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認知症加算のプログラム9つの例と算定要件をわかりやすく解説!

2025-02-17

元山 ゆず香

監修者

介護福祉士

元山 ゆず香

大学を卒業後、特別養護老人ホームにて現場業務に従事。その後、福祉系大手企業に入社し、エリアマネージャーとして、施設介護事業・居宅介護事業・障害福祉サービス事業でのエリアマネジメント・行政対応を経験。また、法人本部に異動し教育部門・監査担当部門の部長を歴任。現在は全国の介護・障害福祉事業所の支援やセミナーの開催、DXO株式会社での介護関連事業の支援などを実施。

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認知症加算は、認知症患者への専門的で充実したケアを提供するための加算制度であり、これにより介護事業所は認知症ケアの質を向上させることが期待されています。この記事では、2024年の介護報酬改定に対応し、認知症加算の概要や算定要件について詳しく解説しています。

認知症加算のプログラムは算定要件の一つ|5つの要件をおさらい【2024年改定】

1.プログラムの作成

認知症の症状の進行を緩和するためのケアを、計画的に実施するプログラムを作成していることが求められます。

2.認知症利用者の割合:15%以上【2024年改定】

前年度または算定月の前3ヵ月間における利用者の総数のうち、「日常生活に支障をきたすおそれのある症状や行動が認められ、介護を必要とする認知症の利用者(日常生活自立度ランクⅢ・Ⅳ、またはMに該当する者)」の割合が15%以上であることが求められます。

3.人員配置その1:看護職員または介護職員の配置

通所介護の人員基準に従った配置に加え、看護職員または介護職員を常勤換算で2名以上確保することが求められます。

4.人員配置その2:研修修了者の配置

サービス提供時間帯を通じて、以下の研修を修了した専任の職員を1名以上配置することが求められます。

該当する研修

  1. 認知症介護指導者研修
  2. 認知症介護実践リーダー研修
  3. 認知症介護実践者研修

その他の研修

  • 日本看護協会認定看護師教育課程「認知症看護」
  • 日本看護協会認定の看護系大学院「老人看護」および「精神看護」の専門看護師教育課程
  • 日本精神科看護協会認定の「精神科認定看護師」

※なお、他の加算要件を満たす職員として配置される場合、兼務は認められません。

5.事例検討・会議の定期開催【2024年新設】

事業所の従業者に対して、認知症ケアに関する事例検討や技術的な指導をおこなう会議を定期的に開催していることが求められます。

認知症加算が算定できる8つのプログラム具体例

体操

介護施設でおこなう体操は、認知症予防、転倒予防を目的とした運動です。バランス力や筋力を強化し、体を柔軟に保つことで、転倒のリスクを減らします。

簡単なストレッチや歩行練習、足腰を鍛える運動が取り入れられ、利用者の安全を守るために重要な役割を果たします。自宅でも取り入れやすいことも特徴です。

音楽活動

介護施設での音楽活動は、認知症予防に効果的です。馴染みのある音楽は記憶や感情を刺激し、脳の活性化を促します。

歌やリズムに合わせて体を動かすことが、認知機能の維持や改善に役立ち、利用者の精神的な安定やコミュニケーションを促進します。早口で歌うなどの工夫により、脳活性や口腔機能向上などの効果も期待ができます。

園芸活動

介護施設での園芸活動は、認知症予防や身体機能の維持改善にも繋がります。植物の世話をすることで、四季の移ろいを感じながら、手先の器用さや集中力が養われ、脳の活性化を促します。

また、花や野菜を育てることで心身のリラックスを促し、利用者の精神的な安定や情緒の改善に繋がります。

歩行訓練

定期的な歩行運動は、身体機能を維持・改善し、血流を促進して脳の活性化に繋がります。また、歩行中にしゃがんだり草花の匂いを嗅いだり、認知機能を高める質問をしたり効果の高い散歩は認知症予防に効果的です。

クラフト

介護施設での工作は、認知症予防に役立ちます。刺繍や編み物、ちぎり絵など手先を使った作業は脳を刺激し、認知機能を活性化させます。また、完成した作品はお孫さんのプレゼントにしたり、コンテストに応募、販売などをすることで社会参加にも繋げることも可能です。

機能訓練

介護施設での機能訓練は、ご自宅での日常生活を楽にすることも目的の一つになります。身体を動かすことで血行が良くなり、脳への酸素供給が促進されます。

また、筋力や柔軟性を保つことが認知機能の維持に繋がり、一人ひとりにあった訓練を提供することが大切になります。

ありがとう日記

ありがとう日記は利用者の方々が感謝の気持ちや日々の出来事を記録するための活動として、効果的な方法になります。ありがとう日記を通して、利用者は自分の感情を表現し、思い出や日々の出来事に感謝の気持ちを持つことができ、心の健康にも良い影響を与えます。

今日の「ありがとう」と感じたことや、嬉しかった出来事を思い出し記録することが大切です。些細なことでも感謝の気持ちを言葉にすることで、意味を理解して文章を書いたり、自分の気持ちを文章に表すことで認知症の予防に繋げることができます。

脳トレプログラム

脳トレプログラムとは、個々の利用者の状態やニーズに合わせて、認知機能を改善・維持するためのプログラムを提供することを指します。このプログラムは、個々の認知症の進行具合や生活環境に配慮し、無理なく楽しみながら参加できるような内容で組まれています。

例えば、下肢訓練や転倒予防トレーニングなど、参加者一人ひとりが自分のペースで進められるように組まれています。集団での活動が苦手な方にも安心して参加していただけるため、すべての利用者に対して効果的な認知機能向上を目指しています。

認知症加算のプログラムの例に関するよくある質問

認知症介護の専門的な研修の受講は、常勤のスタッフが受けるのですか?

専門的な研修を修了した者の配置については、常勤のスタッフである必要はありません。認知症ケアや認知症介護に関する研修を実施するなど、加算の要件を満たすためには、事業所内で実際に業務をおこなう必要があります。そのため、加算対象となる事業所の職員であることが求められます。

認知症加算1と2の違いは何ですか?

認知症加算(Ⅰ)では、認知症介護指導者研修修了者を1名以上配置し、事業所全体での認知症ケアの指導を実施することが必要になります。また、認知症ケアに関する研修計画を作成し、実施または実施予定であることが求められます。

認知症加算(Ⅱ)では、認知症介護指導者研修修了者の配置が求められず、研修計画の作成も加算(Ⅰ)より少し緩和されています。

どちらの加算も、専門的な認知症ケアを実施し、従業者に対して定期的な会議で技術的指導をおこなうことが求められますが、加算(Ⅰ)はより厳しい人員配置と研修要件になっているところが違いになります。

認知症加算プログラムの例を参考に、安全な認知症ケアをおこないましょう

認知症加算は、認知症の方々に対する質の高いケアを提供している事業所に支給される加算制度になります。この加算を得るためには、認知症に関する研修を受けた職員を配置し、認知症の進行を緩和するケアを実施することが求められます。

2024年度の介護報酬改定でも、認知症への対応が大きな重点課題として取り上げられており、その重要性がさらに強調されています。認知症加算を取得することにより、利用者やそのご家族からの信頼や満足度が向上するだけでなく、事業所の認知症ケアの専門性を高めることができます。

今後、認知症患者の数が増加することが予測されているため、質の高いケアを提供し、認知症の方々が安心してサービスを利用できる環境を整えるための大きなステップとなります。

今回の認知症加算プログラムの例を参考に安全な認知症ケアを提供していくことは、今後の介護事業所にとって大切なことになります。

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