老人ホームにいる大切な家族へ差し入れをする際に、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
老人ホームへの差し入れは、施設ごとに持ち込み可能な品物やルールが異なるため注意が必要です。場合によっては、差し入れがトラブルの原因となってしまうこともあるため、事前にルールを確認しておきましょう。
本記事では、差し入れ選びのポイントやトラブルを避けるための注意点について解説します。
目次
Aさんは、入居中の母親のため、昔から好きだったお菓子を差し入れに持っていきました。しかし、その後スタッフの目が届かないところでこっそりとお菓子を食べて、喉に詰まらせてしまいます。
幸い、近くにいた利用者がすぐに知らせてくれたおかげで、大事には至りませんでした。しかし、それ以来、Aさんは老人ホームにいる母親へ何を差し入れすればいいのか迷っています。施設のルールもあり、以前と同じトラブルを引き起こしたくない気持ちもあります。
施設に入っている方におすすめの差し入れや、逆に持っていかないほうがよいものなどがあれば教えて欲しいです。
一般的には、入居者が好きな食べ物や日常生活に役立つ日用品は、多くの方に喜ばれる差し入れです。しかし、匂いの強いものや、他の利用者に影響を及ぼす可能性があるものは避けるべきです。
また、施設ごとに差し入れに関するルールが異なるため、持ち込む前には必ず事前に施設へ確認をおこなうことが重要です。さらに、入居者の健康状態によっては、摂取を避けるべき食品があるので、健康面からも十分な配慮をしたほうがよいでしょう。
老人ホーム利用者への差し入れは、お菓子や日用品などが一般的です。ここでは、老人ホーム利用者への差し入れとして、受け入れてもらいやすい品物をいくつかご紹介します。
利用者の好きなお菓子を差し入れると、喜ばれやすいでしょう。施設では提供される食事やおやつが制限されており、利用者の好みに合った食べ物を楽しむ機会が少ないため、好きな食べ物を食べることはよい刺激になります。
ただし、健康状態に影響を与えるものや、喉に詰まる危険性のあるものは避けましょう。また、利用者間でのお菓子のやりとりがトラブルを引き起こす場合もあるため、差し入れを禁止している施設もあります。施設の方針にも配慮しながら、どんなお菓子を持っていくべきか検討するとよいでしょう。
洋服やタオルといった日用品は、実用的な差し入れとして喜ばれやすいでしょう。老人ホームでは外出の機会が限られており、同じ服を着る日々が続きやすいため、利用者の日常に変化を与えるよい刺激になります。
また、タオルは、入浴やお手拭きなどでよく使用されるため、本人だけでなく施設職員にとっても助かる差し入れです。ただし、大量に持ち込むと居室の収納スペースを圧迫するリスクがあるため、適度な量を選ぶことが重要です。
利用者の生活を豊かにするためにも、洋服やタオルといった日用品の差し入れを検討してもよいでしょう。
特に女性の利用者には、部屋に飾るお花を送ると喜ばれやすいでしょう。老人ホームの居室は、安全面を考慮してシンプルな内装になっていることが多く、部屋全体に暗い印象を与えてしまいがちです。
しかし、そうしたお部屋に花を飾ることで日常に彩りと変化をもたらします。この変化が、利用者にとって、大切な心の刺激にもなるでしょう。ただし、香りの強い花の場合は、周囲への配慮が必要です。特に、同室の利用者がいる場合には、周囲に確認してから飾るなどの心遣いを忘れないようにしましょう。
施設内では外出の機会が少なく、娯楽に触れる場面も限られています。日常に変化を与えてくれるものとして、本や雑誌などの娯楽品は、老人ホームへの差し入れにおすすめです。
特に、大きな文字や写真が多い雑誌やパズル本などは、視力が弱くなっている高齢者でも楽しみやすいでしょう。ただし、高価な娯楽品の場合は、破損や紛失時にトラブルを招く恐れがあるため、価格帯や内容を慎重に選ぶことが大切です。また、施設によっては物品の持ち込み制限があるため、事前に確認しておくと安心です。
差し入れの判断基準は、施設によって異なります。しかし、どの施設でも共通して受け入れてもらえないものもあるため注意しましょう。ここでは一般的に受け入れられづらい差し入れをいくつかご紹介します。
好物のお菓子など軽めの飲食物は、差し入れとして受け入れてもらいやすい一方で、お弁当のようなボリュームのある飲食物は避けられる傾向があります。
多くの施設では、利用者に適した食事が管理された上で提供されています。そのため、外部から持ち込んだお弁当を食べると、栄養管理や食事バランスに影響を及ぼすかもしれません。そうした理由から、お弁当の差し入れを断る施設は多いでしょう。
また、残ったお弁当を後から食べようとすることで、食中毒などの衛生的なリスクが生じることも考えられます。安全面の理由からも、大きめの飲食物は施設側で拒否される傾向があるため、持ち込みを検討する際には必ず施設に確認しましょう。
老人ホームは多くの利用者が共同で生活する空間のため、周囲に迷惑をかけるような差し入れは避けるべきです。特に注意が必要なのは、香水などの匂いの強いものです。
香りの好みは人によって異なるため、他の利用者が不快に感じることもあるでしょう。また、施設内は空気の流れが限られているため、強い匂いがこもりやすく、体調を崩す利用者が出る恐れもあります。匂いの強いものを持ち込む場合には、施設のルールを確認し、必要に応じて職員に相談することが大切です。
老人ホームへの差し入れとして高価な品物を渡すのは、できるだけ避けましょう。なぜなら、紛失や破損が発生した際に、トラブルの原因になりやすいからです。
例えば、高級な洋服や財布などは、利用者が不在時の盗難リスクがあります。また、清掃や介護業務中にうっかり傷をつけてしまう可能性もあり、職員の業務を妨げる原因になる場合もあります。こうした理由から、施設内に高級な品物を持ち込むのは避け、できるだけ実用的で高級すぎないものを選ぶようにしましょう。
ここで紹介したもの以外にも、施設ごとに独自のルールで持ち込みを禁止している品物があります。例えば、食べ物や花など、一般的には受け入れてもらいやすいものでも、衛生管理やアレルギー対応の観点から持ち込みを制限している施設も少なくありません。
こうしたルールは、トラブルを未然に防ぐために設けられているものなので、入居時の説明をよく確認しておくことが大切です。また、持ち込んでいいか迷った場合は、必ず事前に施設に直接確認を取ることをおすすめします。
仲のよい利用者や職員に差し入れをしたいという気持ちは理解できますが、できるだけ控えたほうがよいでしょう。他の利用者へ差し入れを渡す場合、相手が健康上の理由で飲食が制限されている場合もあり、不適切なものを差し入れてしまうと健康に影響を与える可能性があります。
また、職員への差し入れについても、周囲に余計な気遣いや不公平感を生じさせることがあります。多くの施設では、職員への個人的な差し入れを断る方針を示しているため、トラブルを避けるためにも渡さないほうがよいでしょう。
差し入れの内容を考える際には、受け取る方に喜んでもらえるかを中心に考えます。確かに、相手に喜んでもらいたいという気持ちは大切ですが、老人ホームにいる方への贈り物の場合は、周囲の利用者に配慮することも重要です。
施設で生活する方々は、同じ環境で長期間過ごすため、他の利用者やスタッフとトラブルが発生すると、その後の生活が不安定になる可能性があります。差し入れを選ぶ際は、施設のルールを確認し、他の利用者の立場にも配慮して、安心して喜んでもらえるものを選びましょう。
老人ホームへの差し入れは、施設スタッフや周囲の利用者への配慮をすることも大切です。周囲への影響も考えつつ、本人が喜んでもらえるものを選びましょう。
特に、利用者の健康状態や施設内のルールは、時間とともに変わります。自分の判断で差し入れを選ぶと、意図しないトラブルの原因になることもあるでしょう。
自分で「問題ないだろう」と判断しても、念のために施設に一言確認することで、安心して差し入れを渡せます。どんな品物を渡す場合でも、できるだけ施設に報告してから渡すことをおすすめします。