診療報酬は、初診料・再診料などの基本的な診療報酬の他にも、様々な報酬によって点数が決まっています。
今回は、高齢者等の在宅療養や介護に関する診療報酬の加算について主なものについて紹介いたします。
目次
診療報酬は、厚生労働省によって医療行為ごとに点数が決められています。
その診療報酬の中で、一定の要件を満たすことで加算されるものがあります。
それが診療報酬加算と呼ばれているものです。
診療報酬の加算には様々なものがありますが、主な加算は以下です。
・入院基本料等加算
・入退院支援加算
・時間外加算
・在宅療養指導管理材料加算
・総合機能評価加算
・介護支援連携指導
これらについて紹介いたします。
入院の際には、入院基本料が算定されます。
さらに、厚生労働大臣が定める適合基準に適合している条件により、入院基本料にプラスされる加算は以下の通りです。
A200 総合入院体制加算
A204 地域医療支援入院診療加算
A204-2 臨床研修病院入院診療加算
A205 救急医療管理加算
A205-2 超急性期脳卒中加算
A205-3 妊産婦緊急搬送入院加算
A206 在宅患者緊急入院診療加算
A207 診療録管理体制加算
A207-2 医師事務作業補助体制加算
A207-3 急性期看護補助体制加算
A208 乳幼児加算・幼児加算
A210 難病等特別入院診療加算
A211 特殊疾患入院施設管理加算
A212 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算
A213 看護配置加算
A214 看護補助加算
A218 地域加算
A218-2 離島加算
A219 療養環境加算
A220 HIV感染者療養環境特別加算
A220-2 二類感染症患者療養環境特別加算
A221 重症者等療養環境特別加算
A221-2 小児療養環境特別加算
A222 療養病棟療養環境加算
A222-2 療養病棟療養環境改善加算
A223 診療所療養病床療養環境加算
A223-2 診療所療養病床療養環境改善加算
A224 無菌治療室管理加算
A225 放射線治療病室管理加算
A226 重症皮膚潰瘍管理加算
A226-2 緩和ケア診療加算
A226-3 有床診療所緩和ケア診療加算
A227 精神科措置入院診療加算
A228 精神科応急入院施設管理加算
A229 精神科隔離室管理加算
A230 精神病棟入院時医学管理加算
A230-2 精神科地域移行実施加算
A230-3 精神科身体合併症管理加算
A230-4 精神科リエゾンチーム加算
A231-2 強度行動障害入院医療管理加算
A231-3 重度アルコール依存症入院医療管理加算
A231-4 摂食障害入院医療管理加算
A232 がん診療連携拠点病院加算
A233-2 栄養サポートチーム加算
A234 医療安全対策加算
A234-2 感染防止対策加算
A234-3 患者サポート体制充実加算
A236 褥瘡ハイリスク患者ケア加算
A236-2 ハイリスク妊娠管理加算
A237 ハイリスク分娩管理加算
A238 退院調整加算
A238-3 新生児特定集中治療室退院調整加算
A238-4 救急搬送患者地域連携紹介加算
A238-5 救急搬送患者地域連携受入加算
A238-6 精神科救急搬送患者地域連携紹介加算
A238-7 精神科救急搬送患者地域連携受入加算
A238-8 地域連携認知症支援加算
A238-9 地域連携認知症集中治療加算
A240 総合評価加算
A242 呼吸ケアチーム加算
A243 後発医薬品使用体制加算
A244 病棟薬剤業務実施加算
A245 データ提出加算
参考:厚生労働省
入退院支援加算は、退院困難な要因があるものの、在宅での療養を希望する患者に対し、入院初期段階から施設間の連携を進め、患者が安心して退院し、住み慣れた地域で療養・生活できるように支援することを評価するものです。
保険医療機関が表示している診療時間以外の時間や深夜に初診を行った場合に、時間外加算・休日加算・深夜加算として加算されます。
在宅療養指導管理材料加算は、自宅等での療養をする際に、注射や人工呼吸器、酸素吸入などが必要な場合に、使用した材料に対して加算されます。
在宅療養指導管理材料加算の種類は以下の通りです。
C150 血糖自己測定器加算
C151 注入器加算
C152 間歇注入シリンジポンプ加算
C153 注入器用注射針加算
C154 紫外線殺菌器加算
C155 自動腹膜灌流装置加算
C156 透析液供給装置加算
C157 酸素ボンベ加算
C158 酸素濃縮装置加算
C159 液化酸素装置加算
C159-2 呼吸同調式デマンドバルブ加算
C160 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算
C161 注入ポンプ加算
C162 在宅成分栄養経管栄養法用栄養管セット加算
C163 間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル加算
C164 人工呼吸器加算
C165 経鼻的持続陽圧呼吸療法用治療器加算
C166 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ加算
C167 疼痛管理用送信器加算
C168 携帯型精密輸液ポンプ加算
C169 気管切開患者用人工鼻加算
参考:厚生労働省
総合機能評価加算は、高齢者を対象とした加算で、入退院支援加算に組み込まれています。
入院当初から退院後の生活を見据えた治療を行い、基本的な日常生活能力や認知能力、意欲等、総合的な評価を行った場合に加算されます。
退院後に介護サービスが必要と思われる場合に、看護師、ケアマネージャー等が連携して、退院後に必要な介護サービスの導入について、患者および、家族へ指導した場合に評価するものです。
退院後に在宅療養を行う医師、看護師、薬剤師等と共同して指導を行い、文書にして提供した場合に加算されます。
・脂質異常症
・高血圧症
・糖尿病又は認知症
参考:厚生労働省
これらのうち、2つ以上の疾患がある患者に対して、同意を得た上で、療養上必要な指導、診療を行った場合に加算されます。
今回は、介護や在宅療養が必要な方に関する診療報酬の加算について紹介いたしました。
診療報酬改定は、2年に一度行われています。
医療の進歩や社会情勢を勘案し、新設される加算もありますので、算定要件などにも注目しておきたいところです。
高齢化が進む中、さらに医療と介護の連携が重要となってくるでしょう。