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特別養護老人ホームの個別機能訓練加算とは?算定要件や単位数について徹底解説‼︎

2025-01-14

特別養護老人ホームの介護老人福祉施設における「個別機能訓練加算」は、算定率が49.38%(厚生労働省・2014年)と報告されており、全施設の約半数がこの加算を適用しています。

本記事では、特別養護老人ホームの個別機能訓練加算の算定要件と単位数、計画書の書き方や厚生労働省のQ&Aをまとめてご紹介します。

特別養護老人ホームの個別機能訓練加算とは

特別養護老人ホームの個別機能訓練加算は、特別養護老人ホームで利用者の身体機能や生活機能の維持・向上を目的に、計画的な訓練や支援をおこなった場合に算定される介護報酬の加算です。種類は以下の2つがあります。

  1. 個別機能訓練加算(Ⅰ):身体機能向上を目的とした訓練(筋力トレーニングなど)
  2. 個別機能訓練加算(Ⅱ):生活機能向上を目的とした訓練(食事や入浴の練習など)

加算には、機能訓練指導員による利用者ごとの訓練計画作成、記録・評価、定期的な見直しが必要です。これにより、利用者のQOL(生活の質)向上や自立支援が期待されます。計画は利用者や家族の意向を反映し、実効性のある内容が求められます。特別養護老人ホームごとに対応が異なる場合があるため、具体的な内容や条件は施設や自治体に確認してください。

特別養護老人ホームの機能訓練指導員の単位数と算定要件は?

単位数12単位/日
算定要件
  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)は、機能訓練指導員が直接、または5人以下の小集団で機能訓練を実施することが求められます。
    また機能訓練指導員を2名配置することで、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロとして76単位が算定できます。
  • 個別訓練指導員(Ⅱ)は、(Ⅰ)の算定に合わせてLIFE活用が必須です。
    まだLIFEを利用していない場合は、パソコンの設置などハード面の整備を含め、算定前にLIFE利用の環境づくりのため、早めの準備が必要です。

特別養護老人ホームの機能訓練指導員とは?

特別養護老人ホームの機能訓練指導員は、個別機能訓練加算を算定するために欠かせない存在です。

個別機能訓練加算は、利用者の身体機能や生活機能の向上・維持を目的とした計画的な訓練に対して算定されますが、その中心的な役割を果たすのが機能訓練指導員です。

指導員は、利用者ごとの「個別機能訓練計画」を作成し、計画に基づいて訓練を実施します。また、訓練の記録や効果の評価をおこない、必要に応じて計画を見直します。さらに、利用者や家族に訓練内容を説明し同意を得ることで、加算の要件を満たします。

機能訓練指導員は、理学療法士や作業療法士、看護師などの資格を有する専門職であり、他職種と連携して利用者のケアをおこない、個別機能訓練加算の算定に必要な訓練の実効性を支えています。

特別養護老人ホームの個別機能訓練加算に必要な書類は?

特別養護老人ホームで個別機能訓練加算を算定するためには、「個別機能訓練計画書」の作成が必要です。

この計画書は、機能訓練指導員が中心となり、利用者の身体状況や希望、自宅環境などを考慮して目標やプログラムを立案する書類です。

また、本人やその家族に計画を説明し、同意を得るための書類としても重要な役割を果たします。計画の作成には、機能訓練指導員をはじめ、看護職員、介護職員、生活相談員、その他のスタッフが参加します。カンファレンスやミーティングを通じて連携しながら、目標設定、実施時間、訓練方法などを協議し、利用者一人ひとりに適した個別機能訓練計画を策定していきます。

これにより、計画の実効性が高まり、利用者の生活機能の維持・向上を支援する基盤となります。

個別機能訓練計画書を作成する手順は?

1. 情報収集

  • 利用者の身体状況:既往歴、現在の健康状態、身体機能(筋力、バランス、可動域など)を把握します。
  • 生活環境の確認:居住環境(自宅の間取り、介護設備)、家族の介護状況などを調査します。
  • 本人や家族の意向:目標や希望、懸念点をヒアリングします。

2. アセスメント(評価)

  • 機能訓練指導員が中心となり、評価ツールや観察を用いて、利用者の課題や強みを把握します。
  • 心理的要因(意欲、ストレス)や社会的要因(交流の機会、趣味活動)も考慮します。

3. 目標設定

  • 短期目標:数週間〜数ヵ月で達成可能な具体的な目標を設定します(例:歩行距離を5m延ばす)。
  • 長期目標:利用者が望む生活や機能レベルを基にした目標を設定します(例:自宅で家族と安全に生活する)。

4. プログラム立案

  • 設定した目標に基づき、具体的な訓練内容を計画します。
  • 身体訓練:筋力強化、バランス訓練など。
  • 日常生活動作(ADL)の訓練:食事動作、着脱衣練習など。
  • 心理的支援や社会参加を促すプログラム。

5. カンファレンスの実施

  • 機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員などが協議し、計画の妥当性を確認します。
  • 各職種が役割分担を明確にします。

6. 本人・家族への説明と同意

  • 計画書を利用者と家族にわかりやすく説明します。
  • 同意を得るためのプロセスを重視し、必要に応じて質問や意見に対応します。

7. 記録と実施

  • 計画書に基づき訓練を開始し、実施状況を記録します。
  • 記録は評価や次回計画書の見直しに活用されます。

8. 評価と見直し

  • 定期的に計画の進捗を評価し、必要に応じて内容を修正します。
  • 利用者の状態変化や目標達成状況に応じて柔軟に対応します。

まとめ

個別機能訓練加算は、特別養護老人ホームにおいて、利用者の身体機能や生活機能を向上・維持するためにおこなわれる訓練に対して算定される介護報酬の加算です。

算定には、利用者一人ひとりの状況に応じた「個別機能訓練計画書」の作成が必須で、機能訓練指導員を中心に、看護職員や介護職員などが協力して目標設定やプログラムを立案します。

計画書は、本人や家族への説明と同意を得るための重要な書類であり、訓練の進捗は定期的に評価され、必要に応じて見直しがおこなわれます。この加算は、利用者の生活の質(QOL)を向上させ、より自立した生活を支援するための重要な仕組みとなっており、適切な計画と実施が求められます。

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