この記事では、介護報酬改定に向けて議論される中でよく出て来る【介護現場のデジタル化】についてポイントをご紹介いたします。
令和2年9月23日にデジタル改革関係閣僚会議という会議が開催されました。
介護分野でも、サービス担当者会議やモニタリング、多職種連携などのビデオ会議での実施を認める特例がありましたが、官邸が大きな方向性を示したことで、2022年4月の改定で厚生労働省が思い切った手を打つ可能性が高くなります。
実際、25日に公表した令和3年度予算の概算要求には十分なシステム開発費の確保を図るという方針を打ち出しており、居宅介護支援事業所からのケアプランの交付、介護サービス事業所からの実績の報告などのシステム開発を図り、早ければ2022年度から運用を開始したいということで審議が進んでいました。
人材不足が深刻である中、新型コロナウイルスの世界的流行を受け、介護業界では更なる人員不足に陥る状況となっています。
このような中、災害対策等が次期報酬改定に盛り込まれる見通しとなっており、業務効率化は大きなキーワードになっています。
昨年度に取りまとめられている令和2年度概算要求額で、介護保険に係る申請手続のオンライン化を実施し、その利用を推進していくに当たって保険者のシステム改修等を支援するという方針を打ち出していました。
今回、施設・事業所の新規指定の手続きにも対応させるべく、情報公表システムを更に拡充する計画で、将来的には介護報酬の請求に関する書類のWeb入力、電子申請の実現も目指していくとしています。
新型コロナウイルスの流行を踏まえた介護事業所の運営基準などの臨時的な特例のうち、ICTの活用促進につながるものの恒久化を本格的に検討していくとしています。
◇第184回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料
サービス担当者会議、各種加算の算定要件となっている多職種会議、ケアマネジャーのモニタリングなどについて、例えばWeb会議ツールのみの運用を平時から認めるか否かに注目が集まっており、「ICTを活用すれば必ずしも集まらなくてよいのではないか」という意見が活発に出ています。
上記は1例ですが、次期報酬改定では大きくポイントになることにデジタル化・IT化があることに間違いありません。
昨年の8月19日に法改正に向けてまとめられた議論の論点は、訪問介護は、有効求人倍率が高い・人手不足感が強い状況にあることを踏まえ、以下の通りとされました。
管理者とサービス提供責任者は、省令に定められた業務をこなすとともに、人材不足により自らが介護サービス提供を実施しているのが現実です。
これら介護業界に迫る報酬改定の中で、対面しない会議の実施や、オンライン研修、事務作業のアウトソーシング等の業務効率化の動きが加速しています。