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身体介護とは?サービス内容や費用・生活援助との違いを詳しく解説!

2024-05-29

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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身体介護は、介護が必要な利用者の日常生活を支援するために、身体に直接触れながら行う介助行為で、食事介助・入浴介助・排せつ介助などがあります。

この記事では、身体介護のサービス内容や費用だけでなく、よく似た介護サービスの生活援助との違いまで詳しく解説します。

今回の記事を読むことで身体介護の基本的な内容を知ることができ、利用者・家族の介護負担につながる新たな選択肢として検討できるかもしれません。ぜひ最後までお読みください。

身体介護とは?

身体介護は、身体に直接触れながらおこなう介助行為のことで、厚生労働省では下記のように定義しています。

  1. 利用者の身体に直接接触して行う介助サービス(そのために必要となる準備、後かたづけ等の一連の行為を含む)
  2. 利用者のADL・IADL・QOLや意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援・重度化防止のためのサービス
  3. その他専門的知識・技術(介護を要する状態となった要因である心身の障害や疾病等に伴って必要となる特段の専門的配慮)をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のためのサービス

参考:厚生労働省「「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について」

この身体介護は訪問介護・施設介護の両方でおこなわれる行為ですが、介護を要する状態がなくなったら不要となるという特徴があります。

訪問介護では利用者それぞれの自宅に訪問して介助をおこないます。一方、介護老人福祉施設・有料老人ホーム・グループホームなどの介護施設では、介護者1人に対して多くの方を担当することが多く、夜勤がある施設もあります。

身体介護と生活援助との違い|利用者の身体に触れる支援かどうかで異なる

介護の行為には身体介護以外にも、利用者の身体に直接触れない支援方法の生活援助があります。
なお、厚生労働省では生活援助を下記のように定義しています。

生活援助とは、身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものをいう。(生活援助は、本人の代行的なサービスとして位置づけることができ、仮に、介護等を要する状態が解消されたとしたならば、本人が自身で行うことが基本となる行為であるということができる。)


*次のような行為は生活援助の内容に含まれないものであるので留意すること。

  1. 商品の販売・農作業等生業の援助的な行為
  2.  直接、本人の日常生活の援助に属しないと判断される行為

なお、生活援助については以下の記事で詳しく解説しているのであわせて参考にしてください。

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身体介護をおこなうために必要な資格|訪問介護では初任者研修の取得が必要

2024年4月以降、訪問介護・施設介護ともに身体介護をおこなうためには資格の取得が必要となりました。この必要資格は訪問介護・施設介護によって下記のように異なります。

  • 訪問介護:介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
  • 施設介護:認知症介護基礎研修

まず、訪問介護で身体介護をおこなう場合は、介護職員初任者研修の資格が必要で、この資格は下記のような目的があります。

介護職員初任者研修は、介護に携わる者が、業務を遂行する上で最低限の知識・技術とそれを実践する際の考え方のプロセスを身につけ、基本的な介護業務を行うことができるようにすることを目的として行われるものである。

参考:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係)」

実際に資格を取得するためには、介護職員初任者研修のカリキュラムを合計130時間の研修を受講する必要があります。なお、受講費用は、実施団体によって異なりますが、3〜10万円程度です。

一方、施設介護での身体介護は2024年3月末までは無資格でも有資格者の指導のもとであれば身体介護ができましたが、4月以降は介護施設で働くためには認知症介護基礎研修の資格が必要となりました。

この認知症介護基礎研修は、認知症の人を介護するうえで必要な基礎知識・技術の習得を目的とした公的研修で、研修時間は2時間程度、受講費用は3,000〜5,000円程度で資格を取得できます。

なお、介護施設で働く新入職員には、入職後1年間の受講猶予期間が設けられており、この期間内に新入職員は認知症介護基礎研修を受ける必要があります。

身体介護のサービス内容

介護現場でおこなわれる身体介護は多くあります。ここでは、実際におこなわれる身体介護を1つずつ詳しく紹介します。

1.食事介助

食事介助とは、食べる行為がひとりでうまくできない方のために介助を行うことです。
食事介助は実際に食べ物を食べてもらうための介助だけでなく、下記の過程すべてが含まれます。

  • 食事の準備・調理・配膳
  • 食事中の介助
  • 下膳・後片付け
  • 食後の口腔ケア

食事の準備をする際は、利用者はそれぞれ健康状態・食べる能力が異なるので、食事内容がその利用者と異なっていないことから確認しましょう。もし、食事の内容がその方に合っていなかったら誤嚥などを起こして、肺炎などを発症してしまう危険性があるので注意が必要です。

また、食事中の介助では利用者が自分で食べることを促しつつ、必要な場面で適切に介助をおこない、利用者の嚥下状況を観察してムセの有無などをチェックしましょう。

その後、食事が終わって下膳・後片付けをしたら終わりではなく、食後の口腔ケアまでおこなうことが重要です。口腔ケアをおこない、口の中を清潔に保つことで、口内の細菌を減らし、口の機能低下を防ぐ効果があります。
それだけでなく、口腔ケアは味覚の改善や唾液の分泌の促進にもなるため、可能であれば食後だけでなく食前もおこないましょう。

このように食事介助は、単に食事を支援するだけではなく、利用者の生活の質を向上させる重要な役割があります。

2.清拭

清拭(せいしき)は、病気やケガなどが原因で入浴ができない利用者に対して、蒸しタオルなどで体を拭いて清潔に保つことです。

この清拭には、全身を拭く「全身清拭」と身体の一部を拭く「部分清拭」があります。また、状況によって手浴・足浴・陰部浴など身体の一部分をお湯にいれる「部分浴」もあります。

この清拭には下記のような目的・効果があります。

  • 皮膚を清潔に保ち、細菌・ウイルスからの感染を予防する
  • 皮膚や爪の状態を観察して、体に異常はないかを確認する
  • 爽快・リラックス・安眠などの効果を得る
  • 血行を促進して、拘縮(こうしゅく)、褥瘡(じょくそう)などを予防する
  • 腸の動きを促して、便秘を予防する
  • 身体を清潔に保持することで、外出や社会活動参加の意欲を高める

清拭をおこなう際は、上半身→下半身→陰部の順番で、抹消から心臓の中枢に向けて拭いていくのが基本的です。
清拭中はカーテンや窓を閉めたり、パーティションで見えないようするなど配慮が必要です。 特に、胸や陰部などデリケートな部分は、拭くとき以外バスタオルをかけるようにしましょう。

また、血行をよくするためにタオルで強く擦って清拭を行う人もいますが、利用者の中には皮膚が弱い場合もあるため、力加減には常時注意しながらおこなうことが重要です。

3.更衣介助

更衣介助は、利用者自身で着替えるのが難しい場合に介助することです。自宅で生活していても、寝ている間など利用者も気付かないうちに多くの汗をかくため、こまめな着替えをすることは、皮膚を清潔な状態に保つことができ、褥瘡の予防につながります。

また、それだけでなく着替えることで気持ちをリフレッシュする、更衣のために手足を動かすことで生活に必要な関節可動域の維持にもつながる、起床時・就寝時・外出時などに着替えることで生活リズムを作れるなど、多くの効果があります。

この更衣介助をおこなう際も、全ての動作を介助するのではなく、身体機能の低下が原因でおこなえない部分のみ介助します。

4.入浴介助

入浴介助は、利用者自身での入浴が難しい場合に対して入浴を介助することで、湯船につかる方法やシャワー浴などがあります。この入浴には、清拭と同じように多くの効果があり、実際に入浴できることを楽しみにしている利用者も多くいます。

しかし、入浴は、床が滑りやすいため転倒の危険や、お湯につかることによる身体への負担も常時注意が必要など、十分な知識やスキルがない状態でおこなうと事故につながるため注意が必要です。

実際に入浴介助をおこなう際は、入浴中の介助だけでなく、入浴前〜入浴後までの動作において介助をおこないます。

まず入浴前には発熱の有無や血圧測定などをおこない、体調面を確認した結果、体調に違和感があるときは無理せずに清拭など、お湯につかる以外の方法で清潔を保ちましょう。

体調面に問題なければ入浴に移ります。入浴時はまず最初に身体を洗うのが一般的です。洗う順番は清拭と同じように抹消から心臓の中枢に向けて洗いましょう。

一通り身体を洗い終えたら浴槽に入りますが、その際に最も転倒が生じやすいため、細心の注意をして介助しましょう。また、のぼせに注意するため、浴槽につかる時間は5分程度が目安ですが、入浴中の利用者がおぼれないように絶対に目を離さないことが重要です。

入浴が終われば、身体を丁寧に拭き取り、着替えれば一連の動作が完了です。しかし、入浴すると汗をかいて、身体の水分が奪われた結果、脱水症状を引き起こす場合があるため、着替えが済んだらしっかりと水分をとってもらうことを忘れずにおこないましょう。

5.排せつ介助

排せつ介助は、麻痺や筋力低下などのため身体が思うように動かせず、利用者自身で排せつ行為を行うことが難しい場合に介助することです。

排せつは日常生活を過ごすにあたって、必ずおこなわれる生理現象となるため、排せつ介助をおこなうことは、利用者を清潔に保つだけではなく感染症予防にもなるため、介護においてとても重要なケアの1つです。

そんな排せつ介助ですが、大きく下記のように分類されます。

  • トイレ介助
  • ポータブルトイレ介助
  • オムツ介助
  • 便器・尿器を使用する介助

これらのように排せつ介助にはさまざまな種類がありますが、どの排せつ方法でおこなうにあたっても、介助を必要とする状況に、恥ずかしさや情けなさなどを強く感じて心を閉ざしてしまう利用者もなかにはいます。

そのため、急がして排せつをさせない、排せつに失敗したとしても責めたり嫌な顔をしないなど、プライバシーや尊厳を守るように配慮しましょう。

また、利用者ができる部分まで介助することで、今まで自分でできていたこともやらなくなり、身体機能が低下する原因にとなるため、利用者ができるところはやってもらい、本当にできない部分のみ介助者が手伝うようにしましょう。

6.体位変換・移乗・移動介助

体位変換は、自分の力で身体の向きを変えることができない場合に介助することです。身体が自由に動く場合は、寝ている間に無意識で何度も寝返りを打ち、身体の位置や姿勢を変えています。

しかし、身体を自力で動かせない場合は、うまく寝返りを打つことができないため、身体にかかる圧力を分散できず負担が大きくなった結果、褥瘡・血行障害・痛みを引き起こす原因になります。

これらの症状を予防するには、基本的には2時間以上同じ体勢にならないよう、こまめに体位変換することが重要です。

また、利用者自身で動くことはできても、足腰の弱りや病気によって歩くことが難しい場合には、移乗・移動介助をおこないます。

実際には、ベッドから車いす、車いすから便座や浴槽などへの乗り移りを介助することを移乗介助といいます。一方、移動介助は杖や歩行器での移動する際に転倒しないように介助することです。

移乗・移動介助をおこなうことで、利用者の生活範囲は非常に広くなるため、重要な介助方法の1つです。

7.起床・就寝介助

起床介助は、目覚めるための声かけ・体調確認・ベッドからの離床・洗顔・排泄・服への着替えなど、起床して活動を始めるための一連の動作を手伝うなど利用者が朝起きる際におこなう介助全般のことです。

一方、就寝介助は、歯磨き・排せつ・パジャマへの着替え・服薬・臥床など、寝る前の準備を含めた一連の動作を介助することです。

起床・就寝介助を丁寧におこなうことで、利用者が快適に起床または就寝できるようになるため、重要な介助の1つです。

8.服薬介助

服薬介助は、医師から処方された薬を利用者に安全に内服してもらうために介助することですが、場合によって服薬介助は医療行為に当たることもあるため注意が必要です。

実際、厚生労働省では下記の内容は身体介護に含まれると示しています。

  • 水の準備
  • 配剤された薬をテーブルの上に出し、飲み忘れないように確認する
  • 本人が薬を飲むのを手伝う
  • 後片付けと確認

一方で、下記の場合は、医療行為に該当するため、身体介護による服薬介助としておこなうことはできません。

  • 入院などをして治療する必要があり、状態が安定していない
  • 副作用の危険性が高いものや投薬量の調整をするため、医師や看護師が続けて状態を経過観察しなければならない状態
  • 誤嚥や肛門からの出血など、専門的な配慮が必要な場合
  • 一包化されていない(PTPシートから出す)状態の薬

服薬介助は、利用者の体調を整えるために非常に重要な介護ですが、誤嚥・飲み間違い、間違って医療行為に該当する行為を行わないことが重要です。

9.見守り的援助

見守り的援助は生活支援・重度化防止、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守りのことです。

この見守り的援助は、利用者の自立を後押しする観点から、介護職員がすべておこなってあげるのではなく、利用者を横でサポートしながら見守って支援するため、単なる見守り・声かけは含まないのが特徴です。

実際の見守り的援助は、厚生労働省では下記のような内容が含まれると示しています。

  • 利用者が移乗する際に、転倒などの防止のため付き添い、必要に応じて介助を行う 
  • リハビリパンツやパットの交換や後始末を利用者一人で出来るように見守り・声かけを行なって支援する
  • 声かけと誘導で食事・水分摂取を支援する
  • 入浴、更衣等の見守り
  • 移動時、転倒しないように側について歩く
  • ベッドの出入り時など自立を促すための声かけ
  • 利用者自身で適切な服薬ができるよう、側で見守り、服薬を促す
  • 掃除、整理整頓*¹
  • 利用者と一緒に分別してゴミ出しのルールを理解してもらう(思い出してもらう)よう援助
  • 冷蔵庫のなかの整理などを行い、生活歴の喚起を促す
  • 洗濯物を一緒に干したりたたんだりすることにより自立支援を促す
  • ベッドのシーツ交換、布団カバーの交換など*¹
  • 衣類の整理・被服の補修*¹
  • 調理、配膳、後片付け*¹
  • 車イスなどでの移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるよう援助

*¹利用者と一緒におこなう見守り的援助

訪問介護における身体介護の費用|サービス提供時間により異なる

実際に身体介護を利用する際は、介護時間によって必要な費用は異なります。ここでは、利用者が1割負担の場合、1回ごとにどれくらいの費用がかかるか紹介します。

厚生労働省が示している費用は下記のとおりです。

種別

時間

利用者負担(1割・1回ごと)

身体介護

20分未満

163円

20分以上30分未満

244円

30分以上60分未満

387円

60分以上

567円

以降30分を増すごとに算定

82円

身体介護をうまく利用して、利用者・家族の負担を軽減させよう

身体介護は、食事介助・入浴介助・排せつ介助など、介護が必要な利用者の日常生活を支援するために身体に直接触れながらおこなう介助行為で、訪問介護や施設介護で提供されます。

以前までは身体介護は無資格でも可能でしたが、現在では訪問介護では介護職員初任者研修、施設介護では認知症介護基礎研修の資格が必要なことからも身体介護をおこなうには、専門的な知識を取得している必要があることがわかります。

適切な身体介護を利用することで、利用者だけでなく、介護者である家族の負担も大幅に軽減できます。そのため、日常生活の介助場面で困っていることがあれば一度ケアマネジャーに相談してみてください。

参考:
厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」
厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会(第220回)資料1:令和5年7月24日」
厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

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