訪問介護、通所介護などお役立ち情報・書式が満載

  1. HOME
  2. 介護保険法
  3. 算定要件
  4. 【2024年改定対応】遠隔死亡診断補助加算とは?目的や算定要件、注意点を解説

【2024年改定対応】遠隔死亡診断補助加算とは?目的や算定要件、注意点を解説

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

詳細プロフィール

続きを読む

遠隔死亡診断補助加算は2024年度診療報酬改定により新設された加算です。新設されたため、どのような場合に加算ができるのかあまり知られていません。

そこでこの記事では遠隔死亡診断補助加算の算定要件などについてまとめました。遠隔死亡診断補助加算について知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

遠隔死亡診断補助加算とは

遠隔死亡診断補助加算は、2024年度に診療報酬改定で新設された加算のことをいいます。情報通信機器を用いた在宅での看取りにかかる研修を受けた看護師が、主治医の指示に基づき情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った際に算定できる加算です。算定額は150単位/回であるため、加算額は1,500円となります。

遠隔死亡診断補助加算の目的

遠隔死亡診断補助加算は業務のデジタル化を図り、在宅ターミナルケア加算によりICTを活用を目的とした加算でもあります。在宅での看取りに際し医師が行う死亡診断を、訪問看護師がICTを活用して遠隔での補助をしたときの評価となります。

この加算には医師の負担軽減など3つの目的があり、新設されました。ここではそれぞれの目的について詳しく見ていきます。

医師の負担軽減

在宅医療におけるICTを用いた医療DXも大きな特徴であり、オンライン資格確認による医療情報活用やオンライン診療など、さまざまなICTツールが登場しています。

これらを上手に活用することで医師をはじめとした医療従事者の負担の軽減が可能となりました。従来の死亡診断は医師が患者の自宅などに出向いて行う必要がありました。しかし、ICTツールを活用することで、研修を受けた看護師の医師への補助が可能となり、結果として医師の負担軽減に繋がりました。

そのため遠隔死亡診断補助加算の導入をすることで、医師の負担を減らすことができるようになったのです。

在宅での看取りの円滑化

遠隔死亡診断補助加算は、利用者が厚生労働省の定める離島や過疎地域、豪雪地帯に居住しているため、死亡時に医師が訪問できない利用者のために、訪問看護師が情報通信機器を用いることで医師の死亡診断の補助をすることで加算できます。

従来は在宅での看取りを希望する患者が増加傾向にあったとしても、医師不足や医療従事者の不足で在宅での死亡診断が難しいケースが多々ありました。しかしICTの活用により医師が遠隔地にいる患者の在宅での看取りが可能となりました。

そのため遠隔地であり、医師の訪問が難しい地域で在宅での看取りを希望する患者のニーズにこたえられるようになりました。

医療従事者の不足地域における医療提供の確保

団塊の世代が後期高齢者となる2025年を目前に控えている今、医療従事者の確保及び医療提供の確保が急務となっています。特に遠隔地などの医師不足や医療従事者が不足しやすい地域における死亡診断は、従来は困難でした。

ICTツールを活用した医療提供を行うことで、地域による医療格差の是正が可能となり、遠隔地であったとしても自宅での看取りが可能となりました。

遠隔死亡診断補助加算の算定要件

遠隔死亡診断補助加算の算定要件はいくつかの条件を満たすことで算定できます。ここでは算定要件の項目について個々にみていきましょう。

要件1:医師がICTを活用して死亡診断等を行うこと

患者の死亡時、医師が患者の元を訪れることができないときなどビデオ通話などのICTを活用し、死亡診断を下すことが条件となってます。そのため遠隔地であり、医師が直接訪問できない場合でも、ICT活用により死亡診断を下すことができます。

要件2:研修を受けた看護師が医師の死亡診断の補助を行うこと

ICTを活用して医師が患者の死亡判断を下すとき、研修を受けた訪問看護師が医師の補助をすることが定められています。看護師はあらかじめ研修を受けたものであり、ICTを駆使して医師の補助を務めます。

要件3:患者が以下のいずれかに該当すること

遠隔死亡診断補助加算を算定するには、次にあげる疾病などに該当している患者であることが条件としてあげられます。それでは、どのような疾病が条件なのでしょうか。

次の項目で該当する疾病について紹介していきます。

特定疾病療養受給者証(いわゆる「緑の証書」)を持っている者

特定疾病とは、長期特定疾病のことであり、健康保険法で定められている制度になります。該当する疾病は、長期的な療養が必要な疾病です。

その対象となるのが血友病や人工透析を必要とするものであり、腎不全や血液製剤によるHIV感染症の患者が、該当します。

特定疾患医療受給者証(いわゆる「難病証書」)を持っている者

指定難病とは日本に存在する難病患者数が一定(人口換算で0.1%程度)に達しておらず、客観的な診断基準やそれに準ずるものが確立していない病を指定難病といいます。指定難病は長期的な療養が必要であることから、経済的負担が大きいです。そのため国の定める基準に基づく医療費の助成制度を受けることが可能です。

以下に該当する地域に居住している者

遠隔死亡診断補助加算に該当する地域は次にあげられるものが該当します。

  • 後期高齢者医療計画に基づき、市町村が特に必要であると判断した市町村に居住している
  • 地域医療計画に基づき、都道府県が特に必要であると判断した都道府県に居住している

この条件に該当している患者に対し、遠隔死亡診断補助加算が算定されます。

要件4:訪問看護ターミナルケア療養費を算定していること

訪問介護ターミナルケア療養費は次にあげる項目に該当していることで算定されます。

  1. 在宅もしくは特別養護老人ホームなどで死亡した利用者に対して、ターミナルケアを実施していること
  2. 死亡日及び死亡日前14日以内の計15日期間のうち2回以上、訪問看護基本療養費または精神科訪問看護基本療養費を算定している
  3. 訪問看護ステーションの連絡担当者の氏名、連絡先電話番号、緊急時の注意事項などについて利用者及びその家族に説明したうえで、ターミナルケアを行っていること
  4. 利用者が死亡した場所、死亡時刻などを訪問看護記録書に記録すること

この4項目を満たすことで、ターミナルケア療養費を算定できます。

遠隔死亡診断補助加算の注意点

遠隔死亡診断補助加算には次にあげる注意点があります。

  • 遺族にとっては死亡の事実だけではなく、これまでの経過などに関する医学的な説明を受ける場でもあるため、極めて重要な意味を持つ。そのため医師は礼意と細心の注意を払い死後診察を行い、死亡診断書の交付を行う
    そのため死亡診断を行う前に、患者及び家族からの同意を受ける必要がある
    また死亡診断の結果は、患者及び家族に丁寧に説明をする必要があり、死亡診断書は、法令に従って作成し、提出しなくてはならない
  • たとえ早晩死亡することが想定され、積極的な治療を行わないとの方針の下で終末期の療養を行ってきた患者であったとしても、傷病以外の原因で死亡する例も存在する。そのためこのような事例を見逃すことが無いように留意している
  • 生前に診療していた傷病による死亡と判断できない場合、死体の検案がなされなければならない。さらに異常がみられる場合は所轄警察署に届け出ること

これらの注意点のもと、遠隔死亡診断補助加算は算定されます。

まとめ:遠隔死亡診断補助加算は医療従事者や患者や家族も知っておくべき制度

遠隔死亡診断補助加算はICTを活用し、研修を受けた訪問看護師の補助を受けながら医師が死亡診断を下せます。そのため医師自らが訪問できない遠隔地など医療不足が深刻な地域では、重要な役割を担う加算です。

また、ICTの活用により医療人材の不足も補えるため、加算を検討している事業所などは積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

お役立ち資料:加算取得を目指す方へ

訪問介護の事業者向けに、各種加算と減算の要件や、優先的に取得するべき加算などについて、わかりやすくまとめました。
詳しく見る