看取り連携体制加算とは、看取り期の利用者に対してサービスの提供を行うことで加算されます。病院や診療所、訪問看護ステーションなどとの連携により、利用者の状況に応じた連携体制を確保しています。
この記事では看取り連携体制加算とは何かについて詳しく解説していきますので、加算導入を検討している事業者は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ここでは看取り連携体制加算の概要から対象事業所などを紹介していきます。看取り連携体制加算の基本的な内容をそれぞれ見ていきましょう。
看取り連携体制加算とは、看取り時期の対応についての方針を決定し、利用者とその家族の同意を得ている場合に算定できる加算です。
質の良い介護サービスを提供している事業者を評価する加算であり、国が定める条件をクリアしたうえで、届け出を出すことで算定可能となります。
看取り連携体制加算の対象事業者は次にあげる3つの事業者です。
2024年の報酬改定から訪問入浴介護と短期入所生活介護も対象に含まれるようになりました。
看取り連携体制加算の対象者は次にあげる条件全てに該当している利用者となります。
このように医師の判断や利用者やその家族の同意を得た人が対象者となります。
看取り連携体制加算の1日の単位数は64単位/日です。ただし注意点が2つあります。
1つ目の注意点は、死亡日及び死亡日以前30日以下において1回に限り算定することです。2つ目の注意点は、短期入所は死亡日及び死亡日以前30日以下について7日を限度として算定可能な点です。いまあげた注意点に気を付けて算定を行いましょう。
看取り連携体制加算の算定率と算定事業所数は次の通りです。
提供しているサービスは看護小規模多機能、その算定率は0.37%、算定事業所数は20となっています。算定率と算定事業所数が少ないことで算定難易度が高いことがわかります。
看取り連携体制加算の算定要件は、提供しているサービスにより異なります。ここではそれぞれのサービスごとに詳しい内容を見ていきましょう。
訪問入浴介護における看取り連携体制加算の要件には利用者基準と事業所基準がそれぞれ決まっています。
まずは利用者基準から見ていきます。
この2点が定められています。
次に事業所基準。
これらの要件を満たすことで算定可能となります。
短期入所における看取り連携体制加算は次にあげる1もしくは2に該当し、さらに3〜9を実施していることが要件となります。
ここであげたことに該当することで、看取り連携体制加算の算定が可能となります。
看護体制加算とは?サービス別の単位数や算定要件など徹底解説!
次にあげる項目に該当することで、看取り連携体制加算要件を満たします。
看取り介護に関しては、職員の心のケアなど抱えている問題があります。ここでは特に大きな問題となっていることを2つみていきましょう。
看取りをすることで精神的なダメージを受けるのは家族だけではありません。身近な家族の死に直面したことのない職員にとって、自分の知っている人の死に直面することで精神的に大きなダメージを受けることになります。
そのため家族だけではなく職員に対しても、看取りに関する心構えや看取りを終えた後の心のケアを十分に行うことを考慮しておく必要があります。
介護現場における職員の確保は重大な問題となっています。精神的にも肉体的にも大きな苦痛を伴う介護職員は、人材確保が急務ですが決して容易なことではありません。日頃から看取りについて研修を実施し、介護の質を高めることが人材不足を補える要となるでしょう。
看取り連携体制加算には多くの疑問があるため、質問も多く寄せられます。ここでは主な質問をいくつか紹介していきましょう。
医師の意見も含まれます。
看取り期における対応方針の「協議」について、必ずしもカンファレンスなどの会議の場で行われる必要はありません。通常の業務中に主治医や看護師、介護支援専門員などの意見を把握し、これに基づいて対応方針の策定が行われている場合、本加算の算定要件を満たすことになります。
利用者が同一時間帯に利用できる訪問サービスは一つであると原則で定められています。しかし例外もあります。例えば家庭の浴槽で全身入浴の介助をする場合などは訪問介護と訪問看護、または訪問介護と訪問リハビリテーションを同一利用者が同一時間帯に利用する場合、利用者の状況や介護に応じて利用する時間帯が同じでもサービスが必要と判断された場合、それぞれのサービスについてそれぞれの所定単位数が加算されます。
看取り期における対応に基づき、利用者の状態や家族の求めに応じ、介護職員や看護職員などから介護記録などの利用者の記録を活用することで行われるサービスについての説明のことを指します。
質の高い看取り介護をするためには、多職種連携により利用者などに対し十分な説明をし、理解を得ることが重要です。このため利用者本人もしくはその家族に介護記録などの開示もしくは写しの提供を行うことで、利用者やその家族の理解を支援する目的で、補完的に理解しやすい書類を作成し、これを用いて説明することが可能です。なおその際に介護記録などの開示を求められた場合は提供することが必要となります。
看取り連携体制加算の取得におすすめなICTツールは介護ソフトです。複雑な算定要件や計算式であったとしても、簡単な操作で請求データの作成やエラーチェックが可能となります。
しかし介護ソフトにより操作など異なるため、取り入れるソフトの選定は重要です。そのため、現在取り入れているソフトであったとしても操作などで不満がある時は、見直しすることをおすすめします。
看取り連携体制加算の算定要件は難しいものがあり、実際に取り入れている施設が少ないことが現状です。しかし、加算を取り入れることで今以上の質の良いサービスを利用者に提供できます。
算定要件を満たせそうな場合は、積極的に加算を取り入れ、今以上に質の良いサービスを提供できるように努めていきましょう。