本記事では、介護保険最新情報、Vol.1011「感染防止対策の継続支援」の周知についてについてご紹介していきます。
介護保険最新情報:「感染防止対策の継続支援」の周知について
目次
令和2年6月19日に厚生労働省より、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)の実施についての要綱が示されました。
介護サービスが、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクが高い高齢者に対する接触を伴うサービスであるという特徴を踏まえ、最大限の感染症対策を継続的に行いつつ、必要なサービスを提供する体制を構築する必要があるとし、感染症対策に必要な物資を確保するとともに、感染症対策を徹底しつつ介護サービスを継続的に提供するための支援が導入されました。
また、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じながら介護サービスの継続に努めた職員に対して慰労金が支給され、さらに、サービス利用休止中の利用者に対する利用再開に向けた働きかけや感染症防止のための環境整備の取組についても導入されました。
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)の実施について
支援対象者:令和2年4月1日以降、感染症対策を徹底した上で、サービスを提供するために必要なかかり増し経費が発生した介護サービス事業所・施設等
支援対象経費:衛生用品等の感染症対策に要する物品購入、タブレット等のICT機器の購入又はリース費用(通信費用を除く)、自転車の購入又はリース費用等感染対策のためにかかったかかりまし経費を対象とするものです。
上限金額:534,000円(訪問介護)
支援対象者:
〇始期より令和2年6月 30 日までの間に延べ 10 日間以上あること
〇介護サービス事業所・施設等に勤務し、利用者と接する職員
〇「利用者との接触を伴い」かつ「継続して提供することが必要な業務」に合致する状況下で働いている職員
上限金額:新型コロナウイルス感染症が発生又は濃厚接触者である利用者に対応した介護サービス事業所・施設等に勤務し、利用者と接する職員は20万円。それ以外の職員は5万円。
① 在宅サービス事業所による利用者への再開支援への助成事業【事業者支援】
対象者:令和2年4月1日以降、サービス利用休止中の利用者への利用再開支援を行った在宅サービス事業所
上限金額:電話1,500円 訪問3,000円/1利用者(訪問介護)
② 在宅サービス事業所における環境整備への助成事業【事業者支援】
対象者:令和2年4月1日以降、感染症防止のための環境整備を行った在宅サービス事業所
対象費用:支援対象経費
「3つの密」(「換気が悪い密閉空間」、「多数が集まる密集場所」及び「間近で会話や発声をする密接場面」)を避けてサービス提供を行うために必要な環境整備に要するものの購入費用等
上限金額:200,000円
このような支援事業が開始され、慰労金は令和2年6月末までに従事した介護職へ。経費の支援は令和2年4月1日から令和3年3月末までにかかったものが対象となっていました。
令和3年4月1日より、経費を直接支援するのではなく、新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価を行うと言うことに改定され、令和3年9月末までの間基本報酬に0.1%上乗せをすることとなりました。
この請求にあたっては、上乗せ分のコードをあわせて入力することが必要で、2021年9月30日までは、必ず上乗せ分を請求しないといけません。上乗せ分の請求を行わない場合は、国保連の審査において返戻(上乗せ分だけでなく請求全体)となってしまっていました。
新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増しの経費が必要となること等を踏まえた介護報酬の特例的な評価については、令和3年9月末までとされ、同年 10 月以降については、感染状況や地域における介護の実態等を踏まえ、必要に応じ柔軟に対応することとされていました。
地域医療介護総合確保基金の枠組みを活用し、基本報酬の0.1%特例の対象としていた全ての介護施設・事業所に対して実施される予定です。
平均的な規模の介護施設において、 6万円上限となっています。
【注意点】
※サービス別等に補助上限を設定
※医療系の介護サービスを行う医療機関等(病院、診療所、薬局、訪問看護事業所)に医療の補助金が支給される場合は、当該補助金で対応
対象期間は、令和3年10月1日から12月31日までにかかる感染防止対策に要する費用
介護分野についてのサービス別等に設定される補助上限や対象経費等の詳細については、追って示すとの記載が有りますので、上限はサービス種別ごとに変更となる可能性が有ることに注意が必要です。
なお、経費の対象期間は令和3年 10 月1日から 12 月 31 日まで、申請手続はできる限り簡素化を図ることを検討しているとのことですが、サービス事業所等において、まずは感染防止対策の継続に係る領収書を保存することが大切です。
新型コロナウイルスの流行から、介護事業所では経費の負担が大幅に増える事となりました。
収入が増えずに感染症対策費用だけ増えるということを避けるために用意されてきた支援金ですが、現在示されているのは令和3年12月末までです。
新型コロナウイルスをはじめとする支援金や助成金をあてにすることなく、自社の売り上げをあげていく施策が必要です。