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【2024年改定対応】科学的介護推進体制加算(LIFE加算)とは?算定要件や注意点をわかりやすく解説

2024-07-02

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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科学的介護推進体制加算は2021年の介護報酬改定で創設された、科学的介護に取り組む施設を評価する加算です。算定するためには、提出すべき利用者情報やデータの提出頻度などの細かい算定要件が決められており、詳しい算定要件がわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、科学的介護推進体制加算の算定要件について解説します。この記事を読むことで科学的介護推進体制加算を算定するメリットや注意点についてもわかるのでぜひ参考にしてください。

目次

科学的介護推進体制加算(LIFE加算)とは?

LIFE活用のイメージ

科学的介護推進体制加算とは、LIFE(科学的介護情報システム)へのデータ提出とフィードバックの活用により、PDCAサイクルの推進とケアの質の向上を図る取り組みを評価する加算です。2021年度の介護報酬改定にて、LIFEの導入と同時に創設されました。

これまでの介護業界では、経験豊富な介護職員の意見をもとに介護サービスを提供している施設が多く、提供している介護サービスの有効性について客観的に評価できない仕組みになっていました。

介護施設で提供する介護サービスの質を底上げするために注目されているのが科学的介護です。科学的介護とは、ビッグデータによる科学的根拠に基づいて介護サービスを提供することをいいます。全国の介護施設で科学的介護を推進するために導入されたシステムがLIFEであり、LIFEの導入によって算定できる加算のひとつが科学的介護推進体制加算です。

なおLIFE(科学的介護情報システム)については、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

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LIFE(科学的介護情報システム)とは?導入手順や加算について徹底解説

科学的介護推進体制加算を算定できるサービスは?

科学的介護推進体制加算を算定できる介護サービスは以下の通りです。

通所系・居宅系・多機能サービス

  • 通所介護
  • 通所リハビリテーション*¹
  • 特定施設入居者生活介護*¹
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護*¹
  • 小規模多機能型居宅介護*¹
  • 認知症対応型共同生活介護*¹
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護

*¹:介護予防を含む

施設系サービス

  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 介護老人福祉施設
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

2024年度の介護報酬改定における影響は?

2024年度介護報酬改定のポイント

2024年の介護報酬改定では、LIFEを活用した質の高い科学的介護を推進していく観点から、以下の3点について見直しがおこなわれました。それぞれ詳しく解説していきます。

LIFEの項目入力がより簡単に

2024年の介護報酬改定で見直されるポイントのひとつに、LIFEの入力項目の定義の明確化およびほかの加算と共通する項目の選択肢が統一されます。

算定要件にLIFEへのデータ提出が含まれる加算には個別機能訓練加算(Ⅱ)やADL維持等加算などがあります。データ入力が必要な項目は加算によって異なりますが、中には共通してデータ入力が必要な項目も存在します。

介護報酬改定を経て、複数の加算で重複している項目の整理・統合や、評価指標・評価方法をできるだけそろえられる見込みであるため、データ入力の負担軽減が期待できるでしょう。

LIFEへのデータ提出頻度はより高く求められるように

従来までLIFEへのデータ提出の頻度は少なくとも6ヵ月に一回とされていましたが、2024年度の介護報酬改定にて少なくとも3ヵ月に一回に変更される見込みです。

データ提出頻度が高く求められるようになった背景には、今まで以上に質の高い科学的介護を推進していくことがあげられます。LIFEはビッグデータを活用し分析をおこなっているため、情報収集のペースが加速することで分析の精度が高まり、施設や事業所へのフィードバック提供がより充実していくことが期待できるでしょう。

複数の加算におけるデータ提出をまとめておこなうことが可能に

従来までLIFEへのデータ提出の頻度は加算ごとに異なっていたため、介護現場ではデータ提出のための業務負担が課題となっていました。

しかし、2024年度の介護報酬改定改定によって、複数の加算のためのデータ提出をまとめておこなうことが可能になります。また、一定の条件を満たしていればデータ提出の頻度をそろえることを目的に、データ提出期限に猶予期間が与えられるようになりました。

2024年4月22日に令和6年度版のシステムがリリース

2024年4月22日より、令和6年度版LIFEシステムがリリースされる見込みです。システムのリリースは以下のスケジュールでおこなわれます。4月11日以降、新システムへの移行までデータの入力ができないため、4月中の加算算定を検討している方は注意が必要です。

【現行システムのスケジュール】

日程スケジュール
~2024年4月10日通常稼働
2024年4月11日~7月末日これまでに入力されたデータの参照のみ可能
2024年8月1日サービス終了

【令和6年度版LIFEシステムのスケジュール】

日程スケジュール
2024年4月22日稼働開始
(2024年7月31日までは利用者情報およびADL維持等情報のみ登録可能)
2024年8月1日本格稼働開始
(令和6年度改定対応の様式情報の登録が可能に)

なお2024年度の介護報酬改定については、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

関連記事

【2024年介護報酬改定】改定ポイントまとめ|最新情報を元に一覧で徹底解説

科学的介護推進体制加算の単位数や算定要件は?

科学的介護推進体制加算の単位数や算定要件は、サービス種別によって異なります。加算区分が分かれることがあるので、詳しく確認していきましょう。

通所系・居宅系・多機能サービス:40単位/月

算定要件は以下の通りです。

  • 利用者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の利用者の心身の状況等に係る基本的な情報を、LIFEを用いて厚生労働省に提出していること
  • 必要に応じて通所介護計画を見直すなど、サービスの提供に当たって、上記の情報、その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること

介護老人保健施設・介護医療院

介護老人保健施設・介護医療院における科学的介護推進体制加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれます。算定要件は以下の通りです。

科学的介護推進体制加算(Ⅰ):40単位/月

  • 入居者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他入居者の心身の状況等に係る基本的な情報を、LIFEを用いて厚生労働省に提出していること
  • 必要に応じて施設サービス計画を見直すなど、サービスの提供にあたり上記の情報その他サービスを適切且つ有効に提供するために必要な情報を活用していること

科学的介護推進体制加算(Ⅱ):60単位/月

  • 入居者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他入居者の心身の状況等に係る基本的な情報に加えて、入居者ごとの疾病状況等の情報を、LIFEを用いて厚生労働省に提出していること
  • 必要に応じて施設サービス計画を見直すなど、サービスの提供にあたり上記の情報その他サービスを適切且つ有効に提供するために必要な情報を活用していること

介護老人福祉施設

介護老人福祉施設における科学的介護推進体制加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれます。算定要件は以下の通りです。

科学的介護推進体制加算(Ⅰ):40単位/月

  • 入居者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他入居者の心身の状況等に係る基本的な情報を、LIFEを用いて厚生労働省に提出していること
  • 必要に応じて施設サービス計画を見直すなど、サービスの提供にあたり上記の情報その他サービスを適切且つ有効に提供するために必要な情報を活用していること

科学的介護推進体制加算(Ⅱ):50単位/月

  • 入居者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他入居者の心身の状況等に係る基本的な情報に加えて、入居者ごとの疾病及び服薬の状況等の情報、LIFEを用いて厚生労働省に提出していること
  • 必要に応じて施設サービス計画を見直すなど、サービスの提供にあたり上記の情報その他サービスを適切且つ有効に提供するために必要な情報を活用していること

科学的介護情報システム(LIFE)とは?

科学的介護情報システム(LIFE)は、介護施設から利用者の状態やケア内容を提出し、施設ごとにフィードバックを届ける情報システムのことです。科学的介護推進体制加算を算定するためには、LIFEに関することも理解しておく必要があります。

ここでは、LIFEを利用するうえで理解しておくべきことについて解説します。

LIFEへ提出するデータ項目

科学的介護推進体制加算を算定するためには、LIFE上で提出しなければいけない情報が決められています。LIFEに提出しなければいけないデータは以下のとおりです。

科学的介護推進体制加算を算定するために必要なデータ項目

データ種別データ項目
基本情報
  • 保険者番号
  • 被保険者番号
  • 事業所番号
  • 生年月日
  • 性別
総論
  • 既往歴
  • 服薬情報
  • 同居家族等
  • 家族等が介護できる時間*²
  • 食事
  • 椅子とベッド間の移乗
  • 整容
  • トイレ介助
  • 入浴
  • 平地歩行
  • 階段昇降
  • 更衣
  • 排便コントロール
  • 排尿コントロール
口腔・栄養
  • 身長
  • 体重
  • 低栄養状態のリスクレベル
  • 栄養補給法
  • 経口摂取
  • 嚥下調整食の必要性
  • 食事形態
  • とろみ
  • 食事摂取量
  • 必要栄養量
  • 提供栄養量
  • 血清アルブミン値
  • 口腔の健康状態
  • 誤嚥性肺炎の発症・既往
認知症
  • 認知症の診断
  • 日常的な物事に関心を示さない
  • 特別な事情がないのに夜中起き出す
  • 特別な根拠もないのに人に言いがかりをつける
  • やたらに歩きまわる
  • 同じ動作をいつまでも繰り返す
  • 意思疎通

*²:科学的介護推進体制加算(Ⅱ)を算定する場合

LIFE上で提出しなければいけない情報は、基本情報だけでなくADLの状況や認知症に関する情報など、専門的な知見が求められる場合もあります。

LIFEを活用したPDCAサイクルの実行が算定要件として必要

LIFEを導入して、定期的にデータを提出している施設には、フィードバックが毎月送られてきます。送られてきたフィードバックのデータを参考にサービス内容を検討しましょう。

ただし、データを正しく提出していない場合は、フィードバックを受け取ることができません。場合によっては、きちんとフィードバックを受けているか実地指導で確認される可能性もあるため注意しましょう。なお、受け取れるフィードバックの内容に関しては、厚生労働省の公式サイトで事例が公開されています。

参考:厚生労働省「事業所フィードバック 科学的介護推進体制加算

科学的介護推進体制加算を算定するメリット

科学的介護推進体制加算を算定するメリットは、加算の算定によって施設の収益が増加するだけではありません。事業所運営においても、さまざまなメリットがあることを理解しておきましょう。

ここでは、科学的介護推進体制加算を算定するメリットについて詳しく解説します。

介護サービスの質が向上する

LIFEから受け取ったフィードバックをもとにサービス内容を見直すことで、施設で提供する介護サービスの質が向上します。

介護サービスの質が向上することで利用者の健康状態が改善し、満足度も向上します。それにより、長く施設をご利用いただける可能性が高くなるでしょう。利用者が長く利用することで、安定して施設を運営できます。

業務効率が向上する

LIFEにデータを提出するためには、事業所内のシステムを見直し、ICT化を推進する必要があります。科学的介護推進体制加算をきっかけにICT化が進み、施設内の業務効率が改善する効果も期待できるでしょう。

介護職員の採用強化につながる

科学的介護推進体制加算を算定することで、施設の収益が増加します。収益の増加によって職員の賃金改善を行いやすくなるでしょう。

職員の賃金が改善することで、既存職員の離職防止や新職員の採用力の強化にもつながります。人材確保のためにも、科学的介護推進体制加算の算定をおすすめします。

科学的介護推進体制加算を算定する際の注意点

科学的介護推進体制加算を算定する際に注意すべきポイントは2つです。

今回ご紹介する注意点を理解せずに科学的介護推進体制加算を算定した場合、後でトラブルが発生する可能性があります。ここで紹介する注意点は、必ず理解しておきましょう。

科学的介護推進体制加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の併算定はできない

施設系サービスで算定できる科学的介護推進体制加算には、算定要件の異なる科学的介護推進体制加算(Ⅰ)と科学的介護推進体制加算(Ⅱ)があります。しかし、この2つの科学的介護推進体制加算を同時に算定することはできません。

施設系サービスで科学的介護推進体制加算を算定する際には、算定要件を確認して(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらを算定できるか事前に確認しましょう。

利用者負担が大きくなる

新たに科学的介護推進体制加算を算定する場合、利用者の自己負担額が大きくなる点には注意しましょう。

特に、科学的介護推進体制加算は利用者が受けるサービス内容がすぐに変化する加算ではありません。そのため、利用者は「自分たちのデータを提出するだけなのに、なぜ自己負担額が大きくなるのか?」と疑問を持つ可能性もあります。

利用者が混乱しないように、科学的介護を推進することで利用者にとってメリットがあることを丁寧に説明しなければいけません。利用者への説明や同意を得る過程で業務負担が大きくなることは理解しておきましょう。

科学的介護推進体制加算についてのQ&A

科学的介護推進体制加算について、データ提出の方法や緊急時の対処方法が気になる方も多いでしょう。ここでは、厚生労働省のQ&Aをもとに、科学的介護推進体制加算へのよくある質問について回答します。

やむを得ずデータを出せない場合はどうしたらよい?

やむを得ずLIFEへのデータ提出をおこなえない場合でも、科学的介護推進体制加算の算定は可能です。なお、ここでいうやむを得ない場合には、以下のような状況が当てはまります。

【やむを得ない場合の例】

  • 通所サービスの利用者について、情報を提出すべき月において、当該月の中旬に評価を行う予定であったが、緊急で月初に入院することとなり、当該利用者について情報の提出ができなかった場合
  • データを入力したにもかかわらず、システムトラブル等により提出ができなかった場合
  • 全身状態が急速に悪化した入所者について、必須項目である体重等が測定できず、一部の情報しか提出できなかった場合

上記のような状況になった場合は、仮に情報の全てを提出できなかったとしても科学的介護推進体制加算の算定が可能です。ただし、情報を提出できなかった理由については、介護記録等に明記しなければいけないため注意しましょう。

LIFEへのデータ提出を忘れてしまったらどうなる?

LIFEへのデータ提出を期日までに行えなかった場合、科学的介護推進体制加算は算定できません。また、科学的介護推進体制加算に限らず、LIFEへのデータ提出が要件に含まれる加算はすべて算定できなくなります。

2024年の介護報酬改定から提出頻度が増え、事業所の負担は増えてしまいましたが、確実にデータを提出できるように、業務内で常に確認しておきましょう。

LIFEへのデータ提出期限はいつまで?

LIFEへのデータ提出は、翌月の10日までにおこなう必要があります。

例えば、6月分として科学的介護推進体制加算を算定する場合、7月10日までにLIFEへのデータ提出をおこなわなければいけません。

データ提出に対しての利用者の同意は必要?

通常、個人情報を取り扱う場合には、利用者へ同意を得る必要があります。しかし、新たにLIFEを導入してデータを提出する場合、利用者からの同意を得る必要はありません。なぜなら、データを提出するLIFEのシステム上では、匿名化した情報しか送られないからです。

そのため、加算の算定に関する同意は必要になりますが、個人情報の提出について利用者から同意を得る必要はありません。

加算算定への同意を得られない利用者がいたら算定はできない?

加算の算定について同意が得られない利用者がいた場合でも、科学的介護推進体制加算を算定することは可能です。

ただし、加算を算定できる利用者は同意を得られた利用者に限定されます。同意を得られなかった利用者に対しては算定できないため注意しましょう。

まとめ:科学的介護推進体制加算の算定を積極的に進めましょう

この記事では、科学的介護推進体制加算の算定要件や注意事項について詳しく解説しました。

科学的介護推進体制加算とは、LIFEを導入して科学的介護に取り組む施設が算定できる加算です。科学的介護推進体制加算を算定するためには、LIFEを導入して定期的に利用者情報を提出し、フィードバックを受け取る必要があります。

科学的介護推進体制加算を算定することで、介護サービスの質や業務効率が向上し、介護人材の人材確保にもつながる効果が期待できます。一方で、新たな加算の算定で利用者負担が大きくなることや、データ提出が遅れると算定できなくなる点には注意しなければいけません。

政府は科学的介護を今後も推進していく方針です。今後も介護報酬改定にて見直しがおこなわれ対応に追われる可能性もありますが、将来的な視点をもとにいち早くLIFEを導入して、積極的に科学的介護推進体制加算を算定することをおすすめします。

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