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退所時指導等加算の概要から算定要件まで徹底解説!

2025-01-09

入所時に良いサービスを提供するためにも、各種加算を導入し施設の収益を上げて利用者の方々に還元しておくことは大切です。

特に現在入所している利用者が安心して在宅生活を送るための支援は重要です。

退所時指導加算は施設利用中に在宅生活を円滑にするための支援をおこなった事への評価として「試行的退所時指導加算」「退所時情報提供加算」「退所前連携加算」「訪問看護指示加算」が算定可能な加算になります。

この記事では退所時指導加算について、詳しく解説をしていきます。

退所時指導等加算とは?

退所時指導加算とは、入所期間が1カ月を超えると見込まれる入所者について、試行的に一時在宅生活をすることにより、利用者や家族に退所後の療育指導や具体的な在宅生活における活動を明かにし、在宅での生活を円滑にするための指導を評価するための加算です。

退所時指導等加算の対象事業所・加算の種類

退所時指導加算の対象事業所は介護医療院になります。

加算の種類については以下になります。

  • 試行的退所時指導加算
  • 退所時情報提供加算
  • 退所前連携加算
  • 訪問看護指示加算

以上が加算の種類になります。

退所時指導等加算の単位数と算定要件は?

退所時指導等加算の単位数

試行的退所時指導加算400単位
退所時情報提供加算500単位
退所前連携加算500単位
訪問看護指示加算300単位

退所時指導等加算の算定要件

試行的退所時指導加算退所が見込まれる入所期間が1ヵ月を超える入所者をその居宅において試行的に退所させる場合において、入所者、家族に対して退所後の療養上の指導をおこなった場合に、入所中最初に試行的な退所をおこなった月から3ヵ月の間に限り、入所者1人につき1ヵ月に1回を限度として所定単位数を加算する。
退所時情報提供加算入所期間が1ヵ月を超える入所者が退所し、その居宅において療養を継続する場合において、入所者が退所後に主治医に対して、入所者の同意を得て、入所者の診療状況を示す文書を添えて入所者の紹介をおこなった場合に、入所者1人につき1回に限り算定する。
退所前連携加算入所期間が1ヵ月を超える入所者が退所し、その居宅において居宅サービス、または地域密着型サービスを利用する場合において、入所者の退所に先立って入所者が利用を希望する指定居宅介護支援事業者に対して、入所者の同意を得て、入所者の診療状況を示す文書を添えて、入所者に係る居宅サービス、または地域密着型サービスに必要な情報を提供し、指定居宅介護支援事業者と連携して、退所後の居宅サービス、または地域密着型サービスの利用に関する調整をおこなった場合に、入所者1人につき1回を限度として算定する。
訪問看護指示加算入所者の退所時に介護老人保健施設の医師が診療に基づき指定訪問看護、指定定期巡回、随時対応型訪問介護看護、または指定看護小規模多機能型居宅介護の利用が必要であると認め、入所者が選定する指定訪問看護ステーション、指定定期巡回、随時対応型訪問介護看護事業所、または指定看護小規模多機能型居宅介護事業所に対して、入所者の同意を得て、訪問看護指示書を交付した場合に、入所者1人につき1回を限度として算定する。

退所時指導加算の詳しい算定の留意事項は以下になります。

試行的退所指導加算について

  • 試行的退所にあたり、医師、薬剤師、看護や介護職員、支援相談員、介護支援相談員が退所した居宅において療養を継続できるか検討する。
  • 本人、家族に対して説明と同意を得た上で実施する。
  • 試行的退所中、入所者の状況の把握をしている場合は外泊時費用も算定できる。
  • 試行的退所期間中に外泊時費用を算定している場合は、短期入所として利用できる。
  • 試行的退所期間中には居宅サービスを利用できない。
  • 試行的退所期間が終了しても在宅復帰ができない場合は、その理由を分析した上で施設サービス計画の変更をおこない適切な支援をおこなう。

退所時情報提供加算

  • 診療状況について文書により情報提供することが求められる。
  • 検査結果、日常生活動作能力、心理状態などの心身機能の状態、薬歴、退所後の治療計画の文書が必要になります。
  • 文書の写しを診療録に添付し、保管する必要がある。
  • 事前に主治医と調整した上で文書を作成するものであり、提出先が無記名の紹介状形式は不可になります。

退所前連携加算

  • 退所時に先立って連携がおこなわれることが必須であり、退所後におこなっても算定対象とならない。
  • 退所後の居宅サービスの利用に関して居宅担当介護支援専門員と連携して調整をおこなう。
  • 退所前連携をおこなった場合は、連携をおこなった日とその内容を記録することが必須になり、単なる情報提供では不可となります。

訪問看護指示加算

  • 訪問看護指示書の訪問看護の指示期間は居宅介護支援専門員、利用者、家族と相談する必要があり、期間の指示がない場合は、その期間は1ヵ月とみなされます。
  • 訪問看護指示書は速やかに作成、交付する。

その際に、退所者の求めに応じて利用者、家族を通して、訪問看護ステーション、定期巡回、随時対応型訪問介護看護事業所、複合型サービスに交付しても差し支えはない。

在宅復帰後は、在宅生活に関わった主治医が退所後に診察、処方をおこなう場合に、主治医が訪問看護指示書を作成依頼をするタイミングを踏まえ、介護老人保健施設医師と相談をすることが必要です。

  • 訪問看護指示書の写しを視察録に添付し、保管する。

また、訪問看護等からの相談に懇切丁寧に応じる必要があります。

以上が、算定の留意事項になります。

退所時指導等加算についてのQ&A

退所時指導等加算の算定要件など、細かい内容を理解することは難しく、質問をされることも多くあります。

以下では質問の多いことについて、詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

退所時指導等加算は、退所して短期入所サービス事業所に入所する場合も算定できる?

退所時指導加算は入所者が施設から退所後に生活する居宅における在宅療養に円滑に移行できるようにしておく。

入所施設が入所者の退所前や退所後に必要な指導や調整をおこなう必要があり、退所後に引き続き短期入所を利用する場合については算定できない。

しかし、例えば居宅に戻った場合、緊急に事情がある場合、短期入所を利用する場合は上記の限りではない。

退所時情報提供加算において、退所後に他の社会福祉施設等に入所した場合の「他の社会福祉施設等」とは具体的に何を指すの?

他の社会福祉施設等とは、病院や診療所、介護保険施設を含まず、有料老人ホームや養護老人ホーム、経費老人ホーム、認知症高齢者グループホームを指します。

退所後訪問指導加算、退所時情報提供加算、入所前後訪問指導加算においても同様の取り扱いになります。

退所前連携加算は、入所者が退所して認知症対応型共同生活介護事業所に入居した場合も算定できる?

退所前連携加算は施設入所者の在宅復帰の促進のため、指定居宅介護支援事業者の介護支援専門員と連携して退所後の居宅サービスの利用に関する必要な調整をおこなった場合に算定するものです。

そのため、在宅復帰に向けた総合的な調整を想定しており、単なる電話等の連絡対応は算定対象になりません。

退所前連携加算の算定にあたっては、従来の退所前後訪問指導加算と同様に、医師や看護職員、理学療法士や作業療法士、栄養士、介護支援専門員が協力し、相互に連携して共同で必要な調整をおこなうものとする。

まとめ

退所時指導加算は入所者の退所時において問題点を見つけることで、入所者が居宅に戻った時のための支援をすることで算定できます。

入所者にとって居宅での生活は大切なものであるため、支援をすることは重要な意味があります。

事業所にとってもサービス提供施設の入所者が居宅へ退所するにあたり、退所後の居宅サービスの利用が円滑になるように相談支援をすることで加算対象にもなることで、相互にとってメリットがあります。

しかし、退所時指導加算は算定要件がわかりにくく、加算を取得しない事業所も多くあります。もし、退所時指導加算に興味があれば、ぜひこの記事を読んで参考にして頂ければ幸いです。

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