と向き合える
  • 冷静に物事を考えられる

作業療法士は、作業という観点から人を理解することが重要な職業です。そのため、対象者がどんな生活をしているのか、何に興味を持っているのか、などの情報にどれくらい興味を持てるかが作業療法において重要なポイントでもあります。

また、根気強さも重要です。リハビリテーションは時間をかけて効果を実感するものです。すぐに効果が見えないことでモチベーションが低下してしまうと、続けていくのが難しい業界でもあります。根気強く対象者と向き合って訓練していけることも作業療法士に求められる素質のひとつです。

冷静に物事を考えられる方も向いています。作業療法は、科学的根拠に基づいて行われる治療法です。そのため、冷静に物事を考え、論理的思考に基づいて行動できる方は作業療法士として向いているでしょう。

作業療法士の将来性は?

超高齢社会を迎える日本において、作業療法士は重要なスキルを持っています。特に、認知症高齢者が増加する問題に対して、中心的に活躍できるほどのポテンシャルを持っています。また、作業という観点からアプローチできるので、心身機能だけでなく精神面にもアプローチできることも作業療法が持つ強みのひとつです。

特に、現代人のメンタルヘルスに対する意識が高まりつつあることで、教育現場や一般企業など、幅広い分野で活躍できる可能性もあります。作業療法士は、医療・福祉の業界で活躍し続けられることはもちろんですが、これまでになかった分野での活躍も期待できる職業です。

まとめ:作業療法士は今後さらに活躍の場が広がっていく

作業療法士は、人が日常生活を送る上で求められる「作業」に焦点を当ててリハビリテーションを行う専門職です。作業療法士は、心身機能面だけでなく精神機能面にもアプローチできるため、さまざまな領域で活躍しています。

作業療法士は、作業に焦点を当ててアプローチを行うため、医療・介護に限らずさまざまな分野で活躍できるポテンシャルを持った職業です。将来的にやってくる高齢社会で活躍できることはもちろんですが、教育機関や一般企業での活躍も期待されています。将来性とやりがいのある専門職を探している方には、作業療法士として働くことをおすすめします。

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