入所者に、良いサービスを提供するためにも、各種加算を導入し施設の収益を上げ、それを利用者に還元していくことは大切です。特に現在入所している利用者が最終的に在宅生活を送るための支援は重要です。
そこで今回は退所時等支援等加算について紹介します。この記事を参考に退所時等支援等加算を導入し、利用者のためのサービスを充実させていきましょう。
退所時等支援等加算は、入所期間が1ヵ月を超えると見込まれる入所者について、試行的に一時在宅生活をすることで、本人や家族等に退所後の療養指導をおこない具体的な在宅生活での課題を見つけていきます。そうすることで施設利用中に在宅生活を円滑にするための支援をおこなった事への評価として、「試行的退所時指導加算」「退所時情報提供加算」「退所前連携加算」の算定可能となります。
なお平成30年4月の改定により、「退所前訪問指導加算」「退所後訪問指導加算」「退所時指導加算」が「試行的退所時指導加算」に統合されました。
介護老人保健施設が対象となります。
退所時等支援等加算の単位数と算定要件は次の通りです。
- 試行的退所時指導加算:400単位
- 退所時情報提供加算:500単位
- 退所前連携加算:500単位
訪問看護指示加算
- 訪問看護指示加算:300単位
主治医が訪問看護の必要性を認め患者の同意を得て、訪問看護ステーションに訪問看護指示書を交付した場合に算定すること。
退所時等支援等加算についての主な質問内容と答えになりますので、参考にしてみてください。
退所時指導等加算は、入所者が施設から退所後に生活する居宅における在宅療養等に円滑に移行ができるように、入所施設が入所者の退所前・退所後に必要な指導・調整をおこなうものです。そのため退所後に引き続き短期入所を利用する場合には算定できません。ただし、居宅に戻った後で緊急の事情等により、短期入所を利用した場合についてはこの限りではありません。
他の社会福祉施設等とは、病院、診療所、及び介護保険施設を含まず、有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、認知症高齢者グループホームを指します。
入所者の診療状況を添えて当該入所者の処遇に必要な情報を提供することが算定要件として定められています。診療状況を示す文書の様式として、退所後の主治医に対する紹介に係る別紙様式を準用することは差し支えありません。
退所前連携加算は、施設入所者の在宅復帰の促進のため、指定居宅介護支援事業者の介護支援専門員と連携し、退所後の居宅サービスの利用に関する必要な調整をおこなった場合に算定されるものです。そのため在宅生活に向けた総合的な調整を想定しており、単なる電話等の連絡対応は算定対象となりません。
こうした観点から、退所前連携加算の算定にあたっては、従来の退所前後訪問指導加算と同様に、医師、看護職員、支援相談員、理学療法士又は作業療法士、栄養士、介護支援専門員等が協力し、相互に連携して共同で必要な調整をおこなうとしています。
退所前連携加算は、入院患者が「退所し、その居宅において居宅サービスを利用する場合において」算定することとされており、痴呆症対応型共同生活介護事業所は利用者の居宅に該当しません。そのため退所前連携加算の算定はできません。
退所時等支援等加算は、入所者の退所時において問題点などを見つけておき、これに退所に入所者が居宅に戻った時のための支援などをすることで算定できます。入所者にとって居宅での生活は大切なものであるため、これを支援することには重要な意味があります。この記事を参考に退所時等支援等加算を導入し、入所者に寄り添った支援をおこなっていきましょう。