訪問介護事業所向けに、訪問介護事業所の人員・設備基準についてまとめました!
<目次>
1)訪問介護事業所の人員・設備基準とは
2)訪問介護事業所の人員基準
3)訪問介護事業所の設備基準
3)まとめ
重度訪問介護を行うにあたって同行支援を上手く使用している事業者の場合、誰がサービスを提供しても、質の高さを維持することができます。
今回は、重度訪問介護の同行支援をしっかり理解するために、使用するために必要な条件・要件などを詳しく解説します。
目次
同行支援とは、重度訪問介護に従事した経験豊富な熟練ヘルパーが、新人ヘルパーに同行できる制度のことです。
同行支援の目的は、総合的なサービスを新人ヘルパーであることが理由で提供されないことがないように、熟練したヘルパーが同行してサービス提供をしっかり行う目的があります。
そのため、重度訪問介護の同行支援は、新人ヘルパーへの指導・研修などが目的ではないことについて理解しておく必要があります。
新人ヘルパーの定義は、新規に雇用を開始したヘルパーで採用後 6 ヶ月以内の者となります。
ただ、利用者への支援が 1 年未満となることが見込まれている、もしくは採用から 6 ヶ月経過した方は除きます。
ただし、事故などのやむを得ない理由により一時的に業務に従事できない期間などがあった場合は、例外的に6 ヶ月を超えても同行支援の対象となる場合があります。
熟練ヘルパーの定義は、厚生労働省によると、「当該利用者の障害特性を理解し、適切な介護を提供できる者であり、かつ、当該利用者へのサービスについて利用者から十分な評価がある従業者」となっています。
そのため、必ずしも介護福祉士である必要はありません。
参考:厚生労働省
同行支援を行う場合、1人のヘルパーにつき所定単位数の85%に相当する単位数を算定できます。
なお、重度訪問介護の所定単位数は下記になります。
・基本的な報酬単価
所要時間区分 | 単位 |
1時間未満 | 185単位 |
1時間以上1時間30分未満 | 275単位 |
1時間30分以上2時間未満 | 367単位 |
2時間以上2時間30分未満 | 458単位 |
2時間30分以上3時間未満 | 550単位 |
3時間以上3時間30分未満 | 640単位 |
3時間30分以上4時間未満 | 732単位 |
4時間以上8時間未満 | 817単位+30分毎に85単位を加算 |
8時間以上12時間未満 | 1,497単位+30分毎に85単位を加算 |
12時間以上16時間未満 | 2,172単位+30分毎に80単位を加算 |
16時間以上20時間未満 | 2,818単位+30分毎に86単位を加算 |
20時間以上24時間未満 | 3,500単位+30分毎に80単位を加算 |
注意点としては、新人ヘルパー・熟練ヘルパーともに85%の算定額となるため、上記の基本報酬から170%を算定することになります。
また、新人ヘルパー・熟練ヘルパーが同じ事業所ではなく、異なる事業所に所属している場合においての算定は、それぞれの事業所から同行支援として2人分の請求ができますが、報酬はそれぞれ所定単位数の 85% となります。
新人ヘルパーと熟練ヘルパーの組み合わせであれば、どのような条件でも重度訪問介護の同行支援ができるということはなく、下記の内容に注意が必要です。
・同行支援が算定できるのは、利用者1人あたり120時間まで
・同行できるヘルパーは利用者1人あたり3人まで算定できる
1人の利用者さんに対して行われる利用時間は120時間までとなっています。
また、1人の新人ヘルパーが複数の利用者さんに対して支援を行う場合であっても、120時間を超えて同行支援を行うことはできませんが、熟練ヘルパーが複数の新人ヘルパーに同行した場合においての時間制限はありません。
参考:川越市
参考:中野区
1人の利用者さんに対して、年間3人までヘルパーの算定が可能です。この場合における「年間」とは「1 人目の新人ヘルパーに同行支援を開始した月から 12 ヶ月間」のことをいいます。
ただし、利用者さんの状況、新人へルパーの急遽退職など、特別な理由がない場合は、原則的に新人ヘルパーを入れ替えることはできません。
また、1 人の利用者さんつき、年間 3 人までとなるため、複数の事業所を利用している場合、申請する際には、事業所間で連絡・調整が必要です。
参考:川越市
参考:中野区
重度訪問介護の同行支援を算定するためには、下記の4つの要件を満たしていることが必要です。
①利用者に同意を得ている
②利用者が障害支援区分6であること
③同行支援を自治体から許可されている
④新人ヘルパーが同じ利用者へ1年以上サービスを提供する場合
この4点について解説します。
参考:川越市
参考:中野区
同行支援を行うためには、なぜ同行支援が必要なのか、利用者にきちんと説明し、行う前に、利用者の同意を得ている必要があります。
重度訪問介護は、障害支援区分が4以上であれば利用できますが、同行支援の対象は障害支援区分6の必要があります。
この障害支援区分を受けるには、自治体が行う認定調査を受ける必要があります。
この認定調査は、心身の状況に関する80項目の聴き取り調査と、調査項目だけではわからない個別の状況を記入する特記事項により構成されています。
その後、認定調査の内容と、医師の意見書を併せて、市町村審査会での総合的な判定を踏まえて自治体が認定します。
なお、障害区分は1〜6に分類され、数字が高くなるにつれて必要となる支援の度合いが高くなります。
利用者さんの障がい特性を理解して適切な介護が提供でき、かつ、その利用者さんへのサービスについて評価されている熟練ヘルパーが、同行する必要があると自治体に認められた場合のみ同行支援が可能です。
また、自治体が同行支援を認めた場合、障害福祉サービス受給者証に「同行支援可 3人 114時間」などのような記載をしてもらう必要がありますので注意が必要です。
同行支援が許可される利用者は、基本的に長期間のサービス提供が想定される方に限られます。
そのため、採用後6ヶ月以内の新人ヘルパーで、1年以上利用者さんの支援にあたることが見込まれる場合のみ同行支援が許されます。
このとき、別の事業所で働いていた期間は含まず、今回採用された事業所での従事期間だけで計算できる点に注意が必要です。
重度訪問介護の同行支援は、新人ヘルパーへの指導ではなく、あくまでも利用者のために行われています。
この同行支援を上手く使用して、同行支援が終了した後も、サービス提供の質が下がらないように事業所全体で工夫することが重要になります。