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LIFE(科学的介護情報システム)とは?導入手順や加算について徹底解説

2024-01-31

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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LIFE(科学的介護情報システム)は、2021年に全国の介護施設で導入されました。しかし、LIFEを導入するメリットや導入手順がわかりにくいため、LIFEを取り入れられない介護施設も多いでしょう。

この記事では、LIFEの導入手順や取得できる加算について解説します。この記事を読むことで、LIFEの導入によって得られるメリットや具体的な導入手順が把握できます。

LIFE(科学的介護情報システム)とは

LIFEとは、全国の介護施設で記録されている利用者の状態やケアの内容に関するデータを収集し、蓄積したデータに基づいてフィードバックを行う情報システムのことです。

これまで、介護士は技術職として成り立ってきました。そのため、施設内で提供する介護サービスについてベテラン職員の経験則で判断することも多く、客観的な事実に基づいて介護サービスの質を改善しづらい傾向があります。また、新人教育もOJTが中心なので、新しい価値観を取り入れにくい風潮もありました。

介護施設における介護サービスの質を底上げするためには、客観的な視点に基づいてサービス内容を見直す必要があります。そこで、注目されているのが科学的介護です。科学的介護とは、ビッグデータによる科学的な根拠に基づいた介護サービスの提供を目指すものです。科学的介護を導入することで、客観的事実に基づいた介護サービスを提供でき、介護施設における介護サービスの質を底上げする効果が期待されています。

LIFEは2021年の介護報酬改定で導入され、全国の介護施設で徐々に広まりつつあります。厚生労働省でも、科学的介護をさらに推進していく方針が示されているため、今後LIFEを活用する機会が増えていく可能性があります。

LIFEによる科学的介護を行うメリット

LIFEによる科学的介護を行うことで、介護サービスの質が向上し利用者満足度の向上に繋げられるメリットがあります。また、新たな加算取得に繋がり、収益性が向上することもメリットのひとつです。ここでは、LIFEによる科学的介護を行うメリットについて解説します。

科学的根拠に基づいた介護が行えるようになる

介護業界は、経験則によるサービス提供が中心だったため、客観的な指標に基づいてサービス内容を見直しづらい特徴がありました。また、経験則によるサービス提供の場合、各施設ごとに提供しているサービスの質も異なってしまうため、利用者が混乱し不利益を被る可能性もあります。このような問題を解決するためには、LIFEが有効です。

LIFEを導入することで、定期的にフィードバックを受け取れます。受け取ったフィードバックをもとにPDCAサイクルを回すことで、施設内で提供している介護サービスの質が向上していきます。科学的根拠に基づいた介護サービスの提供によって、介護サービスの質が向上し、利用者満足の向上も期待できるでしょう。

利用者満足度の向上は施設運営においても重要なポイントです。そのため、科学的根拠に基づいた介護サービスは、施設運営においても効果的であることを理解しておきましょう。

科学的介護推進体制加算などを取得できる

LIFEを施設に導入することで、多くの加算を取得できるメリットもあります。

介護施設が取得できる加算の中には、LIFEへのデータ提出を算定要件としているものもあります。それらの加算を取得できることもLIFEによる科学的介護を行うメリットのひとつです。

LIFEの活用が要件に含まれる加算一覧(居宅サービス関連)

  • 科学的介護推進体制加算
  • 個別機能訓練加算(Ⅱ)
  • ADL維持等加算(Ⅰ)
  • ADL維持等加算(Ⅱ)
  • リハビリテーションマネジメント加算(A)
  • リハビリテーションマネジメント加算(B)
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)
  • 排泄支援加算(Ⅰ)
  • 排泄支援加算(Ⅱ)
  • 排泄支援加算(Ⅲ)
  • 栄養アセスメント加算
  • 口腔機能向上加算(Ⅱ)

参考:厚生労働省「LIFE(改定の方向性)」

LIFEの導入によって算定できる加算の代表的なものとして、科学的介護推進体制加算があります。

科学的介護推進体制加算は、他の加算と違いLIFEへデータを提出してフィードバックを受け取るだけで、施設を利用しているすべての利用者に対して算定できる加算です。利用者全員に算定できるため、施設運営において大きな影響を与える加算ともいえるでしょう。

施設で算定できる加算が増加することで、施設の収益も増加します。施設の収益を向上させて施設運営が安定する点も、LIFEを導入する大きなメリットのひとつです。

なお科学的介護推進体制加算については、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。


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科学的介護推進体制加算(LIFE加算)とは?算定要件や注意点についてわかりやすく解説!

LIFEを導入する手順

LIFEは、すべてオンライン上で手続きが完了します。ただし、PCの環境設定や暗号化キーの取り扱いなど、注意すべき点も多くあります。ここでは、LIFEを導入する手順と注意点について解説します。

1.LIFEのWebページから申し込む

初めてLIFEを導入する場合、まずは利用するPCやブラウザの環境について確認しておきましょう。PCの環境によっては、そもそもLIFEが利用できない可能性もあります。

例えば、LIFEを利用するブラウザは「Microsoft edge」でなければいけません。その他、Cookieの設定など、LIFEの導入マニュアルを確認しながら環境を設定していく必要があります。

PCの環境設定に問題がないことを確認したら、公式サイトから申し込みましょう。申し込み後に、厚生労働省から利用開始に必要な情報が記載されたハガキが送付されます。

環境が整っていなければLIFEを利用できないため、最初にPCの環境設定を確認することが重要です。厚生労働省が公開しているマニュアルを確認しても設定ができない場合は、PCに詳しい人へ相談して設定してもらいましょう。

2.起動アイコンをダウンロードする

申し込みから数週間後に、厚生労働省から「科学的介護情報システム(LIFE)に関するお知らせ」が送られてきます。

「科学的介護情報システム(LIFE)に関するお知らせ」には、起動アイコンをダウンロードできるURLと初回ログインのパスワードが記載されているため、それらを使って起動アイコンをPCにダウンロードしましょう。

3.LIFEにログインし端末情報と操作職員を登録する

PCにダウンロードした起動アイコンからLIFEにログインして、パスワードの設定、端末登録、操作職員などの登録を行います。

最初の設定を間違うと修正が難しくなる場合もあるため、マニュアルを確認しながら丁寧に設定しましょう。

特に、暗号化キーの設定は重要なポイントです。暗号化キーがわからなくなってしまった場合、データを復元するのが難しくなります。暗号化キーの取り扱いは、特に注意しておきましょう。

4.利用者の情報を入力して定期的にデータを提出する

端末情報や職員情報を登録できたら、実際に利用者の情報を入力していきましょう。すでに請求管理ソフト等を導入している場合、CSVで一気に利用者の情報を転記する方法もあります。

また、算定している加算によって提出すべきデータが異なる点には注意しなければいけません。算定している加算と算定に必要なデータを確認しつつ、必要に応じてADL評価や機能訓練計画などの情報を更新していきましょう。

LIFEデータ提出時のポイント

LIFEにデータを提出する際には、データ提出の頻度や提出方法に注意しましょう。特に、LIFE導入前にデータの提出方法を確認しておかなければ、業務負担が増大してしまう可能性もあるため注意が必要です。ここでは、LIFEデータ提出時のポイントについて解説します。

データを提出する頻度は加算ごとに異なる

LIFEを導入して加算を算定する場合、加算ごとの細かい要件に注意しましょう。特にデータを提出すべき頻度とタイミングには注意が必要です。

加算の算定要件として、6ヶ月に1回以上のデータ提出を求められる加算と、3ヶ月に1回以上データ提出を求められる加算があります。

加算ごとのデータ提出頻度は以下のとおりです。

加算ごとのLIFEデータ提出頻度

科学的介護推進体制加算:少なくとも6か月に1回
ADL維持等維持等加算 :6か月ごと
その他の加算 :少なくとも3か月に1回

参考:厚生労働省「LIFE(改定の方向性)」

厚生労働省では、2024年に実施される介護報酬改定でもLIFEに関する内容が議論されています。
その議論の中で「LIFEのデータ提出頻度をすべて3ヶ月ごとに1回と統一してはどうか」という案も検討されています。

まだ検討段階ではありますが、今後の議論によってはLIFEのデータ提出頻度が変更される可能性もあるため、注意しておきましょう。

データの提出方法は2パターンある

LIFEにデータを提出する際には、CSVファイルを取り込んで提出する方法と、LIFEに直接手入力する方法のどちらかで提出しなければいけません。

両パターンの提出方法については以下の表をご参照ください。

LIFEにデータを提出する方法

CSVファイルで提出

直接入力して提出

①トップ画面で「外部データ取込」を選択
②「参照」ボタンをクリックし、LIFE対応の介護ソフト等から出力したCSVファイルを選択
③「取込」ボタンをクリック
④様式情報の入力

①必須項目(必要に応じて任意項目)を入力
②トップ画面で「様式情報管理」を選択
③サービス種類を選択する
④ケア記録の様式情報を登録、および介護サービス利用者の利用者IDをクリック
⑤登録する様式のタブを選択し、「新規登録」ボタンをクリック
⑥登録する様式の情報を入力し、完了後「登録」ボタンをクリック

参考:厚生労働省「LIFE 操作説明書」

事業所によっては、LIFEを導入する前に別な管理ソフトを導入している可能性があります。その場合、データ入力が二度手間になってしまうこともあるでしょう。
そのような手間を省くために、CSV入力の機能が用意されているのです。

CSV出力機能を搭載していない管理ソフトを利用している場合、LIFEへの入力作業が負担になる可能性もあるため事前に確認しておきましょう。

LIFEを導入するデメリット

LIFEを導入する際には、利用者の自己負担額が増加し、業務システムを見直す必要があることも理解しておきましょう。ここでは、LIFEを導入する際のデメリットについて解説します。

利用者の自己負担額が増加する

LIFEの導入によって新たに加算を算定する場合、利用者の自己負担額が増加します。

利用者負担が大きくなることに対して、利用者から不満が出てくる可能性もあるでしょう。また、利用料金の変更によって、利用者全員へ経緯を説明して同意を得る必要があります。

同意を得るために複数のスタッフが動かなければならず、業務負担が増大する点も理解しておきましょう。

事業所内の業務システムを見直す必要がある

LIFEを導入する前に独自の業務システムを導入している場合、一度業務内容を見直さなければいけない点にも注意が必要です。

LIFEを導入することで変化する業務は、データ入力作業だけではありません。毎月送られてくるフィードバック内容を確認したり、LIFE入力に必要な評価を定期的に実施したりといった業務も求められてきます。

すでに決められた業務システムで動いている場合、その業務内容の中に組み込めるのか検討しなければいけません。場合によっては、業務システム全体を見直さなければいけない可能性もあるでしょう。

まとめ:将来性を考えて早めにLIFEを導入しましょう

この記事では、LIFEの導入手順やLIFEによって取得できる加算について解説しました。

LIFEとは、全国の介護施設で記録されている利用者の状態やケアの内容に関するデータを収集し、蓄積したデータに基づいてフィードバックを行う情報システムのことです。

これまで経験則に基づいて提供されることが多かった介護施設では、客観的なデータに基づいて介護サービスを行う科学的介護が必要とされています。多くの施設で科学的根拠に基づいた介護サービスを提供できるようにLIFEが導入されました。

LIFEを導入することが算定要件になっている加算も多く、介護施設の運営においても導入するメリットは大きいといえます。

さらに、将来的に予測されている超高齢社会に向けて、政府は全国の施設でLIFEを推進していこうと考えています。

将来的に考えてもLIFEを導入するメリットが大きいため、まだ導入できていない施設は早めに取り入れることをおすすめします。

 

参考資料:
厚生労働省「LIFE(改定の方向性)」
厚生労働省「LIFE 操作説明書」
厚生労働省「LIFE 導入手順所」
熊本県「令和3年度介護報酬改定における改定事項について(LIFE関係抜粋)」
厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)による科学的介護の推進について」

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