リハビリテーションマネジメントは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)というPDCAサイクルを通じて、バランス良くリハビリテーションが提供できているかを継続的に管理しながら、質の高いリハビリテーションの提供を目指すものです。
リハビリテーションマネジメントに取り組むことで生活能力の向上が科学的に示されており、リハビリテーションの要とも言えます。
利用者の自立支援・重度化防止に向けた効率的で効果的なリハビリテーションをおこなうために、PDCAサイクルの推進を評価する取り組みとして、リハビリテーションマネジメント計画書情報加算があります。
今回は、リハビリテーションマネジメント計画書情報加算について概要や算定要件について紹介します。
目次
リハビリテーションマネジメント計画書情報加算とは、自立支援・重度化防止を効果的に進めるために設けられた新たな評価区分です。
これによって、リハビリテーションの効果を評価がより詳細に評価され、個々の利用者に最適な向けた質の高いケアを提供することができます。
これまでリハビリテーションにおける加算はデイケアのみが対象でした。しかし、入所施設においても加算を算定できるようになったことがこの加算の特徴です。
リハビリテーションマネジメント計画書情報加算の対象事業所は介護老人保健施設(老健)になります。
リハビリテーションマネジメント計画書情報加算は2種類に分かれます。
単位数は以下の通りです。
加算名 | 単位数/月 |
リハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅰ) | 53単位 |
リハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅱ) | 33単位 |
算定要件は以下の通りです。
1.栄養マネジメント強化加算及び口腔衛生管理加算(Ⅱ)を算定している。
算定にあたって、LIFE(科学的情報システム)への情報提出が必要です。
具体的な提出項目は以下の通りです。
栄養マネジメント強化加算に関する項目 | 口腔衛生管理加算(Ⅱ)に関する項目 |
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2.リハビリテーション実施計画等の内容について、リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の情報を関係職種の間で一体的に共有している。必要に応じてLIFE(科学的情報システム)への情報提出をおこなっている。
指定の様式がありますので、リハビリテーション計画書に基づいて記入をして提出する必要があります。
具体的には以下の項目に係る情報提出が求められます。
- 評価日
- 介護度
- 担当職種
- 健康状態と経過(原因疾病及び発症日・受傷日、合併症がある場合のみ)
- 日常生活自立度又は認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
- 心身機能、構造
- 活動(基本動作、活動範囲など)
- 活動(ADL)
- リハビリテーションの終了目安
- 社会的参加の状況
- リハビリテーション(目標、担当職種、具体的支援内容、頻度や時間)
※情報は利用者ごとに、以下に定める月の翌月10日までに提出しなければなりません。
ア. 新規にリハビリテーション計画の作成をおこなった日の属する月
イ.リハビリテーション計画のの変更をおこなった日の属する月
ウ.ア又はイのほか、少なくとも3月に1回
エ.サービスを終了した日の属する月
3.共有した情報を踏まえ、リハビリテーション計画または個別機能訓練計画について必要な見直しをおこない、見直しの内容について関係職種に対し共有している。
なお、加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は併用して算定することはできません。
参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的な考え方並びに 事務処理手順及び様式例の提示について」
フィードバック情報を活用することで利用者の状態やケアの変化などを踏まえたケア計画の見直しや改善をおこなった場合には、LIFEに情報を提出しない場合であっても算定可能です。
リハビリテーションは関わる専門職種が多く、利用者の状況に応じて主要となる職種が変化するのが特徴です。職種の専門性の違いによってケアの指針が定まりにくくなることもあります。
多職種間で情報を共有し一体化した実施計画を定めることが、利用者1人ひとりに向けた質の高いケアの提供につながります。
ぜひ、リハビリテーションマネジメント計画書情報加算の算定をご検討ください。