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行動援護と同行援護の違いは?それぞれの特徴と違いについて徹底解説!

障害福祉制度では、障害者の外出支援サービスとして「行動援護」と「同行援護」というサービスが提供されています。

どちらも障害者の社会参加を目的とした外出支援サービスですが、具体的な対象者やサービス内容などはあまり知られていません。

この記事では、行動援護と同行援護それぞれの特徴を理解し、外出を希望する障害者にとってどのような援助が効果的かについて解説していきます。

行動援護とは

行動援護は、主に知的障害または精神障害があり行動上著しい困難な障害者の外出を支援するサービスです。

常時介護が必要な人が対象となるので、外出前後の身支度から外出中の介護はもちろん、外出中の危険予防対応まで幅広くサポートします。

同行援護とは

同行援護は、主に一人で外出することが難しい視覚障害者を対象にした事業です。

同行援護に関する専門的な研修を受けたヘルパーが、外出に付き添って必要な介護をおこないます。

視覚に障害がある方が対象となるので、身体介護だけでなく外出先に関する情報提供や代読、代筆なども援助内容に含まれています。

行動援護と同行援護の違い

障害者の外出支援を目的とした行動援護と同行援護は、どちらも障害福祉制度の訪問系サービスに位置づけられ、国が対象者や援助内容を定めています。

この章では以下の違いについてご紹介します。

①対象区分・対象者が違う

②サービス内容が違う

③必要な資格が違う

④実務経験の要件が違う

この4点について解説していきます。

①対象区分・対象者が違う

障害福祉サービスを利用するためには、市町村による障害支援区分認定のための調査を受け、サービスが必要となる区分1から6のいずれかに認定される必要があります。

市役所への申請から区分の認定、さらにサービスの支給決定がおりるまで、およそ2ヶ月ほどかかります。

個別の事情によりさらに時間がかかる場合もあるので、できるだけ早い段階で市町村に相談に行ったり、利用できるサービスの情報を収集したりしておくことが重要です。

行動援護、同行援護を利用できる対象者について、表でまとめました。

行動援護

同行援護

対象者

・障害程度区分が3以上

・知的障害または精神障害により行動上著しい困難を有する障害者で、常時介護が必要な人

(身体介護を伴わない場合)

同行援護アセスメント票の視力障害、視野障害、夜盲のいずれかが「1点以上」であり、かつ、移動障害の点数が「1点以上」の人


(身体介護を伴う場合)

同行援護アセスメント票の視力障害、視野障害、夜盲のいずれかが「1点以上」であり、かつ、移動障害の点数が「1点以上」の人

 ・ 障害程度区分が2以上

 ・ 障害程度区分の認定調査項目のうち、「歩行」「移乗」「移動」「排尿」「排便」のいずれか1つが「できる」以外と認定

参考:横浜市

②サービス内容が違う

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」によると、行動援護はおもに知的障害や精神障害による「行動上著しい困難」に対して援助をおこないます。

同行援護は視覚障害により生じる「移動の困難」が援助の視点となるため、同じ外出支援事業でありながらヘルパーは障害者の目となって情報提供したり同行したりすることが求められます。

それぞれのサービス内容を表でまとめました。

行動援護

同行援護

サービス内容

・行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護

・外出時における移動中の介護

・排せつおよび食事等の介護その他の行動する際に必要な援助(具体的には、次のようなサービスを行う)

 ・予防的対応

 ・制御的対応

 ・身体介護的対応

・外出時における移動時や外出先において必要な視覚的情報の支援(代筆・代読を含む。)

・外出時における移動時や外出先において必要な移動の援護

・外出時における排泄・食事等の介護のほか外出する際に必要となる援助

参考:厚生労働省

行動援護は、外出時の行動全般について援助することを目的としており、一方同行援護は視覚障害者への移動サポートに援助の重点がおかれている点が特徴です。

③必要な資格が違う

行動援護と同行援護は同じ外出支援事業ですが、対象者それぞれの障害特性や対応技術を身につけられるよう独自の資格が設けられています。

行動援護、同行援護に従事するサービス提供責任者、ヘルパーに必要な資格は次のとおりです。

行動援護

同行援護

サービス提供責任者

行動援護従事者養成研修修了かつ直近3年以上の実務経験

同行援護従業者養成研修応用課程修了者であり、かつ、介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員基礎研修修了者、居宅介護職員初任者研修修了者等であって3年以上の実務経験がある者

ヘルパー

行動援護従事者養成研修修了かつ直近1年以上の実務経験

・同行援護従業者養成研修一般課程修了者

・居宅介護職員初任者研修修了者等であって、1年以上の直接処遇経験を有する者等

参考:厚生労働省

④実務経験の要件が違う

行動援護と同行援護には従事者要件として実務経験が求められます。

実務経験は単に福祉施設で働いていたというだけでは要件を満たさない場合があるので、具体的な事業所種別や職種を確認しましょう。

 

対象事業

行動援護

(児童福祉法に規定する事業)

・障害児通所支援事業(児童発達支援事業、医療型児童発達支援事業)、放課後等デイサービス事業、保育所等訪問支援事業)を行う施設、児童発達支援センター及び障害児入所施設


(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律に規定する事業)

・居宅介護、重度訪問介護、行動援護、生活介護、短期入所、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、重度障害者等包括支援、共同生活援助、療養介護、地域活動支援センター、障害者支援施設


(地域生活支援事業)

・移動支援事業(身体介護含む)、日中一時支援、盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業及び訪問入浴サービス

対象職種

・児童指導員、保育士、従業者(ヘルパー)、生活支援員等直接処遇にあたる職種

ただし管理者(施設長)、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者、介護保険法に規定するサービスの従業者及び居宅介護・重度訪問介護・同行援護のサービス提供責任者は対象外

同行援護

視覚障害者に対する直接処遇として、「指定施設における業務の範囲等及び介護福祉士試験の受験資格の認定に係る介護等の業務の範囲等について」(昭和 63 年 2 月 12 日 社庶第29号)別添2の業務を行った場合

参考:大阪府

まとめ

行動援護・同行援護どちらも利用者数が増加しているサービスです。

今後も活躍の場が増えていくことが考えられるため、おすすめの資格です。

最近では市町村地域支援事業や民間企業でも外出支援をサポートしてくれるサービスが増えつつあります。

今後も障害者本人の希望や心身の状態にあわせてサービスが充実することで、より一層障害を持つ人の生活が豊かになることが期待できます。

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